ビギナー必読! 難解なカーオーディオの“専門用語”を易しく解説! Part13 プロセッサー関連編 ll | Push on! Mycar-life

ビギナー必読! 難解なカーオーディオの“専門用語”を易しく解説! Part13 プロセッサー関連編 ll

カーオーディオの“とっつきにくさ”を解消していただこうと、一般的になじみが薄いと思われる“専門用語”を解説している。今回は前回に引き続き、サウンドチューニングを司るユニットである「プロセッサー」に関連したワードの意味を説明していく。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
パワーアンプ内蔵DSPの一例(アークオーディオ)。

カーオーディオの“とっつきにくさ”を解消していただこうと、一般的になじみが薄いと思われる“専門用語”を解説している。今回は前回に引き続き、サウンドチューニングを司るユニットである「プロセッサー」に関連したワードの意味を説明していく。

「イコライザー」には2タイプがある! 1つが「グラフィックEQ」、もう1つが「パラメトリックEQ」

前回は、“デジタルタイプ”の「プロセッサー」=「DSP」に搭載されている基本機能の解説を行った。取り上げたのは2つ。1つは、音楽信号の帯域分割を行う機能である「クロスオーバー」で、もう1つは各スピーカーが発する音の到達タイミングを揃える機能である「タイムアライメント」、これらについて解説した。

なお「DSP」にはもう1つ、重要な機能が搭載されている。今回はまず、それについて解説する。その機能の名は、「イコライザー」だ。

ところで、“イコライズ”という言葉の意味をご存知だろうか。これには「等しくする」とか「一様にする」というような意味がある。なので「イコライザー」とはすなわち、「聴こえる音を原音と同じ音にする」機能であり、「周波数特性の凸凹を一様にする」機能である。「サウンドに味付けを加える機能」だとイメージされがちなのだが、そうであることもまた確かである反面、主たる目的はあくまでも、「周波数特性の乱れを整えて原音どおりの音にするための機能」なのである。

で、「イコライザー」には2タイプがある。1つが「グラフィックイコライザー」で、もう1つが「パラメトリックイコライザー」だ。どちらも機能としての目的は同一なのだが、仕様が異なっている。前者は、可聴帯域の音を何バンドかに等分し、それぞれのバンドの音量を上げ下げできるようになっている。そして、設定した結果を一目瞭然で確認できる。ゆえに、“グラフィック”と名付けられているというわけなのだ。

最新の「DSP」は、「イコライザー」の高性能化が進んでいる!?

対して「パラメトリックイコライザー」の方は、調整したい周波数帯を任意に選べて、さらには調整する範囲も都度設定できる。結果、改善させたい部分を狙い打ちできる。より効果的な対処が可能となるのだ。

なので一般的には、「パラメトリックイコライザー」の方が“高度”と捉えられている。調整可能なバンド数がどのくらかにもよるので一概には比較できないが、ある程度のバンド数が確保されているのなら、「パラメトリックイコライザー」の方がより詳細に調整できる。

ちなみに言うと、最近の「DSP」は「イコライザー機能」が相当に高性能化されていて、「ch独立31バンドパラメトリックイコライザー」が搭載されている機種も多くなってきた。ここまでくると、かなりきめ細やかな「イコライザー調整」を実行できる(しかし、使いこなすのは相当に難しい…)。

さて前回、「DSP」は3タイプに分類できると説明したが、それぞれがどのようなものなのかの解説はまだだった。なのでここからは、「タイプ解説」を進めていく。

まず3タイプとは、前回触れたとおり以下の3つだ。1つが「メインユニットに内蔵されたタイプ」、2つ目が「パワーアンプ内蔵DSP」、そして3つ目が「単体DSP」だ。

それぞれがどのようなものなのかを説明していこう。最初に「メインユニットに内蔵されたタイプ」から。カーオーディオメインユニットには一部、“ハイエンド機”と呼ぶに相応しい高性能なモデルがあるのだが、それらには高度な「DSP」も内蔵されている。そしてそういった機器は内蔵パワーアンプも高性能だ。ゆえにそれ1台を導入するだけで、高度なカーオーディオシステムを完成できる。

合理的にシステムを構築したいと思ったら、「パワーアンプ内蔵DSP」が便利!?

とはいえ最近は、メインユニットを交換しにくい車種が増えてきた。また、今使っているナビがまだ新しいのであれば、それを交換するのは現実的ではない。そのような場合には、その他の2つが選ばれることが多くなる。これらなら、純正メインユニットや今使っているナビを活用して、システムを構築できる。

なお、「パワーアンプ内蔵DSP」であれば、これを導入するだけでシステム構築を完了できる。というのも前回解説したとおり、「DSP」を用いて高度なサウンドチューニングを行おうとするときには、「マルチアンプシステム」の構築がマストとなる。つまり、使用するスピーカーユニットと同数のch数を備えたパワーアンプが必要となるのだが、「パワーアンプ内蔵DSP」ならばそれも同時に手にできる。基本的に別途「外部パワーアンプ」を用意しなくてもいいのだ。その分のコストを節約でき、さらにはインストールスペースも少なくてすむ。また、ケーブル類の用意も最小限ですむ。「DSP」と「パワーアンプ」間に使用するケーブルを用意する必要がないからだ。システム構築を合理的に行える。

対して「単体DSP」を用いようとするときには、併せて「外部パワーアンプ」の用意も必要となる。その点では導入のハードルは高くなる。しかし、好みの「外部パワーアンプ」を選択可能だ。つまり、どのようなシステムデザインとするか、そのプランニングから満喫できる。そして、とことん高音質を追求することも可能となる。もしもカーオーディオをより深く楽しもうと思うなら、「単体DSP」が有利だ。覚えておこう。

今回はここまでとさせていただく。次回も「プロセッサー」に関する専門用語の解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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