「プロセッサー」を追加して、音の“聴こえ方”を変える! Part1「プロセッサー」って何? | Push on! Mycar-life

「プロセッサー」を追加して、音の“聴こえ方”を変える! Part1「プロセッサー」って何?

現代カーオーディオでは、「プロセッサー」が用いられることが多い。今回からスタートする当特集では、これが何なのか、そしてどのように活用すると楽しみ尽くせるのかを詳細に解説していく。今回はまず、これが何なのかを説明していく。

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「プロセッサー」のリモートコントローラーの装着例。

現代カーオーディオでは、「プロセッサー」が用いられることが多い。今回からスタートする当特集では、これが何なのか、そしてどのように活用すると楽しみ尽くせるのかを詳細に解説していく。今回はまず、これが何なのかを説明していく。

車内には、音の“聴こえ方”に悪影響を及ぼす要因がいくつかある!?

カーオーディオの音を良くしたいと考えたときには、スピーカー交換が行われることが多い。確かに、音の出口であるスピーカーをより良いものに変えると聴こえてくる音の“質”が変わる。純正スピーカーと市販スピーカーとの性能差は大きく、割とリーズナブルなモデルを選んだとしても相当に音質が向上する。

しかしながら最近は、スピーカー交換よりも先に、「プロセッサー」の導入を推奨する“カーオーディオ・プロショップ”も増えている。なぜならば、これを使うと音の“聴こえ方”を変えられるからだ。そしてその効果は場合によっては、スピーカー交換よりも大きかったりもするのだ。

というのも、カーオーディオでは“聴こえ方”に悪影響がもたらされる要因がいくつかある。しかし「プロセッサー」を用いると、その悪しき要因への対処が可能となるのだ。

音に悪影響がもたらされる要因は、主には3つある。1つは「ツイーターとミッドウーファーの位置関係が取り付けるクルマごとで異なること」、2つ目は「車内が狭いこと」、そして3つ目は「視聴位置が左右のどちらかに片寄ること」、以上だ。

それぞれによってどのような悪影響が出るのかを説明していこう。まずは、「ツイーターとミッドウーファーの位置関係が取り付けるクルマごとで異なること」について説明していく。

ところでカーオーディオでは、「セパレート2ウェイスピーカー」が使われることが多くなっている。高音再生のスペシャリストである「ツイーター」と中低音の再生を担当するミッドウーファーの2つを用いて、それぞれに役割分担をさせて音楽を再生する。そうすることで、高音から低音までをスムーズに鳴らせるようになるのだが…。

取り付け条件によって、ツイーターとミッドウーファーとの“音の繋がり方”が変化!

しかし、「セパレート2ウェイスピーカー」のコントロールは実は、単純ではなかったりもする。難しさのポイントは「それぞれが発する音を上手く繋げられるか否か」。もしも上手く繋げられないと、役割分担させたことがかえってマイナス要因にもなりかねない。

ちなみにホームオーディオのスピーカーでは、「ツイーター」と「ミッドウーファー」の位置関係はボックスを設計する段階で決定される。ゆえに、2者間の音の繋がり方も設計段階でコントロールされる。しかしカーオーディオでは、その2つの装着位置が都度異なる。

例えばミニバンでは、車格が大きいがゆえにドアに取り付ける「ミッドウーファー」が低い場所に位置する。結果、「ツイーター」と「ミッドウーファー」間の距離が遠くなる。このように距離が離れ過ぎると、2つのユニットから放たれる音の境目あたりの情報量が薄くなるいわゆる“中ヌケ”が起こりやすくなる。このようにカーオーディオでは、スピーカーの取り付け条件等々に音の繋がり方が影響を受ける。

しかし「プロセッサー」を導入すれば、音の繋がり方を都度コントロールできる。スピーカーを取り付けた後で、各車の状況に即した最適な繋がり方をさせられるのだ。

続いては、「車内が狭いこと」について説明していこう。ところでホームオーディオでは、リスニングルームの広さはある程度確保されている場合が多い。そうであると、反響音の影響を受けにくくなる。壁が遠くにあれば、壁に反射した音は戻ってくる途中である程度減衰するからだ。しかしクルマの中では空間が狭いがゆえに、反射音の減衰が少ない。結果、状況が複雑化しがちで反射音による音響特性の乱れが生じがちとなる。

しかし「プロセッサー」があればこれへの対処も可能となる。

視聴位置が片寄ることの弊害も、「プロセッサー」があれば対処可能に!

そしてもう1つ、「視聴位置が左右のどちらかに片寄ること」について解説していこう。

またまた、ホームオーディオをイメージしてほしい。ホームオーディオでは、左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取れる。しかしカーオーディオではそうはいかない。左右のどちらかに片寄った場所で音楽を聴くこととなる。

この状況は、“ステレオ”を楽しもうとする上では足かせとなる。というのも“ステレオ”とは、音楽を左右のチャンネルに分けで録音しそれを左右のスピーカーで再生することで録音現場の雰囲気を再現しようとするものだ。しかし、左右のどちらかに視聴位置が片寄ると、この“ステレオ”の仕組みが正しく発動されなくなる。2本のスピーカーから放たれる音をバランス良く聴けないと、音楽の立体感が損なわれてしまうのだ。

しかし「プロセッサー」を使うと、これへの対処も可能となる。「プロセッサー」にはスピーカーから放たれる音の発音タイミングを調整する機能が搭載されている。それを使うと、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せるのだ。

このように、「プロセッサー」を用いればさまざまなサウンド制御が可能となり、車内においての音響的な不利要因の影響を少なくできる。結果、音楽の“聴こえ方”が変貌するのだ。

さて次回は、「プロセッサー」の導入シミュレーションを行おうと思う。お読み逃しのなきように。

《太田祥三》

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