連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part1「スピーカー編」 その5「聴いて選ぼう!」 | Push on! Mycar-life

連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part1「スピーカー編」 その5「聴いて選ぼう!」

カーオーディオを愛好している方々、そしてこれからこれを楽しもうとしている方々に向けて、製品選びのコツを紹介している当連載。それが分かれば、ユニットチョイスの段階からカーオーディオを満喫できる。今回は、スピーカーの「試聴」について説明していく。

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市販スピーカーの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・アパッシオナート)。
  • 市販スピーカーの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・アパッシオナート)。
  • 市販スピーカーの一例(モレル・イレイト チタニウム 602)。
  • 市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-Z900PRS)。

カーオーディオを愛好している方々、そしてこれからこれを楽しもうとしている方々に向けて、製品選びのコツを紹介している当連載。それが分かれば、ユニットチョイスの段階からカーオーディオを満喫できる。今回は、スピーカーの「試聴」について説明していく。

スピーカー選びの決め手となるのは、「聴いた印象」!

ところで前回はスペックの読み方について説明したが、そこで触れたように、スペックはスピーカー選びの参考にはなるものの、決め手とはならない。となると、何を拠り所としてスピーカーを選べば良いのかと言うと…。答はズバリ、「聴いた印象」だ。

まずはタイプ違いや予算を鑑みてある程度のアタリを付けておくべきなのだが、その上で候補となる製品の音を「試聴」することで、ようやく買うべき製品を絞り込める。つまり、「聴かないことには分からない」のだ。

さて、「試聴」はどこに行けばできるのかというと、その答も明確だ。カーオーディオ・プロショップを訪ねれば「試聴」ができる。各店には大抵「デモボード」と呼ばれる「試聴」用の機材が設置されているので、それにて製品の音を確認できる。

なお「試聴」にはコツがいくつかある。続いてはそれを具体的に紹介していこう。まず1つ目は、「いつも聴いている楽曲で確認する」だ。聴き慣れた楽曲で「試聴」をすれば、愛車の音との違いが分かりやすい。

なので、カーオーディオ・プロショップに行く際には、いつも聴いている楽曲データを持ち込むことをくれぐれもお忘れなきように。ただし、どのようなメディアに格納してそれを持ち込むべきかはショップごとで異なるので、それについては事前に電話やメールで問い合わせておこう。

なおそれを確認する際には、いつ頃に行くと良いのかも併せて訊いておこう。さらには試聴可能なスピーカーのモデル名まで教えてもらっておくと、ある程度予習もできる。価格や構造上の特徴などを頭に入れておくと「試聴」する際に参考になる。とはいえ、先入観を持ち過ぎるのも良くないので、評判的な情報はあまり目にしない方が良いかもしれない。参考にしてほしい。

市販スピーカーの一例(モレル・イレイト チタニウム 602)。市販スピーカーの一例(モレル・イレイト チタニウム 602)。

「第一印象」も大事にしつつ、細部を聴き込み候補を絞ろう!

続いては、実際に「試聴」をする際のコツを解説していく。

細かくはいろいろとあるのだが実は、「ファーストインプレッション」が案外重要だったりもする。自分が持ち込んだ楽曲のイントロが流れた瞬間の印象で、お、と思える製品があれば、それが候補となるケースは案外多い。というわけなので、まずは第一印象に注意を払おう。

そして曲が進行していく中で今度は、いつも聴いている音とどう違うのかを聴き分けよう。なお、愛車のスピーカーが純正のままである場合はどれを聴いても良く聴こえるはずなので、その良さの度合いをジャッジしよう。クリアさやパンチ力、さらには心地良さ等が大きく勝っているものが見つかれば、その製品は候補となり得る。

また細かくは以下のポイントに着目すると、違いが一層浮き彫りになったりもする。1つ目のポイントは、低音だ。低音だけに聴き耳を立てて、「量感」、「ハギレの良さ」、「力強さ」といった部分に注目し、それらがもっとも好みに合うモデルはどれかを探していこう。

ポイントの2つ目は、高音だ。今度は高い音だけに注意を向けて聴いてみよう。高音については、「きめ細やかさ」や「クリアさ」、「伸びやかさ」等に着目すると、好みの高音を奏でるモデルが見つかりやすくなるはずだ。

そしてポイントの3つ目は、低音と高音のバランスだ。自分にとってバランスが良いと感じられるモデルがあれば、それも有力な候補と成り得る。

さらに4つ目のポイントとして、「ボーカル」にも着目しよう。声の質感的にぐっとくるのはどれなのかを探すと、好みのモデルに辿り着きやすくなる。

ビート感も、ポイントの1つとなる。特にリズミックな音楽が好きならば、ここは重要度が高くなる。ドラムやギターといったリズムを刻む楽器の切れ味が良いと、ノリ良く音楽が楽しめる。あるいはクラシック音楽が好きならば、各楽器の分離感、そして余韻や臨場感もポイントとなってくる。

市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-Z900PRS)。市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-Z900PRS)。

デモカーやユーザーカーの音も聴くと、音を聴き分けるための経験値が上昇する!

ところで、デモボードに装備されているスピーカーの数は店ごとで異なり、試聴できるモデルもショップごとで変化する。なので、複数のカーオーディオ・プロショップを回ってみるのも有効策となってくる。

試聴だけでお店を訪れるのは気が引けると思う向きもあるかもしれないが、お店側からすればウェルカムだ。まずは来店してもらわないことには話が始まらないからだ。なので臆せず積極的にいろいろなお店を回ってみよう。そうすれば各店の雰囲気もなんとなく分かる。つまり、ショップ選びの参考にもなる。

なお、カーオーディオ・プロショップではデモカーを用意している場合も多いので、お店を訪れたらデモカーの音も聴いておこう。

ただしデモカーでは、スピーカーの相対的な評価は行えない。製作コンセプトや搭載システムのグレードがケースバイケースだからだ。ハイエンドユニットを使ってそのお店が作り出せる最上級のサウンドを聴かせるためのデモカーもあれば、手軽な方法で純正システムからのサウンドアップが可能なことを示すためのデモカーもある。なのでデモカーの音を聴く際には、そのシステムのコンセプトを訊き、その上で、そのお店がどのような音を作るのかを推し量るというスタンスで聴いてみると参考になるはずだ。

また、そのときにそこに居合わせたユーザーのクルマを聴かせてくれるお店も少なくない。その場合も、クルマによって使用ユニットのグレードや組み合わせているパワーアンプが異なるので、スピーカー単体の性能評価はし難いが、気になるスピーカーが見つかる可能性は往々にしてある。印象が良かったクルマについてはスピーカーのモデル名を訊いてその名を覚えておこう。後々、スピーカーのグレードアップを検討するときに、その体験が活きてくる。

今回は以上だ。次回もカーオーディオ製品の選び方のコツを1つ1つ詳しく説明していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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