「パワーアンプ」の使い方、楽しみ方を完全解説! Part4「“2ウェイ+サブ”を“マルチ”で楽しむ!?」 | Push on! Mycar-life

「パワーアンプ」の使い方、楽しみ方を完全解説! Part4「“2ウェイ+サブ”を“マルチ”で楽しむ!?」

純正カーオーディオシステムの“音質”に不満を抱き“スピーカー交換”を実行したドライバーに向けて、次なる一手、「外部パワーアンプの導入」をおすすめする短期集中連載をお届けしている。今回はその第4回目として、少々高度な“パワーアンプ”の使い方を紹介する。

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フロント2ウェイ+サブウーファーを“マルチアンプ接続”した車両の例(製作ショップ:カーズファクトリーシュティール)。
  • フロント2ウェイ+サブウーファーを“マルチアンプ接続”した車両の例(製作ショップ:カーズファクトリーシュティール)。
  • フロント2ウェイ+サブウーファーを“マルチアンプ接続”した車両の例(製作ショップ:カーズファクトリーシュティール)。
  • フロント2ウェイ+サブウーファーを“マルチアンプ接続”した車両の例(製作ショップ:カーズファクトリーシュティール)。

純正カーオーディオシステムの“音質”に不満を抱き“スピーカー交換”を実行したドライバーに向けて、次なる一手、「外部パワーアンプの導入」をおすすめする短期集中連載をお届けしている。今回はその第4回目として、少々高度な“パワーアンプ”の使い方を紹介する。

なお当特集では、全国の有名カーオーディオプロショップの協力のもと、記事を作成している。今回は、山形県南陽市にて店舗を構える実力店、“カーズファクトリーシュティール”の石岡さんに教えを請うた。参考になる話をたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

■高度な方法論である“マルチアンプシステム”。これを楽しむための“パワーアンプ”選びのコツとは…。

今回は“フロント2ウェイ+サブウーファー”というスピーカーレイアウトを、“マルチアンプシステム”で鳴らそうとする場合の、“外部パワーアンプ”の選び方、使い方、楽しみ方を解説していく。

最初に、“マルチアンプシステム”とは何なのかを簡単に説明しておこう。これは、“ソースユニット”と“パワーアンプ”との間に“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”を組み込むことで実践できるシステムだ。“DSP”を用いて音楽信号をあらかじめツイーター用、ミッドウーファー用、サブウーファー用それぞれに帯域分割して、その上で“EQ”や“タイムアライメント”をかける。こうして、より緻密にサウンドをコントロールして鳴らそうとするシステムである。

なお、“DSP”であらかじめ信号を帯域分割するので、以後もそれぞれを個別に伝送する必要性が生じる。ゆえにパワーアンプのch数は、スピーカーユニットと同数なければならない。“フロント2ウェイ+サブウーファー(1発)”というスピーカーレイアウトの場合には、スピーカーユニットの数は計5個。よって“パワーアンプ”のch数も計5chが必要となる。

さて、このようなシステムを組もうとするとき、“パワーアンプ”はどのようなタイプを選ぶといいのだろうか。

「手軽さを重んじるなら、“5chパワーアンプ“を用意するのがベストです。1台だけですべてのスピーカーを駆動できますから、スペース的にもインストールの手間的にも合理性が高いです。

または、手軽さよりも音質に重きを置こうとするのなら、4chパワーアンプ+サブウーファー用のパワーアンプ、という選択肢も浮上します。使用台数が2台になるのでインストールの手間は増えますが、リーズナブルな“5chパワーアンプ”1台ですませるのに比べたら、より高音質が狙いやすくなると思います」

■サブウーファー用の“パワーアンプには、何を選ぶべき?

では、4chパワーアンプ+サブウーファー用パワーアンプという選択をする場合、サブウーファー用の“パワーアンプ”にはどのようなモデルを選べばいいのだろうか。

「いろいろな考え方がありますしチョイスする機種によっても状況は変わってきますが、音質を優先させたいと思ったときには、サブウーファー用の“モノラルパワーアンプ”よりも“2chパワーアンプを選んだ方が有利だと思います。サブウーファー用の“モノラルパワーアンプ”は再生周波数帯域が狭いので、“パワーアンプ”内部で機械的にローパスフィルターが掛かってしまいます。フルレンジの再生ができる“2chパワーアンプ”を使った方が、状況としてはシンプルです。

ただ、よりパワフルにサブウーファーを鳴らしたいと考えたときには、“モノラルパワーアンプ”の方が有利です。“モノラルパワーアンプ”にはハイパワーなモデルが多いですから」

ところで、フロント2ウェイスピーカーを鳴らすのに“2chパワーアンプ”を2台用意する、というやり方も有り得る。これの是非についても訊いてみた。

「使うモデルのグレードにもよりますが、“4chパワーアンプ”1台で鳴らすよりも“2chパワーアンプ”2台で鳴らす方が、音質的には有利だと思います。“パワーアンプ”を別にすることでchセパレーションが良くなりますし、同じ価格の4chアンプと2chアンプがあったとしたら、2chアンプの方が高性能ですし。

とはいえ、導入する“パワーアンプ”の台数が増えれば、インストールスペースがさらに必要になりますし、取り付けの手間も増えます。それを考えたら、“2chパワーアンプ”を2台買える予算を1台の“4chパワーアンプ”に注ぎ込んだ方が、効率は良いです。さまざまなファクターを勘案して、都度、ベターを選びたいですね」

■フロント2ウェイスピーカーを、“4chパワーアンプ×2台”で鳴らすのもアリ!?

さらに話を続けてもらった。

「または、“4chパワーアンプ”を2台使ってフロントスピーカーを鳴らす、というのもアリだと思います。贅沢なアプローチですが音的には有利に働くんです。というのも“4chパワーアンプ”の場合、フロントch(AchとBch)とリアch(CchとDch)のゲイン調整を個別に設定できる機種が多いので、より緻密なサウンドチューニングが可能となるんです。

例えば、AchとBchをブリッジ接続して右のツイーターを鳴らし、CchとDchとをブリッジして左のツイーターを鳴らすというようなシステムを組むと、左右個別のゲイン調整を“パワーアンプ”側でも行えるようになりますから、“DSP”だけでゲイン調整をするより詳細にコントロールできます。chセパレーション的にも利得が得られますし」

続いては、機種選定のコツを教えてもらった。

「使用するスピーカーとの能力のバランスを取ることがもっとも重要だと思います。例えば使用しているスピーカーの定格入力が100Wだとしたら、“パワーアンプ”の定格出力は100Wから150Wくらいだとベストです。逆に“パワーアンプ”の定格出力の方が小さくなるのは、避けたいですね。

気にするべきスペックはそのくらいです。あとは聴いてみて、音的に気に入るかどうか。

なお試聴する際には、“トランジェント”にも着目すると良いと思います。つまりは“応答性”が良いかどうかが大事だと思うんです。“トランジェント”の優れた“パワーアンプ”は、音の立ち上がりが素速いので、音楽をよりリアルに、より生き生きと再現できるようになりますから。

それと、予算が許すのであれば、より上級なモデルを選んだ方が後悔はないと思います。高額なモデルはそれに比例して高級なパーツが使われていますから、それが音にも確実に効いてきます。

いろいろと迷いながら、そして楽しみながら“パワーアンプ”選びをしていただきたいですね」

カーオーディオシステムのサウンドクオリティを上げるためには、“マルチアンプシステム”という選択肢もある。そして“マルチアンプシステム”では“パワーアンプ”選びも楽しみ所となる。さらなる高音質化にご興味があれば、ぜひぜひお試しを♪

《太田祥三》

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