「プロセッサー」活用学・入門 第7回 運用法解説 その1 『サイバーナビ』の場合 | Push on! Mycar-life

「プロセッサー」活用学・入門 第7回 運用法解説 その1 『サイバーナビ』の場合

今や、ハイレベルなカーオーディオシステムの構築に欠かせない存在となっている「プロセッサー」。そのメリットから使い方までを紹介している当特集。今回からは運用法を具体的に解説していく。まずは『サイバーナビ』を使う場合について説明していく。

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今や、ハイレベルなカーオーディオシステムの構築に欠かせない存在となっている「プロセッサー」。そのメリットから使い方までを紹介している当特集。今回からは運用法を具体的に解説していく。まずは『サイバーナビ』を使う場合について説明していく。

接続モードと調整モードを自在に選べる!

今回は、カロッツェリアの『サイバーナビ』、『サイバーナビXシリーズ』、『車種専用10V型サイバーナビ』、これらに搭載されている「内蔵プロセッサー」の特長と活用術を紹介していく。なおこれらに積まれている「内蔵プロセッサー」は、基本的に機能は同一だ。

では早速、当「プロセッサー」の特長を解説していこう。さまざまあるが、特筆すべきは「モードを多々選べること」だ。接続モードを2タイプ、調整モードを3タイプ搭載しているので、サウンドチューニングをライトにもディープにも楽しめる。

まず接続モードとは、スピーカーの接続方法をセレクトするものだ。選択肢は2つある。「スタンダードモード」と「ネットワークモード」この2つだ。これらがどう違うのかは以下のとおりだ。前者はサブウーファーch以外の4ch分の出力を、フロントの左右のスピーカー、リアの左右のスピーカー、この4つに振り分ける接続方法のことを指す。対して「ネットワークモード」はその4ch分の出力を、フロント左右のツイーターとミッドウーファーに振り分ける接続方法のことを指す。よってこちらのモードではリアスピーカーは鳴らせなくなる。しかしフロントスピーカーをより緻密に制御できるようになる。

なお、本格的なシステム運用をしたいと思ったら、選ぶべきは「ネットワークモード」だ。高度な「プロセッサー」が用いられる場合には、このような接続方法が取られるのが通例だ。

とはいえ『サイバーナビ』の各シリーズの「プロセッサー」は、本格的なシステム運用を行えるようになっていながらも、手軽なシステム運用も楽しめる。ハイエンド機でありながらも、カジュアルなスタイルでも楽しめることも特長としている、というわけだ。

例えば「後席に乗る子どものためにもリアスピーカーを鳴らせるままにしておきたい」と考える場合には、「スタンダードモード」が力を発揮する。リアスピーカーを生かしたままのシステム様式を取りながら、高度なサウンド制御を実行可能だ。

カロッツェリア・AVIC-CQ911-DCカロッツェリア・AVIC-CQ911-DC

調整モードも、扱いやすいシンプルモードと本格的なモードを選択可能!

続いては、調整モードにおいての各タイプの違いについて説明していく。調整モードは以下の3つのモードの中から好きなモードを任意に選べる。「シンプルコントロールモード」「マスターコントロールモード」「オートTA&EQモード」、この3つだ。

サウンドチューニング操作を自ら気軽に行いたいなら、「シンプルコントロールモード」が向いている。これはつまり、各機能を扱いやすくしてあるモードだ。「イコライザー」は全chを共通制御するようになっていて、しかもバンド数は13バンドタイプに簡略化されている。ちなみに一般的には13バンドあれば高度な部類に入るのだが、本格機においてはライトな仕様と言って良い。また「タイムアライメント」は、1ステップの幅が大きめだ(1ステップ=1.4cm)。

対して「マスターコントロールモード」では、「イコライザー」は左右のスピーカーとサブウーファーを個別に、それぞれを31バンドにわたり調整できる。そして「タイムアライメント」は、1ステップ=0.35cmという細かさで設定できる。

なお2つ設定されている接続モードのどちらを選んだ場合でも、調整モードはここまで説明した2つのモードのどちらも選べる。つまり、フロントスピーカーの個別コントロールは諦めてリアスピーカーも鳴らすカジュアルな接続方法を選択しても、ハイレベルなサウンドチューンングを実践できる。

その一方で、フロントスピーカーのツイーターとミッドウーファーのそれぞれにパワーアンプの1chずつをあてがう配線方法を選択した場合でも、サウンドチューニングスタイルはライトな仕様にとどめても良い。そしてもちろん、接続モードと調整モードの両方を気軽な設定にしておくことも、両方を高度な仕様にしておくことも可能だ。このように『サイバーナビ』の各シリーズは、チューニング環境を柔軟に設定できるのだ。

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高度なサウンドチューニング設定を、自動で行えるモードも装備!

そして「調整モード」にはもう1つ、「オートTA&EQモード」も設定されている。なおこれは、その名のとおりに「タイムアライメント」と「イコライザー」を自動設定してくれるというものだ。ちなみに、このような自動設定機能を備えている「プロセッサー」は希だ。

で、当モードを活用する手順は概ね以下のとおりだ。オプションの「音響特性測定用マイク」を購入し、それを『サイバーナビ』に接続する。そしてマイク部をシートのヘッドレスト中央あたりに固定する。このときシート位置は、マイクがドライビングポジションを取ったときの自分の頭の位置に来るように設定する。あとは、「オートTA&EQモード」のスイッチをオンにすればOKだ。

ちなみに「音響特性測定用マイク」が別売であることもあり当機能が使われないケースも少なくないようだが、もしもサウンドチューニングをカーオーディオ・プロショップに依頼していないのなら、当モードは積極的に活用したい。そうすることで『サイバーナビ』ならではの高度なサウンドチューニング能力を存分に引き出せる。ただし、「ネットワークモード」をセレクトする際には「オートTA&EQモード」は使用できない。本格的なシステム運用を目指す場合には、サウンドチューニングはプロに任せよう。

ところでその「ネットワークモード」を選択する際には、スピーカーケーブルの引き直し作業が必要となる。純正のスピーカーケーブルは、メインユニットからフロントスピーカーとリアスピーカーへと繋がれている。しかし「ネットワークモード」を活用するためには、内蔵パワーアンプから出力される4ch分のスピーカー出力の1つ1つを、左右のツイーターとミッドウーファーのそれぞれに配線し直さなければならない。なので「ネットワークモード」は、スピーカーを交換したときに選択されることが多い。スピーカーを交換する作業と同時に配線作業も行えば、取り付け工賃の多少の合理化が図れる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回は三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』の「プロセッサー」の特長と運用法を解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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