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“ロー”を制する者はカーオーディオを制す! Part.2「パワードサブウーファー」をアドオン!

カーオーディオにおいては、「“Low(ロー)”=低音」を豊かに再生できるか否かが、“良い音”を実現させるための1つのキーポイントとなる。その理由と、低音を良好に再現するコツまでを紹介する短期集中連載をお届けしている。

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パワードサブウーファーの一例。カロッツェリア・TS-WH500A。

カーオーディオにおいては、「“Low(ロー)”=低音」を豊かに再生できるか否かが、“良い音”を実現させるための1つのキーポイントとなる。その理由と、低音を良好に再現するコツまでを紹介する短期集中連載をお届けしている。

今回はその第2回目として、「パワードサブウーファー」にスポットを当てる。

■「パワードサブウーファー」とは、低音を鳴らすために必要なものが“一体化”したユニット。

まずは、「パワードサブウーファー」とはどのようなものなのかを解説していく。

「パワードサブウーファー」は、以下の3要素で構成されている。1「サブウーファーユニット」、2「パワーアンプ」、3「ボックス」。

低音を再生するためには、どのようなケースにおいても上記の3要素が必要となる。つまり「パワードサブウーファー」は、低音を鳴らすための必要要素が一体化したユニット、というわけだ。それぞれを個別に用意するのと比べて、より合理的に低音再生を実行できるのだ。

ちなみに、フロントスピーカーを鳴らすためには、外部パワーアンプは必ずしも必要ではない。なぜなら、メインユニットに内蔵されているパワーアンプでも駆動できるからだ。しかし「サブウーファー」は、メインユニットの内蔵パワーアンプでは鳴らせない。その理由は至って簡単だ。「サブウーファー」は口径が大きく、これを鳴らすためには大きなパワーが必要だからだ。内蔵パワーアンプでは力不足なのである。

「ボックス」が必要となる理由も解説しておこう。それをひと言で言うならば、「裏側から発せられる音を閉じ込めたいから」だ。スピーカーは、振動板を前後に動かして空気を震わせて音を伝えるのだが、これと同じことがスピーカーの裏側でも行われている。つまり、表側からも裏側からも音が放出されている。

それらは耳で聴く分には同じ音なのだが、音波としては真逆の状態だ。もしも真逆の音波が空間で交わると…。

お互いを打ち消し合う“キャンセリング”という現象が引き起こされる。「ボックス」はその“キャンセリング”を防ぐために存在しているのである。

■実用性を取るなら「コンパクトタイプ」、音質を優先させるなら「本格タイプ」。

続いてはタイプ解説を行っていこう。「パワードサブウーファー」には2タイプが存在している。1つは「コンパクトタイプ」、もう1つが「本格タイプ」だ。

「コンパクトタイプ」は、手軽であることをさらに伸長させたもの、ということができる。小型・薄型に仕上げられていて、シート下に取り付けることも可能なものが多い。インストール性までも含めて、簡単に低音強化が行えるようになっているのだ。

対して「本格タイプ」は、「サブウーファーユニット」「パワーアンプ」「ボックス」が一体化しているという点ではお手軽なれども、インストール性には多少目をつぶり、それよりも音にこだわろうとしているタイプである。「サブウーファーユニット」に本格タイプを使い、空気をしっかりと震わせて低音を再生させようとする。振動板がしっかりストロークするので、より骨太な低音を再生可能となるのだ。

しかし「ボックス」はある程度大きくなるので、シート下には到底装着できない。トランクルームに設置することとなり、積載性が少なからず犠牲になってしまう。

実用性を取るか音質を取るか…。そこがチョイスの分かれ目となる。

なお、「コンパクトタイプ」の中には、薄型ではあるけれどシート下には入らない大型タイプや、トランクのスペアタイヤスペースに収めようとするタイプなども存在している。前者は「コンパクトタイプ」の仲間でありながらもより高音質に振ったタイプと言っていい。後者は、シート下にはすでに何かしらのユニットが設置されて塞がっている、というケースで重宝する。

■設置の際には、音楽信号の配線作業が少々面倒なケースも出てくる…。

次は、使い方について解説していこう。「パワードサブウーファー」を設置する際の最大のポイントは何かと言うと…。答はズバリ、「音声信号をどうやって入力するか」だ。

ただし、愛用のメインユニットに“サブウーファー出力”が備わっていれば、音声信号の配線作業はそれほど大変ではない。その出力端子と「パワードサブウーファー」の音声入力端子とをピンケーブルで繋げば、音声の配線は完了する。

なお、メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっている場合は、低音のコントロールもしやすくなる。「サブウーファー出力」を備えたメインユニットには、「クロスオーバー機能」が搭載されているケースが多く、結果、より詳細なサウンドチューニングが可能となるのだ(コントロール方法については、連載の後半の記事でじっくりと解説予定)。

対して、メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっていない場合は、音声信号の配線が少々面倒になる。メインユニットに出力端子が備わっていないので、スピーカーに繋がっているケーブルのどこかしらで配線を分岐させて音楽信号を取り込む、という作業をしなくてはならなくなるのだ。

そしてこれを実行するときには、「どこで分岐させるか」、この見極めが非常に重要となる。見極める際のポイントは2点ある。1つは「合理性」。「パワードサブウーファー」の設置場所を鑑みつつ、できるだけケーブルの引き回しが簡略化できる場所から分岐させたい。

2点目は、「低音がカットされていない信号であること」。例えば、ツィーターに繋がっている配線では、そこを流れている音楽信号は、低音成分がカットされた後の信号である可能性もある。

分岐させる場所のオススメは、リアスピーカーの手前だ。リアスピーカーはセパレートタイプになっていない場合がほとんどだ。リアスピーカーがフルレンジタイプであれば、そこにはフルレンジの信号が流れているはずである。低域がカットされた信号である可能性は相当に少ない。

なお、リアスピーカーの手前から分岐させる場合、その作業は左右で行わなければならない。左右から音楽信号を引き込み、「パワードサブウーファー」の直前でそれを“合成”して(モノラル信号にして)から入力するのがセオリーとなる。

今回は以上だ。次回は、「コンプリートウーファーボックス」について解説する。お楽しみに。

《太田祥三》

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