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注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 2

今年の8月に掲載した『初めてのスピーカー。選ぶならどれ? 2万円~3万円台の注目機、6機種比較テスト!!』の番外編として、今秋に日本上陸を果たしたばかりの注目機について、その試聴ルポをお届けしている。

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注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 2
  • 注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 2
  • ヴァイブオーディオ・SLICK6C-V7。
  • ヴァイブオーディオ・SLICK6-V7。
  • ヴァイブオーディオ・SLICK693-V7。
  • ヴァイブオーディオ・SLICK6C-V7(グリル装着時)。

今年の8月に掲載した『初めてのスピーカー。選ぶならどれ? 2万円~3万円台の注目機、6機種比較テスト!!』の番外編として、今秋に日本上陸を果たしたばかりの注目機について、その試聴ルポをお届けしている。

前回は「JLオーディオ」の『C1-650』をフィーチャーした。それに引き続き今週は、「ヴァイブオーディオ」の『SLICK6C-V7』についてのインプレッション・リポートをお伝えしていく。

■従来機を凌ぐさらなる“エントリー”機が、待望の登場!

「ヴァイブオーディオ」の正規輸入代理店であるイース・コーポレーションが発行している今年度のカタログに掲載されていて、発売が今か今かと待たれていた『スリックシリーズ』のスピーカーが、ようやく日本上陸を果たした。

ところで、8月に掲載した本編でも「ヴァイブオーディオ」の機種を取り上げている。そこで紹介したのは、『ブラックエアシリーズ』の『BLACKAIR6C-V6B』(税抜価格:3万6000円)だ。当機でも一般的には十二分に“エントリーモデル”と言える価格であるが、それ以上にリーズナブルな製品を用意してきたあたりは、いかにも「ヴァイブオーディオ」らしい。同社は、手頃な製品をリリースすることにこだわりを持っている。日本でファンが増えている理由も、そこによるところが大きい。

さて、まずは登場が待望されていた当機の、プロフィールから紹介していこう。

☆ヴァイブ・オーディオ SLICK6C-V7(税抜価格:2万円)
●仕様:16.5cm2wayコンポーネントスピーカー
●最大入力:270W ●定格入力:90W ●周波数特性:54Hz-25kHz ●能率:94dB ●取付穴直径:142mm(ウーファー部) ●取付深さ:61mm(ウーファー部) ●ツィーターマウント:フラッシュ、アングル、サーフェス付属 ●スピーカーグリル:サイズ(幅×高さ)170×17mm

なお、『スリックシリーズ』には当機の他に、コアキシャルスピーカーが2機種ラインナップしている。1機種が16.5cm2wayコアキシャルスピーカーの『SLICK6-V7』(税抜価格:1万4000円)で、もう1機種が6x9インチ(15×22cm)3wayコアキシャルスピーカーである『SLICK693-V7』(税抜価格:2万2000円)だ。音のまとまりを重視するならば、これらコアキシャルスピーカーに注目しても良いだろう。

■“遊び心”が各所に盛り込まれた、サービス精神の旺盛な一品。

続いて、『SLICK6C-V7』の特長を詳しくみていこう。まずツィーターだが、廉価なモデルでありながら、マグネットにはネオジウムがおごられたなかなかの意欲作。口径は25mmでタイプはシルクドーム。厚みは抑えられているので、取り回しは良さそうだ。グリルが一体化し、ワンポイント的にブランドロゴも入れられていて、ルックスも上々だ。2万円ちょうどというリーズナブルな製品であるが、手にしたときの満足度は案外高い。

ミッドウーファーには、軽量のペーパーコーンが採用されている。マットなブラックカラーで仕上げられていて落ち着いた雰囲気を醸しているが、リングとグリルが付属しているので、お好みで見た目の雰囲気を変えられる。この価格であるので、内張りパネル内に収める形でインストールされることが多いだろうけれど、ひとたびアウター化したり、または外向きスピーカーとして使用する際には、ルックス的なインパクトを発揮できる。

さらには、パッシブクロスオーバーネットワークのデザインもなかなかにユニーク。まるでミッドレンジスピーカーのような見た目となっているのだ。取り付け性が考慮されたインラインタイプであり、ミッドウーファーのローパスは設定されておらず、機能的には合理的な仕様となっているが、これを敢えて見える位置にインストールすれば、3ウェイスピーカーのような雰囲気も出せる。遊び心がかしこに散りばめられていて、サービス精神の旺盛な製品となっている。

■純正スピーカーからのステップアップとして手頃な製品。

さて、問題の音のほうはどうだったのだろうか…。

試聴トラックを再生し、最初に感じたのは、「音色の正確さ」だった。この価格帯の製品となると、ものによっては、音色的な色づけが大きくなることも有り得るが、当機はそうではなかった。管楽器にしても弦楽器にしても、イメージどおりの音色で再現してくれるので、聴いていて違和感を感じる局面は皆無。安心して楽曲の世界に没頭できた。

その上でほど良く温かみもあり、味わいもなかなかにある。ドライ過ぎることもない。演奏者の情熱も伝わってきて、聴き応えは良好だ。メリハリもあり、音像の輪郭もクッキリしていて、楽しく音楽を聴くことができた。「ヴァイブオーディオ」ならではのコストパフォーマンスの高さは、当機でも十二分に感じ取れた。

ただ、どちらかといえば軽めのサウンドであることも否めなかった。レンジ感は十二分にあり、低域が不足しているとは感じないのだが、重厚さは少なめだ。タイプとしては、小気味良さを信条としているように思えた。これはこれで楽しいので問題はないが、重いサウンドがお好みならば、サブウーファーが必要になりそうだ。そうすることで、当機の良さもさらに活きてくるだろう。

とはいえ、総合力が高いこともまた事実。価格、ルックス、サウンド、トータルに見て、十二分な満足度が得られるだろう。

限られた予算の中で、ベターな音質性能を得ようと思ったら、当機にも注目しよう。純正スピーカーからのステップアップとして手頃な製品であることは間違いない。

エントリースピーカー市場は、ますます充実度が高まってきた。リーズナブルかつ手応えあるサウンドを楽しみたいと思うユーザーの、期待を裏切らない製品が増えている。純正スピーカーのサウンドに不満を抱いているならば、市販の入門機に、要注目!

《太田祥三》

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