カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part12 「基音」と「倍音」 | Push on! Mycar-life

カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part12 「基音」と「倍音」

音楽好きなカーオーナーに向けて、カーオーディオに興味を持っていただくべく『用語解説』をお贈りしている。今回もまた、サウンドチューニングに関連した用語の意味を解説する。併せて、初級的なサウンドチューニング術も紹介していく。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
カーオーディオユニットの取り付け例(製作ショップ:カーオーディオクラブ)。
  • カーオーディオユニットの取り付け例(製作ショップ:カーオーディオクラブ)。
  • カーオーディオユニットの取り付け例(製作ショップ:カーオーディオクラブ)。
  • カーオーディオユニットの取り付け例(製作ショップ:カーオーディオクラブ)。
  • カーオーディオユニットの取り付け例(製作ショップ:カーオーディオクラブ)。

音楽好きなカーオーナーに向けて、カーオーディオに興味を持っていただくべく『用語解説』をお贈りしている。今回もまた、サウンドチューニングに関連した用語の意味を解説する。併せて、初級的なサウンドチューニング術も紹介していく。

01・「基音」と「倍音」って何?

カーオーディオではサウンドチューニング機能も、良い音を得るための大切な1要素である。しかしながら、サウンドチューニングに関連した用語には難解なものがいくつかあり、結果、カーオーディオを親しみ難いものにさせている嫌いもある。それを緩和させるべく今回は、「基音」と「倍音」について説明していく。

まずは単刀直入にそれぞれの言葉の意味から解説していこう。「基音」とは、楽器等の音に含まれている“音程”を決定する成分のことを指す。例えばギターで、周波数で言うところの440Hzの音である“ラ”の音を弾いたとき、まさしく440Hzの周波数のその音が「基音」成分であるわけだ。

それに対して「倍音」とは、“ラ”の音に乗ってくる、ギターの弦ならではの“音色”を決める成分のことを指す。なお「倍音」は、周波数的には「基音」に対しての整数倍の周波数となっている。440Hzの“ラ”の音で考えると、2倍の周波数の音である880Hz、3倍の1.32kHz、4倍の1.76kHz…、これらの音が「倍音」として「基音」に乗り、“音色”を作り出す。

一旦整理しておきたい。楽器の音は基本的に、1つの周波数の音だけでできているわけではない。“ラ”の音、“ド”の音というように音を音程で捉えつつも、それぞれの音にはさまざまな周波数の「倍音」が乗って形成されているのだ。

02・「基音」がしっかりと再現できると「倍音」も整っていく?

ところで、“低音強化”をすべくサブウーファーを導入すると、低音の質が上がるだけでなく中音や高音の充実感も向上する。なんとも不思議な話でもあるのだが、これは体験すれば納得していただけるはずだ。もしもサブウーファーを導入したならば、中音、高音の響き方にも聴き耳を立てていただきたい。

で、そのようになるのもまた、「基音」と「倍音」とが存在しているからこそなのだ。「基音」がしっかり再現されると、「倍音」の乗りも良くなる。「倍音」は「基音」がないと存在を主張し難い。ベースとなるものがなければ上手く響けない。しかしベースがしっかり再現されると、それに乗じて自分も輝ける。

また、その逆の現象も起こり得る。それはスーパーツィーターを導入したときに実感できる。

人間の可聴帯域は、上は20kHzまでと言われているが(加齢によって高い音の感度は落ちていく)、それ以上の帯域までを再生できるスーパーツィーターを導入すると、「倍音」成分が豊かに響くこととなり、それよりも低い「倍音」やさらには「基音」までもが充実してくる。スーパーツィーターが音に効く理由はここにある。

このように音楽は、低い音から高い音までが密接に関係し合いながらハーモニーを生み出していくのである。

03・「基音」と「倍音」の関係に着目するサウンドチューニング術とは?

さて、「基音」と「倍音」の関係を理解した上で、そこのところに着目して行うサウンドチューニング術を紹介していこうと思う。10バンドとか13バンド、さらには31バンドといった上級イコライザーであれば、以下のような操作をしてみると面白い。

まずは低いバンドから1つ1つ、ゆっくりとツマミを上げてみよう。そうすると聴こえ方が変わってくるのだが、この時に“嫌な感じ”または“うるさい感じ”がするかどうかを聴き分けよう。音色が変わりつつも“うるさい感じ”はしなかったら、そのバンドは問題がない可能性が高まる。逆に、“うるさい感じ”が強まったら、そのバンドの帯域でピークが発生している可能性が浮上する。その場合はそのバンドをちょっと下げてみよう。そうして聴こえ方がすっきりしたならば、その操作は正解だ。

ところが、ちょっと下げてみても“うるさい感じ”が緩和しないケースもある。その場合は、その周波数の1/2、1/3の関係になっているバンドをちょっと下げてみる。そうすると、“うるさい感じ”がしていたバンドの聴こえ方がすっきりすることがある。

これはまさしく「基音」と「倍音」の関係性によって引き起こされる事象だ。「基音」部分に問題があり「倍音」部分に乱れが生じていたというわけなのだ。そのような場合には、乱れの原因となっていたところを下げることで、問題を解消方向に持っていけたりするのである。

このように、「基音」と「倍音」の関係に着目して調整してみると上手くいくことがある。興味があればぜひとも試していただきたい。

今回はここまでとさせていただく。次回もまた難解な用語を、噛み砕いて解説していく。乞うご期待。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top