【サウンドチューニング大辞典】第4章 お役立ち調整機能研究 その10「ダイヤトーンの場合 V」 | Push on! Mycar-life

【サウンドチューニング大辞典】第4章 お役立ち調整機能研究 その10「ダイヤトーンの場合 V」

カーオーディオでは、「サウンドチューニング」機能を使いこなせるかどうかで音の完成度が変わってくる。そんな奥深き項目について多角的に解説してきた当コーナー。現在は主要機能から一旦外れ、「お役立ち調整機能研究」と題し補足的な機能をクローズアップしている。

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『ダイヤトーンサウンドナビ』の“クロスオーバー”の設定画面。『ローブースト』では、サブウーファーの受け持つ範囲だけが増強されることとなるので、ナチュラルでスムーズに低音増強が行える。

カーオーディオでは、「サウンドチューニング」機能を使いこなせるかどうかで音の完成度が変わってくる。そんな奥深き項目について多角的に解説してきた当コーナー。現在は主要機能から一旦外れ、「お役立ち調整機能研究」と題し補足的な機能をクローズアップしている。

今回も先週に引き続いて、『ダイヤトーンサウンドナビ』に搭載されている“ダイヤトーン”ならではの機能をフィーチャーする。今回取り上げる機能は、『ローブスト』だ。

さて、当機能はその名のとおり、低音を増強するタイプの機能である。しかしながら、通常の低音を持ち上げる機能(バスブースト機能等)とは一線を画している。

どのように違うのかというと…。違いが表れるのは、サブウーファーを搭載しているときだ。というのも、サブウーファーを搭載しているときに通常のバスブースト機能を使用すると、とある問題が引き起こされることがある。しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』の『ローブースト』では、それが起こらない。

では、通常のバスブーストで引き起こされ得る問題が何かを説明していこう。メカニズムは以下のとおりだ。

サブウーファーを導入するときに、高性能なメインユニットを使っている場合や、外部パワーアンプを使っているケースでは、ドアのスピーカーとサブウーファー間で“クロスオーバー”を掛けることが可能となる(音楽信号の“帯域分割”が行える)。なお“クロスオーバー”というのは、あるポイントで上と下とに真っ二つに信号を分割するものではない。そうではなくて、サブウーファーに対しては“クロスポイント”の上側の信号を高い音になるに従って緩やかに減衰させ、ミッドウーファーに対しては“クロスポイント”の下側の信号を低くなるに従って緩やかに減衰させていく、という機能だ。そのようにすることで、2者間の音をスムーズに繋げることが可能になるのだ。

なので、“クロスポイント”付近の音は、音量が大きい、小さいという違いはあれど、ドアのスピーカーからもサブウーファーからも再生されることとなる。

その状態のときに通常の低音増強機能を掛けると、ドアスピーカーとサブウーファーのそれぞれの音がブーストされることになるので、低音域が不自然な形で増強されることとなってしまう。こうしてお互いの音が好ましくない状態で干渉し合い、バランスが崩れてしまうのだ。これが通常のバスブーストにおいての問題点だ(ちなみに“クロスオーバー”が掛けられていない場合には、この問題はさらに顕著なものとなる。そもそも低音が2箇所から聴こえてくるからだ)。

しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』の『ローブースト』では、ドアスピーカーから発せられる低音はブーストせずに、サブウーファーから発せられる超低音だけをブーストしてくれる。

結果、ドアのスピーカーとサブウーファーとで低音の干渉が起こらず、スムーズに低音が強化される、というわけなのだ。

『ダイヤトーンサウンドナビ』を使っていてサブウーファーを搭載しているケースにおいては、至って便利に活用できる。もしも当機能を使っていないという『ダイヤトーンサウンドナビ』ユーザーがいたら、これを機会にぜひともお試しを。

今週はここまでとさせていただく。次週も『ダイヤトーンサウンドナビ』ならではのお役立ち機能の解説を続行する。お読み逃しなきように。

《太田祥三》

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