アンプのチョイスで低音の“鳴り方”が変わる!? 「サブウーファー」、導入のススメ 第6回 「ユニットサブウーファー」その2 | Push on! Mycar-life

アンプのチョイスで低音の“鳴り方”が変わる!? 「サブウーファー」、導入のススメ 第6回 「ユニットサブウーファー」その2

カーオーディオでは、重低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」が使われることが多い。これを導入することで、サウンドの迫力や臨場感が増すからだ。当特集では、そうである理由から使用上のコツまでを詳細に解説している。

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「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。

カーオーディオでは、重低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」が使われることが多い。これを導入することで、サウンドの迫力や臨場感が増すからだ。当特集では、そうである理由から使用上のコツまでを詳細に解説している。

フロントスピーカーをメインユニットで鳴らしているのなら、「4chモデル」が候補に!

前回から、「ユニットサブウーファー」について解説している。「ユニットサブウーファー」とは、サブウーファーが裸の状態で売られているもののことを指す。なのでこれを導入する際には、ボックスとパワーアンプとを自前で用意する必要がある。

ゆえに、ボックスとパワーアンプとが一体化された製品と比べると導入のハードルが高い。しかし愛好家の多くは、それでも「ユニットサブウーファー」を選んでいる。なぜなら、自分好みの低音を手にしやすいからだ。どんなボックスを作るか、どんなアンプを組み合わせるかで低音の鳴り方が変わってくる。そこのところをあれこれと考える楽しさも味わえる。

で前回は、どのようなボックスを用意すると良いのかを解説した。それに引き続いて今回は、パワーアンプの選び方のポイントを紹介していく。

選択肢はさまざまあるが、もしも現状、フロントスピーカーをメインユニットに内蔵されているパワーアンプで鳴らしているのなら、「4chパワーアンプ」が有力な候補として浮上する。これを用いれば、サブウーファーのみならずフロントスピーカーも外部パワーアンプで鳴らせるようになるからだ。つまり、システムを一気に本格化させられるのだ。

ただしフロントスピーカーが純正のままであるならば、それを外部パワーアンプで鳴らすのはアンバランスだ。しかし将来的なスピーカー交換が視野に入っているのなら、先にパワーアンプを用意しておくのはアリだ。一方、フロントスピーカーを市販品に交換してあるのなら、この作戦のお薦め度は一層高まる。「4chパワーアンプ」を導入しそれにてスピーカーをドライブすれば、交換したスピーカーの性能をさらに引き出せる。サブウーファーの導入と同時に、システム全体のサウンドクオリティがガラリと一変する。

「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。

「4chパワーアンプ」に狙いを定めるのなら、「ブリッジ接続」の可否を要チェック!

ところで、機種の選定においては1点注意が必要となる。注意点とは、「ブリッジ接続」の可否の確認だ。その理由は以下のとおりだ。

「ブリッジ接続」とは、外部パワーアンプの2ch分の出力を使って1つのスピーカーユニットをドライブするという接続方法のことを指す。例えば以下のような配線が成される。Ach出力のプラス端子とサブウーファーのプラス端子とを接続し、Bch出力のマイナス端子とサブーウーファーのマイナス端子とを接続する。こうすることで、2ch分の出力を1つのサブウーファーユニットにかけられる(より大きなパワーを取り出せる)。

というのも「サブウーファー」は振動板が大きいがゆえに、 鳴らすのに大パワーが必要となる。「ブリッジ接続」が行えれば、振動板が大きいサブウーファーもラクラク鳴らせるようになるのだ。なお、場合によっては「ブリッジ接続」をせずとも鳴らせることもあるのだが、一般的には「ブリッジ接続」で鳴らした方が良い場合が多い。

対して、フロントスピーカーを鳴らすための外部パワーアンプをすでに使っていて、そのパワーアンプのchが余っていない場合には、サブウーファー専用のモデルが候補となる。または、フロントスピーカーのことはまだ考えず、今ある予算のすべてをサブウーファーのために注ぎたいと思う場合にも、専用アンプが狙い目となる。

市場には、サブウーファーを鳴らすことに特化した「モノラルパワーアンプ」が多々用意されている。そういったモデルに目を向けると、選択肢がぐっと広がる。

ちなみに「モノラルパワーアンプ」とはつまり、出力が1ch分しかないモデルのことを指す。ゆえにステレオ再生は行えない。しかし製造コストを1chに集中させられるので、大出力化させやすい。なので、サブウーファー用のアンプとしてふさわしいモデルに仕上げやすいのだ。

ユニットサブウーファーの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・HERITAGE SUB)。ユニットサブウーファーの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・HERITAGE SUB)。

サブウーファーを鳴らすなら、ステレオ再生よりもモノラル再生の方が有利!?

ちなみに「ブリッジ接続」を行う際にも、サブウーファーはモノラルで鳴らされる。「ブリッジ接続」とはつまり、左右の音楽信号をモノラル信号に合成する鳴らし方だ。このようにカーオーディオでは、サブウーファーはモノラルで鳴らされることが多い。その理由は以下のとおりだ。

サブウーファーが担当する重低音は、1波長が相当に長い。ゆえに狭い車室内では、重低音をステレオで鳴らしてもステレオ感が再現されにくい。そしてモノラル再生した方がサウンドチューニングもしやすくなる。またユニットも1つで良いので効率も良い。これらが理由だ。

ところでサブウーファーを鳴らすためのパワーアンプには、音色性能を求める必要性が低い。音色が表現されるのは「倍音」という成分で、「倍音」とは音階を決定する成分である「基音」の整数倍の周波数となる。というわけなので、サブウーファー帯域には音階を表現する楽器の「基音」は少しだけしか含まれておらず、ましてや音階のある音の「倍音」成分はほとんど存在していない。なのでそもそも音色性能を発揮しようがないのだ。

なのでサブウーファー用のパワーアンプには、力強さやレスポンスの速さ、そして振動板をしっかり止める制動力が求められる。で、サブウーファー用の「モノラルパワーアンプ」には、そういった性能が備えられている。

なお、選択肢はもう1つある。それは、サブウーファー用ではない「ブリッジ接続」が可能なフルレンジの「D級2chパワーアンプ」だ。D級のパワーアンプは高効率なのでハイパワーを出しやすい。そして制動力が高い場合が多い。なのでサブウーファーを鳴らすのに向いていて、しかも小型モデルが多いので省スペースで扱いやすい。その上、将来的にはサブウーファー以外のスピーカーも鳴らせる。つまりは潰しも効くのだ。覚えておこう。

今回は以上だ。次回もサブウーファーを導入するにおいてのコツの解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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