プロが伝授する、本格サウンドチューニング術!「基本と応用」第6回「イコライザー調整のやり方ll」 | Push on! Mycar-life

プロが伝授する、本格サウンドチューニング術!「基本と応用」第6回「イコライザー調整のやり方ll」

現代のハイエンドカーオーディオシステムにおいては、高度な“DSP”を用いて“サウンドチューニング”されることが一般的になっている。それを「自分自身でも実践してみたい」と思っている愛好家に向けて、その操作のコツを紹介している。

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クラリオン『フルデジタルサウンド』のチューニングアプリでの、“イコライザー”の設定画面。
  • クラリオン『フルデジタルサウンド』のチューニングアプリでの、“イコライザー”の設定画面。
  • BMW・320i(製作:レジェーラ)
  • BMW・320i(製作:レジェーラ)
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現代のハイエンドカーオーディオシステムにおいては、高度な“DSP”を用いて“サウンドチューニング”されることが一般的になっている。それを「自分自身でも実践してみたい」と思っている愛好家に向けて、その操作のコツを紹介している。

今回は第6回目として、静岡県の人気ショップ“レジェーラ”の敏腕インストーラー・大塚さんに訊いた話を紹介していく。テーマは“イコライザー”。じっくりとお読みいただきたい。


■取り付けと、基本調整がしっかりできている前提で、“イコライザー”は力を発揮する。

ところで当特集では、本命の“サウンドチューニング”はカーオーディオプロショップに任せることを推奨している。使用する機材の性能を引き出すためには、まずはプロの力に頼るべきだ。そしてそのチューニングデータとは別のメモリーでマイ・チューニングを実践しよう。そのようにすると、カーオーディオライフをより深く楽しめる。

なお、“サウンドチューニング”のやり方はプロショップごとで異なる部分も多々ある。当特集で紹介されているやり方は1つの例として捉えてほしい。毎回いろいろなやり方を紹介しているので、それぞれを試しながら、その中からもっともしっくりくるものを見つけ出そう。

では、本題に入りたい。まず最初に、普段大塚さんがどのように“イコライザー”調整を実行しているのかを教えてもらった。

「私の場合は、“ビーウィズ”の車室内音響特性測定装置『ジーク』を使って測定し、そのデータを基に“イコライザー”調整を施すことが多いです。『ジーク』では相当にきめ細かく特性を測ることが可能なので、問題がどこにあるのかを比較的に簡単に見つけ出すことができます。

ただしそれを行うためには、製品がしっかり取り付けられていることと、“クロスオーバー”や“タイムアライメント”調整が正しく行われていること、この2つが前提条件となります。ベースができていないところで“イコライザー”調整を進めても、良い結果は得られにくいと思います。

“イコライザー”だけですべての問題が解決することはありません。その他のことがしっかりできている必要があるんです」


■スマホアプリの測定機も、案外使える。さらには、31バンドのテスト信号も活用すベシ。

続いては、プロ用機材を持たない場合の“イコライザー”の調整方法を教えてもらった。

「周波数特性を測定できるスマホアプリもありますので、それを使ってみても面白いと思います。フルレンジのテスト信号(ピンクノイズ)を入手してそれを流しながら測定し、特性の乱れをチェックしてみましょう。プロ用の機材と比べて簡易的な仕様となっていますが、案外参考になると思います。

ただ、スマホに内蔵されているマイクでは低音を的確に測定することは難しいと思います。ですのでスマホアプリを使用する場合には、低音は参考程度に見るにとどめたほうが良いかもしれませんね。逆に中域から高域にかけては、結構正確に測定できると思います。

あとは、31バンドのテスト信号を入手しておくと役に立ちます。それを低い周波数から順番に聴いていき、前に聴いたバンドと比べて目立って音量が変わるバンドがあるかどうかを探していきます。

もしも急に音量が上がるバンドがあれば、そのバンドが“ピーク”になっていると推測できます。逆に音量が小さく聴こえるバンドでは、そこが“ディップ”になっていると推測できるんです。そして“ピーク”となっているバンドはレベルを下げて、“ディップ”となっているバンドではレベルを上げれば、周波数特性が滑らかになっていくはずです」


