システムの実力を一気に底上げ! スピーカーの性能をさらに引き出す“次の一手”を詳細解説! Part5「アンプ内蔵DSPの追加」 | Push on! Mycar-life

システムの実力を一気に底上げ! スピーカーの性能をさらに引き出す“次の一手”を詳細解説! Part5「アンプ内蔵DSPの追加」

好きな音楽をより良い音で楽しみたい、そう考えてスピーカー交換に踏み切るドライバーは少なくない。当特集はそれを実行し終わった方々に向けてお贈りしている。今回は、「パワーアンプ内蔵DSP」を追加するという“次の一手”について考察していく。

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2機種の「パワーアンプ内蔵DSP」を含む、“プラグアンドプレイ”の製品群。
  • 2機種の「パワーアンプ内蔵DSP」を含む、“プラグアンドプレイ”の製品群。
  • プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080
  • 『プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080』搭載のデモカー。
  • 『プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080』搭載のデモカー。
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  • 2機種の「パワーアンプ内蔵DSP」を含む、“プラグアンドプレイ”の製品群。

好きな音楽をより良い音で楽しみたい、そう考えてスピーカー交換に踏み切るドライバーは少なくない。当特集はそれを実行し終わった方々に向けてお贈りしている。今回は、「パワーアンプ内蔵DSP」を追加するという“次の一手”について考察していく。

チューニングユニットとパワーアンプを同時に導入可能!

最初に、「パワーアンプ内蔵DSP」とは何なのかを説明しよう。まず「DSP」とは、「デジタル・シグナル・プロセッサー」の略称だ。そしてこれは、音楽信号をデジタル制御するユニットだ。つまり、サウンドチューニングを行うためのユニットである。

なお「DSP」は今や、カーオーディオシステムを本格化させようとするときの必需品となっている。その理由は以下のとおりだ。クルマの中では誰にはばかることなく好きは音楽を大音量で楽しめる。しかし実は、音響特性はあまり良くない。リスニングポジションが左右のどちらかに片寄るのでステレオイベージを感じ取りづらく(左右のスピーカーの音をバランス良く聴けないからだ)、狭いがゆえに音が反射して周波数特性が乱れがちとなる。しかし「DSP」を用いると、それら音響的な不利要因に対処できる。

なのでスピーカー交換をして音の質が上っていても、音響的不利要因はそのままなので、聴こえ方が良くなる伸びしろは多分に残されている。そして「DSP」を導入すれば、その伸びしろを伸ばせる。結果、聴こえ方がガラリと変わる。

なお「DSP」の後段には、パワーアンプが必要になる。「DSP」では、信号が微弱な状態のままで制御が行われるからだ。しかし「パワーアンプ内蔵DSP」を使う場合には、外部パワーアンプを別途用意しなくて良い。なぜなら、パワーアンプを内蔵しているからだ。

ちなみに、高性能なコントロール機能をシステムに付与しようと思ったら、「ハイエンドメインユニット」を導入するという選択肢も選べる。「ハイエンドメインユニット」にも高度な「DSP」が内蔵されているからだ。なので以前の回で、これを用いるメリットやお薦め機種を紹介した。でも、メインユニットの交換がしづらい車種もある。そうであったらコントロール機能の追加は、「パワーアンプ内蔵DSP」にて行うのが最善手となる。

プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080

「パワーアンプ内蔵DSP」は、手軽なモデルから本格機までラインナップが幅広い!

