システム構築学・総論 第6回 “単体DSP”を核にシステムを組む! | Push on! Mycar-life

システム構築学・総論 第6回 “単体DSP”を核にシステムを組む!

カーオーディオでは、システム構築法がさまざま存在している。その1つ1つについて、利点や楽しみ方のポイントを解説している当特集。今回は、「単体DSP」を用いる本格的なシステム構築術に焦点を当て、その醍醐味をたっぷりと解説していく。

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単体DSPの一例(プラグアンドプレイ)。
  • 単体DSPの一例(プラグアンドプレイ)。
  • 単体DSPの一例(フォーカル)。

カーオーディオでは、システム構築法がさまざま存在している。その1つ1つについて、利点や楽しみ方のポイントを解説している当特集。今回は、「単体DSP」を用いる本格的なシステム構築術に焦点を当て、その醍醐味をたっぷりと解説していく。

「単体DSP」を核とするシステムメイクはハードルが高い。しかし、だからこその醍醐味が味わえる!

ところで前回は、「パワーアンプ内蔵DSP」を核とするシステム構築法について解説した。そしてその中でそれが有効であるのは特に、「純正メインユニットが交換できない場合」だと説明した。さらにいえば、現在使用中のメインユニットを交換するつもりがない場合にも「パワーアンプ内蔵DSP」は役に立つ。つまり「パワーアンプ内蔵DSP」を用いれば、高度なプロセッサーが内蔵されたメインユニットを導入せずして高性能なコントロール機能をシステムに付与できる。

そして今回取り上げる「単体DSP」も、それと同じく純正メインユニットが交換できない場合、もしくは使用中のメインユニットを交換するつもりがない場合の有効な選択肢の1つと成り得る。

しかし純正メインユニットが交換可能であり交換時期が来ていたとしても、敢えて「単体DSP」が使われることも結構多い。つまり「単体DSP」は「パワーアンプ内蔵DSP」以上に、「積極的にこれならではのメリットを得たい」と考えられて選ばれることが多いユニットなのである。

というのも「単体DSP」を用いる場合、併せて外部パワーアンプも別途必要になる。「単体DSP」は音楽信号をコントロールすることに特化したユニットなので、「単体DSP」の後段には必ず音楽信号をスピーカーを動かせるレベルにまで増幅する装置をあてがう必要性が生じるからだ。

なので、その意味においては「単体DSP」を核とするシステム構築はハードルが低くはない。しかし、その困難と引き換えにこれだからこその楽しさも味わえる。その楽しさを味わいたいがゆえに、選ばれることが多いのだ。

「単体DSP」なら、理想の音を徹底的に追求できる!

さて、「単体DSP」だからこその楽しさとはどのようなことなのかと言うと…。ポイントは主には2つある。1つは「徹底的に理想のサウンドを追求できること」、そしてもう1つは「自由にプランニングできること」、この2つだ。

まずは、「徹底的に理想のサウンドを追求できること」について、それがどのようなことなのかを説明していく。これについてもポイントが2つある。1つは「高性能な単体DSPを選べること」、そしてもう1つが「高性能なパワーアンプを選べること」、この2つだ。

ところで昨今、「単体DSP」の高性能化が進んでいる。各社からさまざまな高性能モデルが登場しているのだ。ちなみに言うと、一部モデルは結果、相当に高額化している。なのでそのようなモデルはおいそれとは手にできないのだが、音にこだわろうとするのならそれらを選ぶという選択肢も浮上する。その気になれば、超高性能モデルもチョイスできるのだ。

なお「単体DSP」はそもそも、ハイエンドメインユニットに内蔵されているDSPと比べて高性能である場合が多い。ハイエンドメインユニットに搭載されているDSPも十二分に高性能ではあるのだが、昨今の「単体DSP」はそれに輪を掛けて高性能化している。なので、ハイエンドメインユニットを使いながらも、敢えて「単体DSP」が導入されることも珍しくなくなってきた。ハイエンドメインユニットを単に高性能なソースユニットとして活用し、DSPとパワーアンプには外付けモデルを導入する。こうしてハイエンドシステムが構築されることも普通に行われるようになっている。このように「単体DSP」は、高音質を追求するときの必需品ともなっている。

スピーカーとのマッチングを考慮しながらパワーアンプ選びを楽しむベシ♪

そして「パワーアンプ内蔵DSP」では外部パワーアンプ選びを楽しめないが、「単体DSP」を使う場合には、理想のサウンドを目指して良かれと思う「外部パワーアンプ」を吟味に吟味を重ねて自由に選べる。

ところで外部パワーアンプは、単に高性能(高級品)であればあるほど良いかというと、必ずしもそうではなかったりもする。使用するスピーカーとのマッチングも考慮する必要もあるのだ。例えば、スピーカーの特長を伸長させるタイプのパワーアンプが良い場合もあれば、スピーカーと外部パワーアンプとで異なった特長を持つものを敢えて組み合わせて、違った一面を引き出そうとするようなアプローチが取られることもある。

このように「単体DSP」を用いるときには、“理想のサウンド”を追い求めて、さまざまな部分でこだわりを発揮できる。そこが楽しみどころともなってくるのだ。

そしてもう1つの楽しみである「自由にプランニングできること」についても説明していこう。ここまで説明してきたとおり、「単体DSP」を用いるときには理想のサウンドを追い求めることができるのだが、そうするとコストも多く掛かりがちとなる。

しかし昨今は、「単体DSP」にも外部パワーアンプにも、比較的に手頃でありながらも性能的にあなどれないモデルも多々登場している。そういったモデルをチョイスすれば、組み合わせの妙をリーズナブルに楽しめる。例えば、小型モデルで揃えてコンパクトにシステムを仕上げたり、一点豪華主義的にスピーカーだけにコストを注入したり等々、工夫を凝らしながら自由に自分だけのシステムを組み上げる楽しさを味わえる。低予算で“本格的”なシステムメイクを満喫することもできるのだ。

今回は以上だ。そして次回からは、独特なシステム構築法を紹介していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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