サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #2: PHD・ART-4085<後編> | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #2: PHD・ART-4085<後編>

#2:
PHD・ART-4085<後編>

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#2:
PHD・ART-4085<後編>

衝撃の新連載、第二回目は、前回にご紹介したパワーアンプ、PHD・ART-4085の実車装着インプレッション。音楽好き & クルマ好き & オーディオ好きの松居さんが、愛車の中で好きな音楽をかけながらドライブ試聴! さて、その結果は…?



PHD ART-4085を2台、Audi S4 avantに取り付けた。4chモデルを2台、L/R別に使用するレイアウトで、サブウーファーはブリッジ接続とし、ミッド & ハイにそれぞれ1chを割り当てる、3chモードで使用する。


サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の カーオーディオ新製品 リアル試聴記『そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #2:


左右に別々のアンプを使いながらのマルチアンプ駆動となるわけで、チャンネルセパレーションを理想的状態に保てる。ステレオアンプを使用する方法より1クラス上の使い方と考えている。すべてをモノラルアンプで構成する事が理想であるならば、その次に理想の方法である。

実際に取り付けてみて、ボディがコンパクトであり、取り回しの良さが感じられた。デザインは特別な造形はなされていないものの、黄色と黒のコントラストを利用し「可愛く」仕上げてある印象。

カロッツェリアXのプロセッサー、RS-P99Xを使用しての調整は特別に行わなず、PHD・ART-4085のゲイン調整のみを行って聴いてみた。RS-A99Xの動作ゲインと同じになるようミリバルメーターを使用し、1KHzサインウエーブで調整、接続した。


サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の カーオーディオ新製品 リアル試聴記『そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #2:


今回実用での比較ということで、試聴はあえて運転しながら行った。というかパワーアンプが変わる事で日常にどういう変化が訪れるか?を体験してみたかったのである。

金額的には半分の価格の製品になるわけで、グレードダウンという事になる。出音の印象はレゾリューション的にも確かに1ランク下であった。空間の音の再現性や細やかなテクスチャーはあまり感じられなくなった、これはRS-P99Xがハイボルテージ過ぎるためパワーアンプの入力ゲインを絞らなくてはいけないことによって引き起こされてしまったのかもしれない。

通常のパワーアンプゲインは26dbであるが、今回LOW 20db、MID/HGHI 14dbとした。このレンジがこのアンプにとって最適なレンジではないので、こうゆう結果になったのかもしれない。しかし、音楽は十分に楽しめた。

モニターシステムからリスニングシステムになったとでもいうべきか、神経質な部分がなくなりリラックスした雰囲気になった。


サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の カーオーディオ新製品 リアル試聴記『そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #2:


音に粘りが出た。コクがあるというか、ダイアナ・クラールの声が低く落ち着いて聴こえる。醤油からオリーブオイルに変わった、とでも言おうか。スタインウエィ特有の乾いた音色がすこし落ち着いて、ピアノは木で出来ている事を実感させられる。

続いてマイルス・デイビスの『カインド・オブ・ブルー』。コルトレーンのテナーサックスが太く強い印象になった。

マイケル・ジャクソン『ディス・イズ・イット』が喧しくならない。

これらが、僕に訪れた「日常の変化」。

こういった音の環境なので、Audi S4 avantをもってしてアグレッシブな走りに駆り立てられることはない。燃費にはとても良い走り方になる。

僕はパット・メセニーが最も「大好き」なアーティストなので、USBの中の半分はメセニー関連の音楽である。色彩感が豊富でストーリーの長いフレーズの組み上げ方が好きだ。何度聴いても、くるところがくるとイってしてしまうのである。


サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の カーオーディオ新製品 リアル試聴記『そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #2:


当然、今回もとっておきの曲をかけてみた。これに関してはテンポが若干遅く感じられる印象で、ウエットな表現は良いのだが、ブリリアントな表情をもう少しみせてほしかったと思った。

カーオーディオ界にはこういったタイプのこの価格帯の商品は少なく、存在は貴重かもしれない。組み合わせるスピーカーは、ドライなタイプを選ぶべきだろう。ラテンの雰囲気が感じられるカラッとした楽天的な音色のスピーカーを見つけられたら、ベストマッチングと思う。

《松居邦彦》

特集

page top