タイプ違いがあるのはなぜ? どれを使うべき?「カーオーディオにまつわる“なぜ?”を解明!」Part2「プロセッサー」編 その2 | Push on! Mycar-life

タイプ違いがあるのはなぜ? どれを使うべき?「カーオーディオにまつわる“なぜ?”を解明!」Part2「プロセッサー」編 その2

カーオーディオには「分かりづらい」部分がさまざまある。ゆえにビギナーからは“取っつきにくい”と思われがちだ。当連載は、そのような傾向を打破すべく展開している。現在は「プロセッサー」をテーマにお贈りしている。今回はその第2回目をお届けする。

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高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(三菱電機・NR-MZ300PREMI-4)。
  • 高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(三菱電機・NR-MZ300PREMI-4)。
  • 高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(カロッツェリア・AVIC-CQ912-DC)。
  • 高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(カロッツェリア・AVIC-CL912-DC)。
  • 高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(カロッツェリア・AVIC-CW912-DC)。
  • 高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(カロッツェリア・AVIC-CZ912-DC)。
  • パワーアンプを内蔵した外付け「プロセッサー」の一例(アークオーディオ・PS8-50)。
  • パワーアンプを内蔵しない外付け「プロセッサー」の一例(ロックフォード フォズゲート・DSR1)。
  • パワーアンプを内蔵しない外付け「プロセッサー」の一例(ロックフォード フォズゲート・DSR1)。

カーオーディオには「分かりづらい」部分がさまざまある。ゆえにビギナーからは“取っつきにくい”と思われがちだ。当連載は、そのような傾向を打破すべく展開している。現在は「プロセッサー」をテーマにお贈りしている。今回はその第2回目をお届けする。

タイプ違いは3つある。さて、選ぶべきは…。

前回は、「プロセッサー」とは何なのか、そしてなぜにこれが必要とされるのかを説明した。なおその中で「プロセッサー」にはタイプ違いがあることも解説したが、今回はなぜタイプ違いがあるのか、そしてその中から何を選ぶべきなのかを説明していく。

まず、どのようなタイプがあるのかをおさらいしておこう。大きくはアナログタイプとデジタルタイプの2つがあり、主流はデジタルタイプの方だ。そしてその中にも、タイプ違いが3つある。「メインユニットに内蔵されているタイプ」、「パワーアンプを内蔵した外付けタイプ」、「パワーアンプを内蔵しない外付けタイプ」、この3つだ。

このようなタイプ違いが存在している理由はズバリ、「使いやすいものを選べるようにするため」だ。それぞれには特徴があり、導入のしやすさや発展性に違いがある。ユーザーはそれらを鑑みて自分にとって使いやすいものを選べる、というわけだ。

では、それぞれがどのような人に向いているのかを解説していこう。最初は、「メインユニットに内蔵されているタイプ」から。

ところで、どのようなメインユニットにもなんらかの「プロセッサー」が内蔵されている。しかしながら本格的なカーオーディオシステムを構築させたいと思うなら、以下の機能が搭載されているモデルの中から選びたい。「タイムアライメント」「クロスオーバー」「イコライザー」、この3つだ。ちなみに「クロスオーバー」とは音楽信号の帯域分割を行うための機能だが、機種によってできることが異なる場合がある。お薦めなのは、ツイーターとミッドウーファー間の帯域分割を行えるタイプだ(フロントスピーカーとサブウーファー間の帯域分割しか行えないものもある)。そうであると、フロント2ウェイスピーカーの詳細な制御が可能となるのだ。

高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(カロッツェリア・AVIC-CQ912-DC)。高度な「プロセッサー」を内蔵した市販AV一体型ナビの一例(カロッツェリア・AVIC-CQ912-DC)。

今使っているメインユニットの使い心地に不満があるのなら…。

で、「メインユニットに内蔵されているタイプ」が向いているのは、「メインユニットが交換可能で、愛用のメインユニットの使い心地に不満がある場合」だ。ちなみにメインユニットは購入して4、5年経つと、最新機種との性能差が案外開いてくる。例えばメインユニットがAV一体型ナビの場合にはまず、画質が異なる。ここ数年でHD画質が確保された機種が増え、また太陽光の反射に強いモデルや広視野角な製品も多くなっている。そしてエンタメ機能が充実しているものや、操作性が上がっているモデルも目立つ。

また数年前は、Bluetoothに対応していなかったりHDMI端子が装備されていないモデルも少なくなかった。しかし今ではそれらの対応が広がっている。で、それらが使えるようになるだけでもガラリと使い勝手が向上する。Bluetoothに対応していればスマホ内の音楽をワイヤレス接続にて聴けるようになり、しかも都度の接続も不要だ。Bluetooth接続の場合は、クルマに乗り込めばスマホはポケットに入れたままでも自動で接続が完了される。

そしてHDMI端子が備わっていると、スマホのミラーリングも可能となる。ネット動画を車載機のモニターに映し出せて、音声はカースピーカーから聴ける。この2つを装備したいと思っているのなら、この際、高度な「プロセッサー」を搭載している最新メインユニットに交換すれば、車内のAV環境が一挙に良化する。

なおメインユニットを交換しづらい車種であっても、交換したい気持ちが強い場合には、カーオーディオ・プロショップにて相談してみよう。カーオーディオ・プロショップなら、なんとかできないこともない。ただし、センタークラスターパネル等の改造が必要になるのでコストはかかる。そのコストが自分にとって見合うレベルであるのなら、交換するのはアリだ。

パワーアンプを内蔵した外付け「プロセッサー」の一例(アークオーディオ・PS8-50)。パワーアンプを内蔵した外付け「プロセッサー」の一例(アークオーディオ・PS8-50)。

愛用のメインユニットが交換しづらい場合には、その他の選択肢が浮上!

続いては、「パワーアンプを内蔵した外付けタイプ」が向いているケースについて説明していく。なお、このようなタイプの「プロセッサー」は、「パワーアンプ内蔵DSP」と呼ばれている。ちなみにDSPとは、デジタル・シグナル・プロセッサーの略称だ。

で、これが向いているのは、「メインユニットが換えづらく、コストを抑えたい場合」だ。メインユニットが換えづらかったり使用中のメインユニットがまだ新しかったりする場合は、それを交換するのは現実的ではない。であれば、「プロセッサー」を外付けした方が話が早い。なお、使用中のメインユニットに外部音声出力が装備されていなくても心配は無用だ。「パワーアンプ内蔵DSP」には普通「ハイレベルインプット」と呼ばれる入力端子が備わっているので、スピーカー出力を入力できる。

また「パワーアンプ内蔵DSP」はその名のとおりパワーアンプを内蔵しているので、外部パワーアンプを別途購入する必要がない。これ1台を用意すれば、システムを完成させられる。ちなみに昨今は、リーズナブルな「パワーアンプ内蔵DSP」も増えている。その意味でも導入のハードルは低めだ。

そしてもう1つの「パワーアンプを内蔵しない外付けタイプ」はズバリ、「音にこだわりたい場合」に向いている。なおこのタイプの「プロセッサー」のことは「単体DSP」と呼ばれている。で、これを導入する際には、別途外部パワーアンプも必要になる。なので導入のハードルは上がるのだが、好きな外部パワーアンプを組み合わせられるので、その気になればとことん音にこだわれる。本格的なカーオーディオシステムの構築に興味があれば、「単体DSP」の導入を検討しよう。

今回は以上だ。次回も、「プロセッサー」に関連した初心者が抱きがちな“素朴な疑問”を解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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