スーパーハイエンドブランド「Micro-Precision」の最高峰スピーカー、『Z-STUDIO』シリーズの実力に迫る! Part1 | Push on! Mycar-life

スーパーハイエンドブランド「Micro-Precision」の最高峰スピーカー、『Z-STUDIO』シリーズの実力に迫る! Part1

イース・コーポレーションから紹介されている数々のスーパーハイエンドブランドの中で、一時期いわば“幻”の存在となっていたスピーカーブランドが1つあった。それがこの、「Micro-Precision(マイクロ・プレシジョン)」。

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Micro-Precision・Z-STUDIO シリーズ.
  • Micro-Precision・Z-STUDIO シリーズ.
  • Micro-Precision・Z-STUDIO TW
  • Micro-Precision・Z-Studio 100F
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  • Micro-Precision・Z-Studio 245

イース・コーポレーションから紹介されている数々のスーパーハイエンドブランドの中で、一時期いわば“幻”の存在となっていたスピーカーブランドが1つあった。それがこの、「Micro-Precision(マイクロ・プレシジョン)」。

しかしながらいよいよ受注生産が再開され、そうして先日遂に、トップエンドシリーズ『Z-STUDIO』の試聴機が完成したという一報が編集部に届けられた。今後は、各地で開催される「スーパーハイエンド試聴会」で、『Z-STUDIO』シリーズの音もデモンストレーションされる、とのことである。

その報を受け、いち早く試聴機の音を体験させていただこうと、イース・コーポレーションの本社を訪ねた。そこでじっくりと試聴機を聴き込み、さらには他のスーパーハイエンドスピーカーとの聴き比べも行いながら、当機の実力を深く探ってきた。そのリポートを、これから数回にわけてお贈りしていく。

■見た目の印象もなんとも独特。スペシャルなモノであるという雰囲気が各所からにじみ出る…。

最初に、「Micro-Precision」というブランドについて、簡単におさらいしておこう。

設立されたのは1999年、創業者はトーマス・ホフマン氏だ。「音楽性を最大限に引き出す」ことを目指し、“精度”に徹底的にこだわりながら匠による手作業で製品が組み立てられるという、ドイツ発のハイエンドスピーカー専門メーカーだ。

現在、日本で購入できる同社の製品は、トップエンド『Z-STUDIO』シリーズの各製品。そのラインナップは以下のとおりだ。

☆Z-STUDIO TW(シルクドーム・ツイーター)/税抜価格(ペア):63万円
☆Z-Studio 100F(10cmミッドレンジ)/税抜価格(ペア):41万円
☆Z-Studio 130(13cmミッドレンジ)/税抜価格(ペア):46万円
☆Z-Studio 170(17cmミッドウーファー)/税抜価格(ペア):46万円
☆Z-Studio 245(24.5cmサブウーファー)/税抜価格(1個):46万円

バリエーションが豊富であるのでユーザーは、搭載する車両側の都合に合わせて2ウェイスピーカーの構成を自由に選べる。3ウェイを組もうとする場合にも、ミッドレンジのサイズを選択可能。まずはこの、選択肢の広さが特長の1つとなっている。

構造的な部分では、振動板素材に注目したい。ツィーター以外のユニットに採用されている振動板素材は、独自の発泡構造をアルミスキンでサンドイッチするλ(ラムダ)サンドイッチコーンという特殊な素材。表側、および裏側に使われているアルミニウムは、家庭用アルミホイルの約1/10という薄さであり、中心のコア層は、80%がエア。これらにより、最大限の硬質化と極限までの軽量化が成し遂げられているという。

そして、見た目の印象もなんとも独特。このスピーカーがスペシャルなものであるという雰囲気が、各所からにじみ出ている…。

■一時期“幻”のブランドとなっていた、その理由とは…。

ところで、「Micro-Precision」がいっとき“幻”の存在となっていた理由についても触れておこう。

「Micro-Precision」の『Z-Studio』シリーズのスピーカーは、2014年に日本初上陸を果たしている。当サイトでも、それが搭載されたユーザーカーを早速取材し、同年の7月初頭に記事を掲載した。ところがその直後に、ディストリビューターであるイース・コーポレーションのもとに「Micro-Precision」からレターが届く。そこにはなんと、「当面、受注不可」という内容の文章が記されていたという。

その理由は、「筐体を作り出すための切削機を入れ替え、それを制御するコンピューターシステムのチューニングを行うから」と説明されていた。

ただし、そのチューニングにどのくらいの時間がかかるのかが説明されていなかった。メドすらも示されておらず、何年かかるのかも分からない…。

というわけで、カタログへの掲載は継続するも、それ以外のプロモーション活動は一切ストップされ、当然、注文も止められていたのだ。

なお、今となってみれば、このエピソードはいかにも「Micro-Precision」らしい、と言える。同社は先にも書いたとおり、“精度”へのこだわりが半端ではない。構成する部品の“誤差ゼロ”が目指されていて、μm(1/1000mm)というレベルでそれが達成されているという。どんなに時間がかかろうとも、その水準に到達するまでは製品を製造するつもりがなかった、ということだったのだ。

そうして、約2年の歳月が過ぎた昨年の中頃、めでたく受注生産が再開され始めた。

ただし、製品が日本に届けられればすぐにユーザーのもとに出荷されることが何度か続き、試聴機製作のタイミングがなかなか取れず…。そしてようやく今、試聴機を作れるタイミングが訪れ、完成に至った、というわけなのだ。

■独特の、そして強烈なインパクトを放つ、『Z-Studio』シリーズのサウンド…。

さて、こうしてようやく完成された試聴機には、以下の製品が搭載されている。『Z-STUDIO TW』と『Z-Studio 170』。2ウェイで鳴らされるときの、もっともスタンダードな組み合わせである。なお、ユニットの合計金額は、109万円(税抜)…。

試聴記を綴るにあたり、まずはこれを鳴らしたテスト環境から紹介しておこう。試聴会場はイース・コーポレーションの試聴室。試聴システムは、PC→USB-DAC→パワーアンプという構成とし、リファレンスパワーアンプとして、オーディオウェーブの『Aspire Pro CA』(税抜価格:72万円)を使用した。ケーブル類はロシアのハイエンドケーブルブランド、「チェルノフケーブル」の上級モデルで固めた。クロスオーバーは、スーパーハイエンド試聴会用に用意されているイース・コーポレーション特製のパッシブクロスオーバーネットワークで行った。

『Z-STUDIO』シリーズの特長をより鮮明に掴むべく、ライバルとなるスーパーハイエンドスピーカーの試聴から開始した。聴いたモデルは2つ。「RS AUDIO」の『RS Master 2』(税抜価格:65万円)と、「ZR Speaker Lab」の『ZR Extravagance Saturn (25mmトゥイーター)+ZR Extravagance N°1(165mmミッドウーファー)』(税抜価格:95万円、Polished)。

価格の低いものから聴き始めた。最初に聴いたのは、「RS AUDIO」の『RS Master 2』だ。

さて、その音は…。

大変申し訳ないのだが、文字数の関係もあり、この続きは次週とさせていただきたい。しかしながら、結論だけ先にお伝えしておこう。3機種それぞれが持ち味を発揮し、それぞれならではの魅力を表現してくれたのだが…。

その中にあって『Z-STUDIO』の存在感は光っていた。どれが優れているという話ではないのだが、『Z-STUDIO』のインパクトは、特に強烈だった。このスピーカーは凄い…。

この詳細は次回に。お楽しみに。

《太田祥三》

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