実は「D級」が狙い目!? 「外部パワーアンプ・ワールド」第4回 | Push on! Mycar-life

実は「D級」が狙い目!? 「外部パワーアンプ・ワールド」第4回

カーオーディオを本格的に愛好しているドライバーの多くは、「外部パワーアンプ」を使用している。当特集では、そうである理由からこれの選び方や活用方法までを幅広く解説しようと試みている。今回は「動作方式」にタイプ違いがあることについて説明していく。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
D級パワーアンプの一例(カロッツェリア・PRS-D800)。
  • D級パワーアンプの一例(カロッツェリア・PRS-D800)。
  • D級パワーアンプの一例(カロッツェリア・PRS-D800)。
  • D級パワーアンプの一例(PLUG&PLAY・PLUG&PLAY POWER)。
  • D級パワーアンプの一例(カロッツェリア・GM-D8400)。

カーオーディオを本格的に愛好しているドライバーの多くは、「外部パワーアンプ」を使用している。当特集では、そうである理由からこれの選び方や活用方法までを幅広く解説しようと試みている。今回は「動作方式」にタイプ違いがあることについて説明していく。

◆「外部パワーアンプ」には「アナログ方式」と「デジタル方式」がある!?

カーオーディオで用いられる「外部パワーアンプ」にはタイプ違いがいくつかある。というわけで前回の記事では「ch数違い」があることを解説した。で、分類の仕方はもう1つある。それは「動作方式の違い」だ。『外部パワーアンプ」とは音楽信号をスピーカーを駆動できるレベルにまで増幅するための機器だが、その増幅方法にもタイプ違いがあるのだ。

まず大きくは2つに分類できる。1つが「アナログ方式」で、もう1つが「デジタル方式(D級)」だ。違いはその名前のとおりだ。前者では音楽信号はアナログの状態で取り扱われるが、後者では音楽信号をデジタル的に扱う。一旦パルス信号に置き換えてから増幅するのだ。

ちなみにひと昔前まで「デジタル方式」の「外部パワーアンプ」は、音質性能的に不利だと言われていた。ただしハイパワー化がしやすいので、サブウーファー用の「外部パワーアンプ」には多く採用されてきた。サブウーファーは再生レンジが狭くそして超低音には音色に影響する倍音成分が多くは含まれていないので、音質性能は大きくは問題にならない。それよりも動かす力と止める力が求められるので、「デジタル方式」は向いているのだ。

◆「デジタル方式」の「外部パワーアンプ」には、コスパに優れたモデルが多い!?

しかし、昨今は状況が変わった。『デジタル方式」の「外部パワーアンプ」の音質性能面でのビハインドはほとんどなくなった。なのでサブウーファー用のみならず、フロントスピーカーを鳴らすためのものも多種多様にリリースされている。

とはいえ、とことん高音質を追求したいと考えるときには「アナログ方式」のモデルに利が出てくる。その理由は以下のとおりだ。「アナログ方式」の「外部パワーアンプ」は、コストをかけることで性能がどこまでも向上していく。構造がシンプルなだけに、部品や部材に高級品を使えば使うほどそれに比例して性能が上がっていくからだ。

対して「デジタル方式」の「外部パワーアンプ」は、コストを投じても性能は「アナログ方式」のものほどは高まらない。構造が複雑化している分、部品や部材の質に頼る割合が少なくなるからだ。

というわけなので、「アナログ方式」のモデルの中には超高級品が存在するが、「デジタル方式」の「外部パワーアンプ」には、超が付くほどの高級品はほとんど見当たらない。逆に、コスパに優れたモデルが多い。価格的には手頃でも、ワンランク上の性能を発揮するモデルが多々ある。

◆システムを効率的に作り上げたいときには、「デジタル方式」のモデルが向く!

もちろん、「アナログ方式」の「外部パワーアンプ」の中にも、リーズナブルでありながら音の良いモデルがさまざまある。そして「アナログ方式」だからこそのサウンド的な特長を示すモデルも多くある。なので、低コストでシステムを作り上げたいと思ったときにも「アナログ方式」のモデルを物色しても良いのだが、「デジタル方式」のモデルにもにも目を向けると、選択肢がぐっと広がる。

そして「デジタル方式」のモデルには、これだからこそのメリットも多々ある。まず信号を増幅するにあたっての効率が良いので、超小型化を図りやすい。その上使用電力も少なくてすむので、EVやハイブリッド車にも向く。また発熱しにくいので扱いやすい。取り付ける際に放熱のことをあまり考慮しなくても良いのだ。さらにはものによっては、プラス電源を車両のメインバッテリーから直接引き込む「バッ直」をしなくても良い場合もある。そうであると取り付け費用のスリム化も図れる。

そして、スピーカーの振動板をしっかり動かせてしっかり止められるので、キレ味の良いサウンドが得られやすい。また、サブウーファー用としても使いやすいので後々の使い回しも効く。

かくして、ある程度リーズナブルに、そして省スペース&省電力なシステムを作り上げたいと思ったときには、「デジタル方式」の「外部パワーアンプ」に妙味が出てくる。覚えておこう。

さて次回は、「アナログ方式」の「外部パワーアンプ」について掘り下げる。お楽しみに。


恋人もいないのに
¥250
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

[外部パワーアンプ・ワールド]実は“D級”が狙い目!?

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top