■いつも聴いている音量で調整するのが鉄則。理由は「音量によって帯域バランスが変わるから」。

続いては、楽曲を聴きながら“イコライザー”調整をするときのコツを教えてもらった。

「1つ目のコツは、“いつも聴いている音量と同じくらいの音量で調整すること”です。理由は、ボリュームによって帯域バランスが変わるからです。例えば、音量を上げるほど低域がブーストされていきますので、音量が小さい状態で“イコライザー”調整を行うと、普段の音量で聴いたときに低音が出過ぎてしまうことがあります。

ちなみに私の場合は、聴感上で調整する際には少々多めに低音を出す傾向があります。なので、普段聴いているときの音量よりも少し大きめの音で調整するようにしています。そうすると、普通の音量で聴いたときにちょうどいいバランスになるんですよ(笑)。

そして、“低い帯域から整えていく”ことも重要な鉄則です。音は、音程を決定付ける“基音”と、それに対しての整数倍の周波数の音である“倍音”とで成り立っています。この“倍音”成分の響き方で音色が変わってきます。

で、“基音”の出方が変わると“倍音”の鳴り方も変わってきます。なので、低いほうのバンドを触ると、“基音”と“倍音”の関係が成り立っている上のバンドにも変化が表れます。

もしも高い方から調整していくと、低いバンドの調整を行うたびに、高い方の音も変化してしまいます。それでは高い方を調整した意味がなくなってしまいます。なので、“イコライザー”調整においては、低い方から調整することが鉄則となるのです。

あと、音量が小さいと感じるバンドがあったときには、そのバンドを上げるより前に、近くのバンドで出過ぎているところがないかを探してみましょう。“ピーク”になっている周波数帯があると、それが近くのバンドの音をマスキングしてしまうことがあるんです。もしも“ピーク”になっているバンドが近くで見つかれば、それを下げてみてください。そうすることで、聴こえにくかったバンドの音がはっきりと聴こえてくることが、往々にしてあるんです」


■車室内では“反射”の影響から逃れ難い。特にやっかいなのは“定在波”…。

続いては、クルマの中で起こりがちな現象について教えてもらった。

「クルマは狭い空間なので、反射の影響から逃れることができません。特にやっかいなのが“定在波”です。平行した面の間に、その距離と同じかその長さで等分される“波長”の音が入り込むと、“定在波”が発生して“ピーク”や“ディップ”が引き起こされます。これは実は、“イコライザー”で対処するのは難しく、むしろ取り付け方を見直したほうが良かったりもするのですが…。

車格やインテリアの形状で状況は変わってきますが、250~320Hzあたり、さらには1kHz~5kHzあたりで、“定在波”は発生しがちです。

“定在波”の影響によって250~320Hzあたりが“ディップ”になっている場合には、ボーカルが痩せて聴こえてくることが多いです。逆にそのあたりに“ピーク”が出ていると、ボーカルがこもった感じに聴こえてきます。ボーカルにもの足りなさが出たり聴こえにくくなっているときには、250~320Hzあたりを触ってみてください。

1kHz~5kHzあたりに問題がある場合には、ボーカルのサ行の聴こえ方がおかしくなることが多いです。サ行がきつく感じられたら、1kHz~5kHzあたりを下げてみましょう。逆にサ行の音に物足りなさを感じたときにはここを上げてみるといいと思います。

ところで、“イコライザーはなるべく使わない”という考え方もあるのですが、私はせっかくの機能ですから使ったほうが良いと考えています。“イコライザー”を操作して聴こえ方が心地良くなるのであれば、それで良いと思うんです。

いろいろと触ってみて経験値を上げていくと、段々上手くなっていくと思います。諦めずにトライしていただきたいですね」

大塚さんから訊いた話は以上だ。具体的な操作方法もいろいろと訊くことができたので、それらを参考に、ぜひとも実践を。操作に対する音の変化の傾向が掴めてくると、調整する楽しさも増してくる。
《太田祥三》

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