シンフォニ・クワトロリゴ。ときには精彩に、ときには豊潤な美音を放つ | Push on! Mycar-life

シンフォニ・クワトロリゴ。ときには精彩に、ときには豊潤な美音を放つ

イタリアのメーカー、シンフォニはマチェラタの町に1997年に設立。少数精鋭主義を貫きオーディオファン、音楽愛好家に向けた優れたコンポーネントを世に放っている。

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イタリアのメーカー、シンフォニはマチェラタの町に1997年に設立。少数精鋭主義を貫きオーディオファン、音楽愛好家に向けた優れたコンポーネントを世に放っている。

一昨年、社名をシンフォニからクワトロリゴと改名となったが、日本ではシンフォニと呼ぶユーザーが多い。クワトロリゴ(QUARTORIGO)の意味は五線譜のバス記号を添える位置の4番目やバイオリンなどの4弦楽器の意味もあるという。同社が掲げるスローガンは"Music for Lovers"。音楽を敬愛することを礎にサウンドクオリティー、音場を含めた音楽性の表現力を具現化。デビュー作はパワーアンプで、AMPLITUDE 45.2と90.2。双方ともにコンパクトな作りで代表のロベルト・マルコリーニ氏、CEOのファビオ・マリコリーニ氏が設計を行う。世界各国でシンンフォニが親しまれているのも音楽性と性能の2つが求心力となっているようだ。事実、製品に対する確固たるポリシーは20年以上、普遍で新作のパワーアンプやスピーカーに脈々と受け継がれる。そのサウンドが体験できるクルマを聴く機会を得たのでご紹介しよう。

太陽の光を受けて燦々と輝くイエローのマセラティ。車名はグランツーリスモ・スポーツ。デザインを手掛けたのは巨匠ピニン・ファリーナだ。ロー&ワイド、グラマラスで優美なシルエット。そしてインテリアも素敵でシートは厚めの本革を用いてホールドもいい感じだ。オーナーはマセラティにふさわしいオーディオシステムをクルマ購入以前から模索していたという。結果、デジタルオーディオプレーヤー以外はイタリアのブランドで纏めることとなる。なお製作は大阪・高石市に居するイーストである。

スピーカーとパワーアンプはシンフォニで統一。音の出口となるスピーカーは全体のクオリティを如実に表す重要なパーツ。トランスデューサー(変換器)としてその真価が問われるところだが、オーナーは20周記念年(600セット限定)モデルをチョイス。1インチのトゥイーターと6.5インチのミッドバスによる2ウェイ構成となっている。このユニットは新しいテンポ(TEMPO)シリーズをベースとした特別品という位置付けだ。各ユニットを精緻に駆動するためにパワーアンプはA級動作を採用したプレシジョン・TWOを導入。このアンプは簡単に言うとクロスオーバー歪みが原理的に発生せず入力した信号をそのままの姿で増幅する。パワーこそ少ないが正確な波形の伝搬、クリアな音の佇まいはA級動作ならではだ。一方、音の入り口はハイレゾ音源を再生できるポータブルプレーヤー、アステル&ケルン・AK100をセット。デジタルシグナルプロセッサーはモスコニの8 to12DSPでDAPとの組み合わせはハイレゾ音源を端正に再現してくれる。音の立ち上がりと立ち下がり(過渡特性)に優れ、ダイナミックな音場空間を鮮明に描写。ファイルに収められた楽曲、アーティストの情念がパワーアンプ、スピーカーを経由して耳と身体へ瞬時に伝わる。この快感はやはりハイエンドの領域だ。ドライブする喜びとともに音楽を聴く喜び頻度も増えるに違いないと確信。シンフォニ・クワトロリゴの魅力は良好なアコーステック系の楽曲やヴォーカル系の楽曲を聴くとその真意が確認できる。ときには精彩に...ときには豊潤な美音を放つ。イタリアというお国柄、芸術に造詣深い伝統と美意識が製品に受け継がれていると想像に難くない。ちょっとした一時であったが優雅なサウンドを垣間見ることができた。オーナーの至福のときが羨ましい。

《永松巌》

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