オーディオチューニングパーツ。その中でデッドニング材は市場にたくさん出回っている。仕様は多岐にわたり、建材用や工業用から派生したモノも多いが選び方、使い方も気のなるところといえよう。
紹介するフェリソニは、素材全般、幅広いバリエーションを用意。その中でカーオーディオ専用、C-1とC-2は、かつてない製法で作られ独自の形状を持つ特殊なウレタン材に撥水加工と強い粘着面を持たせた高性能吸音材だ。ドアアウターパネル（鉄板／外板）に使用することでスピーカーの能力を飛躍的に高めることができる。
ドア内部の現状をはじめに考察したい。通常ミッドバスユニット（以下ミッドバス省略）はインナーパネル（内部鉄板）に取り付けられているが、音は車室内に放出されると同時に、ユニット背面からも音が出ている。すなわち正相（前面）と相反して逆相（背面）と呼ばれる音も出ている。この背面から出力された逆相音は、ユニットの後ろにあるアウターパネル（鉄板／外板）に反射し、再び振動板に向かって戻ってくる。
ここで重要なのは、ユニットの振動板（コーン部）が薄く軽量で隙間もあり、反射してきた音がそのまま、振動板（コーン部）を通り抜けて前面から放出。正相音と合成され、キャンセリング（正相と逆相による音波のう打ち消し合い）を起こし、本来の音楽信号（コーン部／前面で作り出す正確な再生音）を大きく変化させている点に着目する。原因を克服するため、素材選びから実車での実験、研究を重ねたという。もう少し付け加えると、ホームのスピーカーは、エンクロージャー内部（ボックス）の奥行きを確保し、ユニット背圧の影響を抑えることができるが、ドアパネルは奥行きに制約があるため、反射してきた逆相音の影響をモロに受けているのだ。
上記の問題をクリアするために、ユニット背後部に強力な吸音材をこしらえ、装着することを考えついたという。ユニット背面から出力される逆相音を吸収消滅させ、かつサービスホールから回り込みの問題を含め、キャンセリング問題が解決できる。しかし、すべての音域を100％吸収することはあくまでも理想だ。従来の吸音材・拡散材では吸音と拡散できる範囲は高音域に限られる。低音域から中音域に対しては効果はほとんどない。ゆえにドアに装着されているミッドバスに対応できないのである。
C-1、C-2は、200Hzという低い周波数から20%以上の吸音特性を発揮し、315Hzより上は50%から100%に近い優れた吸音効果を発揮する。他社と比較した場合、幅の広い音域に対して強力に吸音するため、本来の音楽信号の純粋な正相音に近い再生音が得られるのだ。
効果は絶大で、使用前と施工後では、歌声、楽器の輪郭、解像度がアップ。低音域の音程が明確になり、またトゥイーターとの繋がりがスムーズで自然な音調となる。逆相音を消滅させることでイヤな付帯音を改善されているのも驚きだ。画期的な吸音材であることが試聴で確認できた。
●仕様
C-1
寸法：縦5cm×横30cm×厚み4cm
4本入￥10,000
12本入￥24,000
24本入￥45,000
C-2
寸法：縦5cm×横30cm×厚み2cm
4本入￥8,900
12本入￥21,000
24本入￥39,000
