サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #18: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.4 タイムアライメント調整のキモ! | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #18: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.4 タイムアライメント調整のキモ!

#18:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.4 タイムアライメント調整のキモ!

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#18:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.4 タイムアライメント調整のキモ!


調整についての松居さん流の考えを、多種なエピソードとともに語っていただいているシリーズ。今回は、『タイムアライメント』についてお送りする。参考になるとともに、興味深くお読みいただけるハズだ。じっくりとご堪能あれ♪

前回、前々回とクロスオーバー調整、イコライザー調整についてお話しさせていただいた。今回はタイムアライメントについて僕なりの考えをお話しする。

クロスオーバーやイコライザーは、アナログの時代から存在していた装置であるが、デジタル化することで、タイム・アライメント(時間の調整)が可能になった。

僕が出会ったこの機能を初めて搭載した装置とは、1988年に発売されたデジタルシグナルプロセッサー「SAORI」である。日本のTOAが、ウイーン国立歌劇場に2年間泊まり込みでフルデジタルミキシングシステムを開発、納入。その技術を応用したシグナルプロセッサーが「SAORI」だ。それが発売されていることを知り、1990年、当時リニューアルを計画していた設備音響の案件でこれを導入した。それまで2次元的な調整しかできなかったところを、3次元で調整ができる、それはとても画期的で「革命的」な性能だと感じた。


特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.4 タイムアライメント調整のキモ!


93年にパイオニアが、カーオーディオでは世界に先駈けてタイムアライメント機能を搭載した「カロッツエリアX」を発売することを知り、その「カロッツエリアX」を真っ先に自分のクルマに装着したのは、この経験があったから。それまでのカーオーディオとは比べものにならない領域へシフト出来るような期待感を持ったからだ。

カーオーディオに限らず、タイムアライメントを使って各スピーカーの伝達時間を調整すると、濁りのないクリアさを獲得でき、実在感が断然と増す。カーオーディオの場合は、シートの位置が左右どちらかになるので、その距離の差を等しくなるように調整でき、このことはメリットとして特に大きい。


特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.4 タイムアライメント調整のキモ!


さて、調整方法のキモについて説明していこう。

僕は、実際の距離を計測するところから始めるべきと、決めている。

いろんなところで「センターはどこに定位させますか?」と聞かれることがある。確かにタイムアライメント機能を使えば、意図的にモノラル部分(左右同じ音量で記録されている成分)を、レベルと関連させながら思った位置に定位させることが出来る。そのモノラル部分を、目の前に定位させるべきかバックミラーあたりへ定位させるべきか? という質問だと理解している。このような質問をされる方は、モノラル音源を使って定位を決めていく調整方法を取られているのかもしれない。

しかし僕は、モノラル成分に注目しすぎるのもどうかと思っていて、左右同じスピーカーを使用する場合に限るが、同じクロスオーバーポイント・スロープにセッティングし、メジャーで実際の距離を計測、その値を入力し、それを中心に、いろいろ試してみる、という調整法をお勧めしたい。

モノラル時代のCD(オンマイクな物)と、比較的マイクから音源が遠い位置にある(音源に加え場所のアンビエンスも良く収録してある作品)、1ポイントで録られたステレオ録音のCD(チエスキーレコードやmaレコードなど)等を比較しながら、空間(サウンドステージ)の再現と、スムーズな帯域バランスを確認してゆく。そして違和感のある部分を修正してゆくのである。

2次元から3次元、これがデジタルシグナルプロセッサーの真骨頂、だからなのである。

http://www.marecordings.com/

http://www.chesky.com/index.html

《松居邦彦》

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