カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 1・スピーカー編 第1回 | Push on! Mycar-life

カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 1・スピーカー編 第1回

カーオーディオでは専門用語が頻出する。ゆえに、「カーオーディオって分かりづらい…」、そう感じるドライバーも少なくないようだ。当連載は、そういった“?”をクリアにしていただくことを目指し、特に難解だと思われる専門用語を1つ1つ説明していく。

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車種専用スピーカーの一例(ビーウィズ・BE-FIT AM for MINI)。
  • 車種専用スピーカーの一例(ビーウィズ・BE-FIT AM for MINI)。
  • 「カスタムフィットスピーカー」の一例(カロッツェリア・TS-F1740S)。
  • 「コアキシャルスピーカー」の一例(フォーカル・EC 165 K)。

カーオーディオでは専門用語が頻出する。ゆえに、「カーオーディオって分かりづらい…」、そう感じるドライバーも少なくないようだ。当連載は、そういった“?”をクリアにしていただくことを目指し、特に難解だと思われる専門用語を1つ1つ説明していく。

「カスタムフィット」と「トレードイン」

まずは、スピーカーに関連する専門用語を解説していこうと思う。

さて、スピーカー交換に興味を持って製品について調べてみると、割と早い段階で「カスタムフィット」、または「トレードイン」という用語を目にすることとなる。

なおこの2つは同義語だ。ともに、「簡単に装着できるスピーカー」であることを表している。ちなみに「カスタム」という言葉は“改造する”という意味で使われることも多いので、「カスタムフィット」と聞くと、なんらかの改造が必要となるスピーカーと思う人もいるかもしれない。しかし実はその逆だ。“カスタムフィット”という言葉は「適合する」とか「ぴったり合うように特別に作った」という意味を持っていて、スピーカーにおいて使われる際にはすなわち「簡単装着可能」なモデルであることを表す。

一方「トレードイン」という言葉は、「下取り」という意味で使われることも多いが、カーオーディオのスピーカーに対して用いる際には「そのまま交換できる」という意味を表す。

ところでこのような言葉が存在しているのはつまり、カー用のスピーカーは簡単には取り付けられない場合も少なくないからだ。車種ごとで取り付けられる口径が決まっているので口径さえ合っていれば取り付けられるかというと、そうではない。特に問題となるのは、ドアに取り付けるスピーカー(ミッドウーファー=中低音を再生するスピーカー)の厚みだ。厚すぎると、ドア内部の鉄板から内張りパネルまでの空間内に収まりきらなくなる。となると、内張りパネルをカットする等の改造が必要となる。

しかし「カスタムフィット」とか「トレードイン」と称されているスピーカーは、そのようなことになる可能性は少ない。ドアに取り付けるスピーカーの厚みを抑えて設計されているので、多くの車種で改造することなく装着できる。

「カスタムフィットスピーカー」の一例(カロッツェリア・TS-F1740S)。「カスタムフィットスピーカー」の一例(カロッツェリア・TS-F1740S)。

「カスタムフィット」や「トレードイン」タイプのスピーカーは、ツイーターの取り付け性も高い!

また「カスタムフィット」や「トレードイン」と称されているスピーカーでは、高音を再生するためのスピーカーであるツイーターも取り付け性が高いくなっている。ツイーター自体がある程度小型化されていて、さらにはダッシュボード上にポンと置くようにして取り付けるためのマウントも同梱されていることも多い。

そして、取り付け用の必要パーツもある程度付属している場合も多い。ドアスピーカーをドア内部の鉄板に取り付けるためのスペーサーやネジ類等々も用意されていることもあるのだ。

ただし、「カスタムフィット」とか「トレードイン」と銘打たれていても、すべての車種に簡単に装着できるわけではない。車種によってはドア内部のクリアランスが極端に少ない場合もあり、そうであると「カスタムフィット」タイプのスピーカーであってもすんなりとはドア内部に収まらない。

ところで、もしも愛車にスムーズに取り付けられることを最優先したいのであれば、「車種専用モデル」に注目しよう。愛車に適合する「車種専用モデル」ならば、確実に無改造での装着が可能となる。しかも取り付け用のパーツもほぼすべて揃えられている場合も多く、結果、取り付け工賃も比較的に少なくて済む。さらには、ツイーターも純正位置に収められる場合も多い。そうであれば装着後のインテリアの見た目も変わらない。

さらには、パッシブクロスオーバーネットワークと呼ばれる音楽信号を高音と中低音とに帯域分割するためのパーツも、取り付ける車種の音響的なコンディションに合わせて特別にチューニングされていることもある。

「カスタムフィット」とか「トレードイン」とされているスピーカーは、取り付けにおいての汎用性が高いことは確かだが、ジャストフィットすることにこだわるのであれば、「車種専用モデル」の方がアドバンテージを発揮する。覚えておこう。

「コアキシャルスピーカー」の一例(フォーカル・EC 165 K)。「コアキシャルスピーカー」の一例(フォーカル・EC 165 K)。

「フルレンジ」と「コアキシャル」

続いては、スピーカーの仕様を言い表すワードである「フルレンジ」と「コアキシャル」について説明していく。

「フルレンジスピーカー」とは、左右の1つずつのスピーカーユニットだけで、低音から高音までの全帯域を鳴らし切ろうとするスピーカーのことを指す。ちなみに、これの対義語は「セパレートスピーカー」だ。こちらでは、中低音を再生するスピーカー(ミッドウーファー)と高音再生を受け持つスピーカー(ツイーター)の2つを用いて全帯域を再生することとなる。

ただし、市販の「フルレンジスピーカー」は実は、完全なる「フルレンジスピーカー」ではない。よくよく見ると、ミッドウーファーの同軸上にツイーターが装着されている場合がほとんどだ。見かけ上は1つのスピーカーユニットとして仕上げられているけれど、実際には2つのスピーカーユニットから成っている。

で、このようになったスピーカーのことは、「コアキシャルスピーカー」とも呼ばれている。「コアキシャル」とは、「同軸の」という意味の言葉だ。というわけで、「フルレンジスピーカー」と「コアキシャルスピーカー」は、市販カー用スピーカーにおいては同義語だ。

ちなみに「フルレンジスピーカー」は、音の出どころが1箇所となるのでサウンドのまとまり感が良好だ。また、取り付け性も高い。ツイーターが別体になっていないのでツイーターを取り付ける作業が発生せず、配線作業も手間が少なくて済む。しかし、ドアの下側から全帯域の音が発せられることとなるので、音像が低くなりがちだ。その点が不利点とされている。

今回は以上だ。次回もスピーカーに関連した専門用語を1つ1つ解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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