【ダンロップ ル・マン ファイブ試乗】滑らかな走りと向上した静粛性、ウエットでも性能を発揮…片岡英明 | Push on! Mycar-life

【ダンロップ ル・マン ファイブ試乗】滑らかな走りと向上した静粛性、ウエットでも性能を発揮…片岡英明

ダンロップを代表するコンフォート指向のタイヤ『ル・マン』の最新作、ル・マンVを『マークX』に履き、その実力をチェックしてみた。

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ダンロップ ル・マンV をマークXに装着し、試乗した
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  • ダンロップ ル・マンV
  • 特殊吸音スポンジの「サイレント コア」
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ダンロップを代表するコンフォート指向のタイヤが『ル・マン』である。その最初の作品である「ル・マン24」が誕生したのは、今から35年前の1982年だ。ネーミングは、フランスの西部に位置するサルト県の県庁所在地であるル・マンに由来している。世界三大レースのひとつで、伝統の耐久レースとして知られるル・マン24時間レースからブランド名を取った。このことから分かるように、優れたハンドリング性能に加え、快適性が高いのが自慢だ。

その最新作として登場したのが『ル・マン ファイブ』である。キャッチフレーズは「実感できる快適性能をあなたに」だ。快適性を第一に考えて設計したコンフォートタイヤで、タイヤの振動を吸収する新技術『シノビテクノロジー』を搭載。骨格を一から見直し、路面からの衝撃をサイドウォール全体で効果的に吸収してくれる。それに加え、タイヤ内部の空気振動に起因する空洞共鳴音を吸収する世界初の技術『サイレントコア』を採用して快適性を飛躍的に高めた。前作のル・マン4と比べて乗り心地はいいし、静粛性も大きく向上している。また、低燃費にも徹底してこだわった。耐偏摩耗性能も27%向上させ、ロングライフを実現している。

カタログモデルと同じ215/60R16 95Hサイズのル・マン ファイブを『マークX』に履き、その実力をチェックしてみた。トレッド面は左右非対称パターンで、外側ブロックの剛性を上げ、2列目には溝壁セレーションを配して空気の流れを絶妙にコントロールしている。派手さはないが、プレミアム感と凛々しい表情がいい。セダンだけでなく、ミニバンやコンパクトカーにも似合うトレッドパターンだ。

試乗した日は気温が低く、雨も降っていた。が、走り出すと短い時間でタイヤが暖まり、すぐに秘めた実力を発揮するようになる。十分に暖まる前から印象的だったのは、滑らかな乗り味だ。路面からのショックを上手にいなし、当たりは穏やかだった。また、ステアリングやシートからの振動も上手に封じている。「シノビ テクノロジー」が効果的に働いているのだろう。ストローク感があり、クッションの効いた上質な乗り心地だ。

路面の継ぎ目や目地などの段差を速いスピードで駆け抜けても、足の動きがよくなったように感じられる。リアシートに座ったときも快適だ。ドライバーズシートと同等の上質な乗り心地が得られ、不快な突き上げに悩まされなかった。長距離ドライブでは疲れが少ないだろう。タイヤをインチアップして乗っている人にもル・マン ファイブはお勧めである。

もうひとつ、大きく向上していたのが静粛性だ。トンネルの中などで走行騒音をチェックしたが、ひとクラス上と感じさせる優れた静粛性を実現していた。スピードを上げていっても不快な高周波ノイズは上手に抑え込まれている。タイヤからのパターンノイズは低いし、雨天時でもロードノイズが耳につかない。高速走行でも車内は静かだから会話が弾む。また、オーディオも耳に心地よく感じる。

タイヤのたわみ方がいいのもル・マン ファイブの美点のひとつだ。路面からの衝撃を上手に吸収するだけでなく、従来の真円を更に大きくしてストロークを増やすことでハンドリングの洗練度も高まっている。ワインディングロードでは剛性が高く、接地フィールもいいことを確認できた。タイヤの動きや路面の様子が手を取るように分かる。そして大きな収穫だったのが、ウエット性能だ。濡れた路面に加え、水がたまった路面でも優れたグリップ力を身につけている。タイヤがしっかりと路面をとらえ、ブレーキングしたときの挙動も落ち着いていた。

ハンドリングも軽やかだ。ホットな走りでもパターンの剛性が高く感じられるし、コントロール性も優れている。タイトコーナーでも高いグリップ感があり、優れた舵の利きと安心感を伴う追従性のよさを披露してくれる。滑りやすい路面でもタイヤがしっかりとグリップし、フロントだけではなくリアも安定しているから、狙ったラインに乗せやすく不快な動きが感じられない。ル・マン ファイブは無駄な動きを上手に抑制しているから安心感がある。クルマ酔いする人も減るはずだ。揺れや揺り返しの収まりが早く、コントロールしやすいから、重心の高いミニバンとの相性もいいように思う。

高速道路では強い横風が吹いていたが、ふらつきを上手に抑制し、直進を保った。大げさなレーンチェンジを行っても、コントロール性の高さと優れたグリップ性能を見せつけている。大きな転舵を与えても路面をしっかりととらえ、揺り返しの収まりも速やかだ。

ル・マン ファイブは軽快な走りと快適性能を高いレベルで両立させた上質なコンフォートタイヤである。また、ラベリング「AA-b」を達成した低燃費タイヤであることも特筆すべきことだ。時代の要請である環境性能を引き上げ、ロングライフ設計にも磨きをかけているから長く付き合える。そしてラインアップも豊富に用意した。ル・マン ファイブは、車種に関わらず気持ちいい走りを楽しめ、快適性も高い新世代のコンフォートタイヤだ。
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《片岡英明》

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