[音の極め方]スピーカーはそのままなのに音が良くなる“接続法”がある!? | Push on! Mycar-life

[音の極め方]スピーカーはそのままなのに音が良くなる“接続法”がある!?

当特集では、カーオーディオシステムの音をさらに良くするためのマニアックなアプローチを1つ1つ紹介している。今回は、「バイアンプ接続」というスピーカーの接続法を紹介する。これを実行するとスピーカーはそのままなのに音が良くなる。その理由とは…。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事

当特集では、カーオーディオシステムの音をさらに良くするためのマニアックなアプローチを1つ1つ紹介している。今回は、「バイアンプ接続」というスピーカーの接続法を紹介する。これを実行するとスピーカーはそのままなのに音が良くなる。その理由とは…。

「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応していればこれが可能に!

早速、「バイアンプ接続」とは何なのかを説明していこう。スピーカーには一部を除き「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」というパーツが付属しているが、「バイアンプ接続」とはそれに対する配線方法の名称だ。

なお「パッシブ」とは信号の帯域分割を行うための装置で、普通は左右のch用に1つずつ計2つ(もしくは1セットずつ計2セット)が同梱されている。

で、スタンダードな使い方をする際には、これに対して以下のような接続方法が実行される(セパレート2ウェイの場合)。「パッシブ」には入力端子が1つ備わっているので、それに片側chのフルレンジの信号を入力する。そうするとこの装置の中で音楽信号が、高音と中低音とに分割される。そして「パッシブ」のツイーター用の出力端子とツイーターとをケーブルで繋ぎ高音をツイーターへと送り、ミッドウーファー用の出力端子とミッドウーファーとをケーブルで繋ぎ中低音をミッドウーファーへと送り込む。

一方「バイアンプ接続」に対応している「パッシブ」は、入力端子を2系統備えている。1つがツイーター用の入力端子でもう1つがミッドウーファー用の入力端子だ。ゆえに以下のような接続法が可能となる。

内蔵パワーアンプの4chすべてを使ってフロントスピーカーを駆動。この事実が音に効く!

例えばナビ等の「メインユニット」の内蔵パワーアンプで2ウェイスピーカーを鳴らす場合には、内蔵パワーアンプの左右のフロントスピーカー用の出力を左右の「パッシブ」のミッドウーファー用の入力端子へと接続し、左右のリアスピーカー用の出力を左右の「パッシブ」のツイーター用の入力端子へと接続する。

なお「パッシブ」は本来信号の帯域分割を行う装置だが、「バイアンプ接続」時には信号の“分割”は行われない。入力する段階で信号が個別化されているからだ。なので「パッシブ」内では、ツイーター用の信号については中低音のカットが、ミッドウーファー用の信号については高音のカットがそれぞれ行われる。このように「パッシブ」は、信号の“濾過装置”として機能する。

ちなみに「バイアンプ接続」を行う場合には、内蔵パワーアンプの4ch分の出力のすべてがフロントスピーカーのために使われることとなるので、リアスピーカーは鳴らせなくなる。この点はデメリットだ。しかしながら4ch分の出力のすべてをフロントスピーカーに使うというこの事実が、音に対して如実に効く。より余裕を持って鳴らせるようになるからだ。結果、情報量も解像度も上がるのだ。

コントロール面でもメリットを発揮。そして「パッシブ」が非対応の場合には…。

そしてさらには、使用している「メインユニット」に簡易的な「タイムアライメント機能」が搭載されている場合には、コントロール面でもメリットを発揮する。簡易的な「タイムアライメント機能」では、ツイーターとミッドウーファーとを「1つのスピーカー」として扱わざるを得ない。なのでツイーターとミッドウーファーの個別制御を行えない。しかし「バイアンプ接続」を行えば、個別制御が可能となる。

フロントスピーカー用の「タイムアライメント機能」をミッドウーファーに対して運用でき、リアスピーカー用の「タイムアライメント機能」をツイーターに対して運用できるようになるからだ。

さて、使用しているスピーカーの「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応していない場合、「バイアンプ接続」は不可能なのかというと…。

実は手がある。それは、「対応パッシブをワンオフする」というものだ。これを実行すれば「バイアンプ接続」を行える。やってみたいと思ったら、行きつけの「カーオーディオ・プロショップ」にて相談してみよう。例えばパーツ代に1万円程度もコストをかければそこそこ高性能な「パッシブ」を作れるはずだ。

なお「バイアンプ接続」を実行する場合には、スピーカーケーブルの引き直し作業が発生しケーブルも新規に必要になるのでコストは相応にかかる。しかし得られるメリットもかなり大きい。興味があれば、ぜひともトライを。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top