『サウンドシステム構築論』Part5 「シンプル外部パワーアンプ・システム」を楽しむ! | Push on! Mycar-life

『サウンドシステム構築論』Part5 「シンプル外部パワーアンプ・システム」を楽しむ!

さまざまあるカーオーディオシステムについて、その1つ1つを紹介している当特集。今回は、「シンブル外部パワーアンプ・システム」にスポットを当てる。当システムの成り立ちと楽しみ方のコツを、じっくりと解説していく。

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クロスオーバー機能が搭載されたパワーアンプの一例(グラウンドゼロ・GZPA 4SQ)。
  • クロスオーバー機能が搭載されたパワーアンプの一例(グラウンドゼロ・GZPA 4SQ)。
  • クロスオーバー機能が搭載されたパワーアンプの一例(ヴァイブオーディオ・POWERBOX 60.4-V7)。

さまざまあるカーオーディオシステムについて、その1つ1つを紹介している当特集。今回は、「シンブル外部パワーアンプ・システム」にスポットを当てる。当システムの成り立ちと楽しみ方のコツを、じっくりと解説していく。

コントロール機能の導入は後回しにして、スピーカーを鳴らし切ることを優先!

最初に、「シンブル外部パワーアンプ・システム」とはどのようなものなのかを解説していこう。

ここで言う「シンブル外部パワーアンプ・システム」とは、「“DSP”を用いずにフロントスピーカーを外部パワーアンプで鳴らすステム」のことを指す。スピーカー交換をした後の次の一手としては、何らかの“DSP”が導入されることも少なくないのだが、当システムではひとまずそれは後回しにして、それよりも先に外部パワーアンプを導入する。そうすることで交換したスピーカーの性能を十二分に引き出すことが可能となる。つまり、コントロール機能の充実よりも音の“質”の向上を優先させるやり方、というわけだ。

なので音楽信号の“クロスオーバー(帯域分割)”は、“パッシブクロスオーバーネットワーク”で行われることとなる。つまり「シンプル外部パワーアンプ・システム」とは、前回紹介した「パッシブクロスオーバーネットワーク・システム」の“外部パワーアンプ版”、ということになる。

さて続いては、これを実践しようとするときの楽しみ方のコツを解説していこう。まずポイントとなるのは「何chパワーアンプを使うか」だ。それにより、楽しみ方も変わってくる。

主な選択肢は2つある。1つは「2chパワーアンプ」、もう1つは「4chパワーアンプ」。どちらにもメリットがあるので、ここは慎重に選びたい。

まず「2chパワーアンプ」を選んだときには、「より良いパワーアンプを手にできること」がメリットとなる。例えば10万円の「2chアンプ」と「4chアンプ」があったとしたら、前者の方が1chあたりの価格が高い。つまり1chあたりで考えると10万円の「2chパワーアンプ」の方が高性能だ。より高級なモデルを買える、というわけなのだ。

「4chパワーアンプ」を用いると「マルチアンプ・システム」の構築も可能に!

一方「4chパワーアンプ」を選ぶと、「発展性が広がる」というメリットが得られる。発展のさせ方は主には2つある。1つは、「“DSP”を用いたマルチアンプ・システムの構築」で、もう1つは「サブウーファーの導入」だ。「4chパワーアンプ」を選択すれば、後々それ1台でこれらのいずれかを実践可能だ。

なお“マルチアンプ・システム”は、“DSP”を用いずとも実践できる。というのも「4chパワーアンプ」の多くは“クロスオーバー”機能を搭載していて、その中にはツイーターとミッドウーファー間の帯域分割が行えるものもある。それを活用すれば、「マルチアンプ・システム」が組めるのだ。

接続方法は以下のとおりとなる。メインユニットのフロント出力を「4chパワーアンプ」のA・Bchに接続しリア出力をC・Dchに接続する。そしてパワーアンプの“クロスオーバー”機能を使ってA・Bchに入力された信号に“ローパス(ハイカット)”をかけ、C・Dchに入力された信号には“ハイパス(ローカット)”をかける。そしてパワーアンプからのA・Bch出力を左右のミッドウーファーに直結させ、C・Dch出力を左右のツイーターに直結させる。こうすることでメインユニットのフロント出力をミッドウーファー用のchとして、リア出力をツイーター用のchとして使うことができるのだ。

で、このやり方を実践すると、各スピーカーをパワーアンプの1chずつを使って駆動できるようになる。結果、よりパワフルかつトルクフルに鳴らせるようになる。「2chパワーアンプ」を導入すると音質的に有利だと説明したが、「4chパワーアンプ」を使っても別なアプローチで高音質化が図れる、というわけなのだ。

ただし、パワーアンプに搭載されている“クロスオーバー”機能は、設定がなかなかに難しい。ツマミを回して“クロスオーバー周波数”を設定するのだが、何Hzを選択しているのかを数値で判別しにくいのだ。

とはいっても、トライする価値は大いにある。「4chパワーアンプ」を選んで「シンプル外部パワーアンプ・システム」を構築するとこのような楽しみ方もできるということを、覚えておいて損はない。

使用しているメインユニットに簡易型の“タイムアライメント”が搭載されている場合には…。

なお、外部パワーアンプに搭載された“クロスオーバー”機能を使って「マルチアンプ・システム」を構築すると、もう1つ別のメリットも手にできる。そのメリットとは「ツイーターとミッドウーファーそれぞれに個別に“タイムアライメント”が掛けられること」である。

ただし、このメリットを得るためには、メインユニットに簡易型の“タイムアライメント”機能が搭載されていることが条件となる。簡易型の“タイムアライメント”とは、フロントスピーカーとリアスピーカーのそれぞれに“タイムアライメント”を設定できるが、ツイーターとミッドウーファーの個別制御はできない、というものだ。

で、「マルチアンプ・システム」を構築すると、メインユニットのフロント出力がミッドウーファー用のchとして、リア出力がツイーター用のchとして機能するので、フロントスピーカーとリアスピーカーに対しての“タイムアライメント”機能が、ツイーターとミッドウーファーに対しての機能に変更される。“DSP”を用いずとも、そこそこに詳細なコントロールが可能なシステムを作り上げられる、というわけなのだ。

ちなみに、使用しているスピーカーに付属されている“パッシブクロスオーバーネットワーク”が“バイアンプ接続”に対応している場合には、「パッシブクロスオーバーネットワーク・システム」を組んでも、“タイムアライメント”の詳細制御が可能となる。

接続方法は以下のとおりだ。メインユニットのフロント出力を「4chパワーアンプ」のA・Bchに接続しリア出力をC・Dchに接続する。そしてパワーアンプからのA・Bch出力を“パッシブクロスオーバーネットワーク”のミッドウーファー用入力端子に繋ぎ、C・Dch出力をツイーター用の入力端子に接続する。

こうすることで、フロント出力がミッドウーファーへとダイレクトで繋がり、リア出力がツイーターへとダイレクトで繋げられる。結果、フロントスピーカーとリアスピーカーに対しての“タイムアライメント”機能が、ツイーターとミッドウーファーに対しての“タイムアライメント”へと変更される、というわけなのだ。

このように、「シンブル外部パワーアンプ・システム」を構築する場合には、「4chパワーアンプ」をチョイスした方が楽しみ方の幅は広がる。参考にしていただきたい。

今回はここまでとさせていただく。次回は“単体DSP”を用いるシステム構築方法を紹介する。お楽しみに。

《太田祥三》

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