“音が良い”って素晴らしい!『スピーカー交換」のススメ! 第5回「効果を上げるためのコツ」 | Push on! Mycar-life

“音が良い”って素晴らしい!『スピーカー交換」のススメ! 第5回「効果を上げるためのコツ」

純正スピーカーの音に不満を抱いている方々に向けて、「スピーカー交換」を強力におすすめする特集を展開している。その第5回目となる今回は、「スピーカー交換」をして得られる満足度を、さらに上げるための“コツ”を紹介する。

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ダイヤトーン・DS-G500

純正スピーカーの音に不満を抱いている方々に向けて、「スピーカー交換」を強力におすすめする特集を展開している。その第5回目となる今回は、「スピーカー交換」をして得られる満足度を、さらに上げるための“コツ”を紹介する。

■まずは、やってはいけないことから理解すべし。NGなのは、“直付け”!

ここまでは主に、スピーカーの選び方に関しての解説を行ってきたが、今回からは、これを行う上での“コツ”を紹介していこうと思う。

効果を上げるためのコツは、“取り付け”作業の中にある。カー用のスピーカーは、売られている状態ではまだ半完成品だ。取り付けて初めてスピーカーとして完成する。そしてその取り付けを上手く行えるか否かで、最終的なサウンドクオリティにも差が出てくるのだ。

具体的に解説していこう。まずは、やってはいけないことから紹介していく。それはズバリ、スピーカーをクルマのドア内部の鉄板に“直付けすること”。もしもそうしてしまうと、スピーカーが振動板を動かすときの振動が、鉄板にダイレクトに伝わってしまう。となると鉄板がビリビリと音をたて、音楽を濁らせる。また、足場が軟弱であるために踏ん張りが効かず、スピーカーが性能を十分に発揮できない(エネルギーをロスしてしまう)。

というわけで、そのような状態になるのを防ぐためには、なんらかの取り付けスペーサーを使うことがマストとなる。スペーサーをかませることでスピーカーを立ち上げることも可能となる。結果、奥側に降りてくる窓ガラスとの干渉も防げる。

なお、簡単取り付けをうたっている“カスタムフィット”スピーカーにおいては、取り付けスペーサーが同梱されているケースも少なくない。“車種別スピーカー”においてはさらに、取り付けスペーサーが同梱される可能性が高くなる。というわけで、取り付けスペーサーが付属している場合には、それを使うと便利だ。

■1つ目のコツは“インナーバッフル”を使うこと!

しかしながら、もしも同梱されている取り付けスペーサーが簡易的なものだった場合には、それを使うことを見送って、代わりに“インナーバッフル”というパーツを用いたい。これがまさしく、「スピーカー交換」の効果を上げるための、1つ目の“コツ”である。

“インナーバッフル”の使用によって「スピーカー交換」の効果を上げられる理由は至ってシンプルだ。取り付け土台の強度が上がるので、スピーカーの振動がより鉄板に伝わりにくくなる。さらには、スピーカーの足場をより安定化させられる。足場がしっかりすればするほど、スピーカーは力をロスしなくなり、より良い仕事が行えるようになるのだ。

なお“インナーバッフル”は、市販品を使っても良いし、または愛車にぴったりの仕様でショップにワンオフしてもらっても良い。どちらにするかは予算に応じて選べば良いのだが、“コツ”としての効果のアップがより期待できるのは、当然ながら後者だ。取り付けるクルマと、使用するスピーカーに合わせて、形や厚みを最適化できるからだ。

また、取り付けるスピーカーによっては、鉄板から立ち上げる量(高さ)を稼がないと取り付けられない場合も出てくる。“インナーバッフル”をワンオフすれば、取り付け可能となるスピーカーを増やすことも可能となる。

ここまでの話を一旦整理しておこう。ポイントは3点ある。1つは「スピーカーは直付けしない」、もう1つは「取り付けるスピーカーに付属している取り付けスペーサーが簡易的なタイプだった場合には、“インナーバッフル”を用意する」、そして3点目は「“インナーバッフル”は、市販品よりもワンオフしたほうがベター」。

ちなみに、市販の“インナーバッフル”には一部、高性能なモデルもある。ワンオフせずにそういった製品を使うという手もあるので、このあたりについては「スピーカー交換」をお願いするショップとじっくりと相談して決めよう。

■“デッドニング”を行うことで、「スピーカー交換」の効果はさらに上昇!

続いては、取り付けにおける2つ目の“コツ”を紹介しよう。それは、“デッドニング”だ。これ行うことで、スピーカーの性能をさらに引き出せるようになる。

ただしこれについては、できる範囲で(予算の許す範囲で)OKだ。十二分に手をかけるほど“コツ”としての効果も上がっていくが、予算に応じてある程度は簡易的なやり方にとどめるのはアリだ。

さて、“デッドニング”とは具体的にはどのような作業であるのかを説明していこう。中心的なメニューとなるのは、“制振”だ。これは読んで字のごとく、ドア内部の鉄板の振動を制御するための作業である。クルマのドアの鉄板は、音響パーツとして考えると、案外薄くて柔らかい。大きな音を鳴らすと、いとも簡単にビリビリと音をたてて振動してしまう。ビビリ音は単純に不快であり、またビビリ音自体が小さい場合でも、スピーカーから発せられる音を確実に濁らせる。であるので、“制振材”と呼ばれるシートを鉄板に貼り、鉄板がビビることを抑制していく必要があるのだ。

また、“サービスホールを塞ぐ”作業も基本的なメニューとされることが多い。当作業が必要となる理由は以下のとおりだ。

スピーカーは裏側でも音を発している。振動板を前後に動かして空気を震わせて音を発するわけだが、それはスピーカーの裏側でも起こっている。そしてもしもその音が表側に回り込み表側の音と混ざり合うと、“打ち消し合い”が引き起こされる。表側の音と裏側の音では、音波としては真逆の状態となっているからだ。しかしながらサービスホールを塞げば、裏側から発せられる音をドア内部に閉じ込められるので、“打ち消し合い”現象を緩和させることができるのだ。

“デッドニング”にはさらに、スピーカーの裏側から発せられる音が悪さをしないようにするための“背圧処理”や、表側から発せられる音が内張りパネル内に入り込まないようにするための“防音”等々、メニューは多岐にわたっている。

これらすべてを最初の段階で徹底的に行わなくても「スピーカー交換」の良さはある程度味わえる。しかしながら手をかけるほどに、スピーカーの性能はより引き出されていく。“デッドニング”を綿密に行っていくことで、「スピーカー交換」の満足度は確実に上昇していく。

さて今回はここまでとさせていただく。次回も、「スピーカー交換」の満足度を上げるための豆知識を紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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