正しいブレーキパッドの慣らしで性能を高める!実は乗るたびに慣らしが必要な理由とは?~カスタムHOW TO~ | Push on! Mycar-life

正しいブレーキパッドの慣らしで性能を高める!実は乗るたびに慣らしが必要な理由とは?~カスタムHOW TO~

ブレーキパッドには慣らし運転が必要。最近のパッドは焼いてあるから不要という話もあるが、

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正しいブレーキパッドの慣らしで性能を高める!実は乗るたびに慣らしが必要な理由とは?~カスタムHOW TO~
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ブレーキパッドには慣らし運転が必要。最近のパッドは焼いてあるから不要という話もあるが、それでも慣らし運転をして悪いことはなにもない。しかも、じつは毎日慣らしをしたほうがいいかもしれない。

焼きを入れる慣らしでパッドは成長する

ブレーキパッドはさまざまな繊維と樹脂をプレスして、高温で焼いてできている。サーキット走行やレース用のパッドは、その主成分が鉄分になり、熱に強くなっている。どちらも製造時には高温で焼いてあるが、スポーツパッドならクルマに取り付けて強めのブレーキを繰り返す「焼き入れ」をすることで、内部の樹脂が焼けることによって出るガス(煙)を出す。この作業が必須と言われていた。

パッドが高温になると、内部からガスが発生する。このガスによってブレーキローターからパッドが浮いてしまう。浮いてしまうからまったく効かなくなってしまう。これがフェード現象と呼ばれるもの。峠道で突然ブレーキが効かなくなってしまう原因はフェード現象であることが多い。それを防ぐために製造時に高温で焼いてあるが、それでも数百度。本格的にブレーキを使うと瞬間的にパッドの表面は700度近くなるので、やはりフェード現象は起きやすいのだ。

それを防ぐために「焼き入れ」をする。フルブレーキの50%くらいの減速を繰り返して意図的にパッドの温度を上げ、あえてフェードさせて樹脂成分を焼くのだ。最初に高温になったときにもっともガスが出て、そのあとはガスは出にくい。なので、効きが安定する。これがいわゆる新品パッドの慣らし。

ブレーキシステムメーカーのエンドレスでは、この現象を1次フェードと呼んでいる。スポーツパッドでは装着時に1次フェードをさせて、ある程度ガスが出きった後の方が、より高い温度まで効きを維持できるので、ある程度焼き入れを行うことがある。これも慣らしのひとつだ。ちなみに1次フェードのあとは、何回温度を上げてもそれ以上高温に持つようになるわけではない。

一般にはそこまでハードな慣らしは必要ないが、フルブレーキの半分くらいの減速を10回ほど繰り返して、ある程度パッドに熱を入れてあげたほうがパッドの成分が安定する。パッドとローターの密着も良くなるので、新しいパッドを付けたときには、周囲に気をつけて「慣らし」をしてもらいたい。

昔はそんな減速するのめんどくさいから、アクセル全開で左足でブレーキを掛けてパッドに焼き入れをする。という人もいたが、加減がわからず、気がついたら新品パッドがもう薄くなっていたという人もいるのでオススメできない。また、近年のクルマはアクセルを踏みながらブレーキを踏むと、スロットルが閉じる制御になっているので、そもそもそういった走行ができないことも多い。

慣らしのもうひとつの意味は被膜を作ること

ブレーキパッドはローターと擦れている。その減りを抑え、効きを高めるためにパッドはローターに被膜を作るように設計されている。カーボンをパッドに混ぜて、ローターにカーボンの被膜を作ることで、擬似的にカーボンローターとカーボンパッドが擦れているようにすることで、効きと減りをコントロールしていたりする。

パッドの慣らしは、ローターに綺麗に皮膜を作るために行う意味もある。ロックしたり、ABSを効かせてしまうとパッドが均一にローターに接しなくなってしまうので、綺麗に被膜が形成されない。なので、フルブレーキではなく、その50%くらいの制動を繰り返すことを推奨している。しかし、実はこの被膜、高温時には作用するが、多くの場合街乗りしていると剥がれてしまうのだ。適正な温度域でなくなると、すぐに削れてなくなってしまう。

なので、スポーツ走行をしようというときは、その日の朝に再び慣らし走行をするか、サーキットでコースインしてから最初の数周はペースを抑えてブレーキを丁寧に掛けて、被膜を作る走行をしたほうが良いのだ。スポーツパッドを使っていない街乗りしかしない人でも、パッドが鳴くようになったとか、効きがイマイチというときは、ある程度強めの減速を繰り返してあげることで、ローター表面をリセットして被膜を作ることで改善できることが多い。

そういったパッドでは意図的な焼き入れは不要で、むしろあまり温度を上げると摩材がダメージを受けてしまうので注意が必要だが、被膜を作るようなイメージで長いブレーキを踏むことで、フィーリングを安定化させることはできる。

《加茂 新》

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