とはいえ「パワーアンプ内蔵DSP」は、「ハイエンドメインユニット」の“代替ユニット”ではない。やむを得ず使われるものではなく、むしろ積極的に選ばれることも多い。なぜならば、これならではの利点を持ち得ているからだ。

利点は、主には3つある。1つは「選択肢が幅広いこと」だ。手軽な製品もあればハイエンドモデルもある。ちなみに手軽なモデルは「ハイエンドメインユニット」と比べてかなりリーズナブルだ。逆に高級機の中には、「ハイエンドメインユニット」より高いものもある。しかし、ナビや地デジチューナー等が含まれていなわけなので、そのような製品の音質性能はむしろ「ハイエンドメインユニット」を凌ぐ。

ところでリーズナブルな製品にはどのようなものがあるのか、例を挙げて説明しよう。例えば“プラグアンドプレイ”の『PLUG&PLAY 640』なら、5万5000円(税抜)で手に入る。「ハイエンドメインユニット」の中には20万円を下らないモデルもいくつかあるが、それと比べてかなりお安い。なお当機は内蔵パワーアンプのch数が「4」なので、内蔵パワーアンプではフロント2ウェイスピーカーまでしか鳴らせない。しかし「ハイエンドメインユニット」も「AV一体型ナビ」の場合には内蔵されているパワーアンプのch数は同じく「4」だ。特に見劣るわけではない。

ちなみに、高級な「パワーアンプ内蔵DSP」では、内蔵パワーアンプのch数が「6」とか「8」に増え、しかも出力の大きさも外部パワーアンプ並になる。このようなモデルを選べば、かなりハイレベルなサウンドを手にできる。将来的にスピーカーをハイエンドモデルにグレードアップさせたとしても、十分にバランスする。長く使っても、性能に物足りなさを感じることはないはずだ。

『プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080』搭載のデモカー。『プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY 1080』搭載のデモカー。

「パワーアンプ内蔵DSP」なら、さまざまなスピーカーレイアウトに対応可能!

そして「パワーアンプ内蔵DSP」ならではの利点の2つ目は、「拡張性が高いモデルが多いこと」だ。これについてもポイントは2つある。1つは「スピーカーレイアウト的な拡張性」で、もう1つは「ソースユニット的な拡張性」だ。

再び“プラグアンドプレイ”の製品を例に説明しよう。同社は『PLUG&PLAY 1080』(税抜価格:10万円)という製品もラインナップしていて、当機は内蔵パワーアンプのch数が「8」もある。結果、これにて例えばフロント3ウェイ+リアスピーカーというスピーカーレイアウトにも対応でき、またはフロント2ウェイ+リア+センターという仕様にも対応する。そしてコントロールできるch数は「10」が確保されているので、上記のようなスピーカーレイアウトにさらにサブウーファーを足しても、それも含めてコントロールしきれる。

そしてデジタル入力を備えたモデルをチョイスすると、「DAP」のデジタル接続も可能となる(『PLUG&PLAY 1080』も光デジタル入力を備える)。ちなみに「DAP」は運転しながら使う前提で設計されてはいないので、車内では操作しづらい。しかし音を極めようとする場合にはアドバンテージを発揮する。ハイグレードモデルはかなり高額化するが、性能もそれに比例して高いのだ。

で、「パワーアンプ内蔵DSP」ならではの利点の3つ目は、「基本性能が高いこと」だ。「ハイエンドメインユニット」のサウンドチューニング能力も十二分に高性能なのだが、「パワーアンプ内蔵DSP」の多くは、それ以上の性能を備えている。

例えば「イコライザー」機能を比べてみると、「ハイエンドメインユニット」の場合、標準的なモデルでは「左右独立31バンドグラフィックイコライザー」であるのに対し、「パワーアンプ内蔵DSP」は、「ch独立31バンドパラメトリックイコライザー」が搭載されていることが多い。そうであると、片側4chをコントロールできるモデルであれば31×4でつまりは「左右独立124バンド」ということになる。しかも「パラメトリックイコライザー」は、各バンドの周波数を任意に選べて、影響が及ぶ帯域の幅も自由に変えられる。

このように「パワーアンプ内蔵DSP」は、相当に高性能化が進んでいる。なのでこれを用いれば、交換したスピーカーをより良いコンディションで鳴らせるようになり、さらに良さが活きてくる。検討する価値は大だ。

今回は以上だ。次回以降も交換したスピーカーのポテンシャルを一層引き出すための“次の一手”をさまざま解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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