“本格”カーオーディオのススメ! Part.1『フロント2ウェイ+サブウーファー』 | Push on! Mycar-life

“本格”カーオーディオのススメ! Part.1『フロント2ウェイ+サブウーファー』

クルマの中で良い音を聴きたいと思っている方々に、“本格”カーオーディオをお薦めする特集をお贈りしていく。それは、スピーカーを交換するといった音を良くするための初級アプローチとは明らかに満足度の異なる、手応えのあるカーオーディオの楽しみ方だ。

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“本格”カーオーディオにおいてのスピーカー取り付けの一例。製作:アークライド(千葉県)。

クルマの中で良い音を聴きたいと思っている方々に、“本格”カーオーディオをお薦めする特集をお贈りしていく。それは、スピーカーを交換するといった音を良くするための初級アプローチとは明らかに満足度の異なる、手応えのあるカーオーディオの楽しみ方だ。

具体的にこれがどのようなものなのか、そして楽しむべきポイント、取り組む際の注意点等々を、連載でじっくり解説していく。第1回目となる今回は、“本格”カーオーディオの基本形である、『フロント2ウェイ+サブウーファー』というシステムについて考察していく。

■“本格”的な『フロント2ウェイ+サブウーファー』とは?

まずは、あらましから解説していこう。“本格”的な『フロント2ウェイ+サブウーファー』というシステムは、以下のような構成となる。フロントスピーカーを市販モデルに交換し、それを外部パワーアンプでドライブする。そこに、重低音を担当するスピーカーであるサブウーファーを加えれば完成だ。なお、サブウーファーはメインユニットの内蔵アンプで鳴らすことはできないので、サブウーファー用のパワーアンプも必要となる。

この編成においてのポイントは、フロントスピーカーを外部パワーアンプでドライブする、というところ。オーディオメインユニットの内蔵パワーアンプでもフロントスピーカーを鳴らせるわけだが、そこにわざわざ外部パワーアンプを持ってくる、というところがまさしく、“本格”たるゆえんであるのだ。

実際、外部パワーアンプは強い存在感を放つ。使用するパワーアンプの性能によって音質の向上幅は異なってくるものの、大なり小なり、サウンドのレベルは確実に上昇する。

■外部パワーアンプが音に“トルク感”を与え、躍動感、弾力感も向上させる。

外部パワーアンプによってもたらされる良さをひと言でいうならば、“余裕”だ。それは、大排気量の高級車に乗ったときに感じられる“余裕”に似ている。エンジンの大きな高級車は、キビキビ走るし加速が違う。つまりは“乗り味”が異なってくるのだが、外部パワーアンプを使うとまさしく、“聴き味”が異なるのである。音量を上げてもサウンドが破綻することがなく、瞬間的に強烈にバスドラムが打ち鳴らされても、レスポンス良く反応し、シャープにリズムを刻んでくれる。一杯一杯な雰囲気を感じさせることがなくなり、音楽の抑揚もよりはっきりと表現できるようになる。

さらには、1音1音の“トルク感”も異なる。音に芯が入ってきて、ハリも出てくる。さらには躍動感、弾力感も出てくる。音楽を聴く上で、この“トルク感”は非常に重要で、システムのグレードが上がらないと得られない部分、とも言えるのだが、外部パワーアンプはそれを確実にもたらしてくれる、というわけなのだ。

そしてそこにわざわざ、重低音再生用のスピーカーであるサブウーファーを足して、サウンドの土台もしっかりさせる。そうすることでもまた1段階、サウンドのグレードを上げることが可能となる。

カーオーディオにおいて、サブウーファーは相当に大きな働きをする。ドアに付けられるスピーカーでは口径的に低音再生に限界があり、そもそも重低音が不足しているのだが、サブウーファーを足すことで、ドアのスピーカーでは再生できていなかった音を出せるようになる。それまでは出ていなかった音も聴こえてくるようになるのだから、違いは相当に大きい。

外部パワーアンプを使ってフロントスピーカーを鳴らし、さらにはサブウーファーまでも加えることで、システムの音は、一般的な純正オーディオの音とはまったくの別物となるのである。

■実践するときにポイントとなるのは、パワーアンプのタイプ選び。

続いては、このような“本格”的な『フロント2ウェイ+サブウーファー』システムを組もうとするときの注意点をご紹介していきたい。

まず問題となるのは、使用する外部パワーアンプのチョイスだ。予算に応じて、その中でもっとも気に入ったアンプを選べば良いのだが、パワーアンプにはタイプ違いがあり、それをどう考えるかが悩み所となる。タイプ違いというのは、“ch数”の違いである。

『フロント2ウェイ+サブウーファー』を鳴らすためには、フロントスピーカー用にパワーアンプが2ch、サブウーファーを鳴らすために最低1chが必要なのだが、それをまかなおうとするのには、選択肢がいくつか存在している。

もっともスタンダードな選択肢は、4chアンプを1台用意する、というものだ。2chでフロントスピーカーを鳴らし、もう2chをブリッジ接続してサブウーファーを鳴らすのだ。次に考えられるのは、2chアンプを2台用意する、というやり方であり、さらには2chアンプに加えてサブウーファー用にモノラル(1ch)アンプを用意する、という手もある。また、今後のシステムアップを見据えて、5ch以上の多chモデルを買っておく、という選択肢もある。

■目指していく方向性を見据えて、システムプランを練るベシ!

それぞれに特長がある。まず、システムを効率的に構成しようと思うなら、4chモデルや多chモデルを選ぶべきだろう。導入する外部パワーアンプの台数を少なくできるので、インストールスペースも少なくてすむ。逆に、ch数の少ないアンプを複数台導入していく場合には、段階を経てパワーアンプを増やしていくことが可能となり、そうすることで1台1台に予算を注ぐこともしやすくなる。

アンプのタイプ選びをする際のポイントは、今後、どのようなシステムを組もうとするのか、そこを見極めることにある。高度なシステムにまで発展させようと思うなら、まずは高性能な2chパワーアンプを買っておくという作戦も有効だ。そのアンプをムダにすることなく、長く使って行けるからだ。

逆に、システムを発展させたくないと考えるのなら、合理的にシステムが組める4chアンプを買う、という選択肢が有力候補となるだろう。

そしてこの、やり方をいろいろと思案するところも、“本格”システムを組もうとするときの楽しむべきポイントの1つとなる。プランニングの段階から、大いに楽しむべきなのだ。

今回はここまでさせていただく。次回以降は、基本の『2ウェイ+サブウーファー』を、どのように発展させていくと良いのかについて考えていこうと思う。お楽しみに。

《太田祥三》

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