やっぱりいつかは“フロント3ウェイ”…!? その利点とシステム構築のポイントを、徹底検証!! 後編「実践編」 | Push on! Mycar-life

やっぱりいつかは“フロント3ウェイ”…!? その利点とシステム構築のポイントを、徹底検証!! 後編「実践編」

“フロント2ウェイ”よりも音質的に有利だと言われている“フロント3ウェイ”。その理由と、システム構築におけるコツをご紹介しようと試みている当特集。2回目となる今回は、「実践編」をお贈りする。具体的な事例も織り交ぜながら、じっくりと解説していく。

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“フロント2ウェイ”よりも音質的に有利だと言われている“フロント3ウェイ”。その理由と、システム構築におけるコツをご紹介しようと試みている当特集。2回目となる今回は、「実践編」をお贈りする。具体的な事例も織り交ぜながら、じっくりと解説していく。

■“3ウェイ”化するためには、ミッドレンジを追加するか、新規に買い揃えるか…。

まずは、現在使用している“フロント2ウェイ”システムからのステップアップ法について解説していこう。

“3ウェイ”化するためには、ミッドレンジを用意する必要がある。もしも、使用しているスピーカーと同じシリーズ内にミッドレンジがラインナップしているのなら、それを購入することが最善の策である。後から詳しく解説するが、3ウェイのメリットを十分に享受するためには、3つのスピーカーから発せられる音を、スムーズに繋げられるかどうかが鍵となる。そのためには、音色傾向が同一のユニットでまとめ上げたほうがいい。同一シリーズのミッドレンジであれば、その点は完ぺきだ。

しかしながら実際は、単品のミッドレンジが用意されているケースは多くはない。その場合はどうするべきだろうか…。

方法は2つ考えられる。1つ目は、「同一系統の振動板素材が使われているミッドレンジを探す」というもの。使用中の“2ウェイ”スピーカーのミッドウーファーに使われている振動板素材と同一系統の素材が使われているミッドレンジを使えば、音色の統一を図りやすい。同一メーカーのスピーカーで見つかればベターだが、他メーカーのものであっても、試す価値はある。

2つ目の方法は、「同シリーズの小口径ミッドウーファーを流用する」というもの。使っているスピーカーと同じシリーズに、10cmや13センチのミッドウーファーがあれば、それをミッドレンジとして組み入るのである。通常のミッドレンジよりも大きい場合があり、そうなるとインストールは大変にはなるが、音色傾向が異なることを心配する必要はないので、その点においては有利だ。

続いては、新規で“3ウェイ”スピーカーを購入することにおいての注意点を解説する。というか、これについては特に注意点はない。数ある“3ウェイ”スピーカーの中から、好みのモデルを選べば良いだけである。

あえて1つ、注意点を挙げるならば、「それなりの予算を覚悟すべし」ということだろうか。“3ウェイ”スピーカーは高級モデルである場合が多いのだ。でも、もともとスピーカーのグレードアップを検討していたならば、それも潔し、ではないだろうか。予算の許す限り、上等な製品を手にしてほしい。

といいつつ最近は、お手頃な“3ウェイ”モデルが用意されるケースも増えつつある。例えば、写真で紹介しているドイツブランド「フラックス」では、エントリーモデルにも“3ウェイ”の設定がある。

しかも「フラックス」ならば、すべてのシリーズで、後からミッドレンジだけを単品で購入することも可能だ。将来的な“3ウェイ”化を見据えて、「フラックス」の“2ウェイ”スピーカーでカーオーディオを始めてみる、というのもアリだ。

■「パッシブ」を使うか「マルチ」で鳴らすか…。

さて、ここからは、運用の仕方について解説していく。“3ウェイ”を鳴らすには、2つの方法が考えられる。1つは「パッシブクロスオーバーネットワーク」を使って鳴らす方法であり、もう1つは「マルチアンプシステム」で鳴らす方法だ。

前者と後者では、必要となるパワーアンプのch数が、ガラリと異なる。前者は2chあればOKだが、後者では計6chが必要だ。しかし、“3ウェイ”のメリットをとことん味わおうと思ったら、「マルチアンプシステム」を選択するのがベストだ。なぜなら、「デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)」を活用して、サウンドを緻密にコントロールできるようになるからだ。

“フロント3ウェイ”システムを理想的に鳴らすための最大のポイントは、「3つのユニットから発せられるサウンドを、まるでフルレンジスピーカーから音が発せられているかのような状態に“繋げる”こと」である。そのためには、「DSP」の力が必要なのだ。

ただし、ユニット数が増える分、“3ウェイ”のサウンドチューニングは、“2ウェイ”のそれよりも難しくなる。でも、“クロスオーバー”、“タイムアライメント”、“イコライザー”を駆使して、正確に調整がなされたら、“フロント3ウェイ”が良さを存分に発揮する。

一方、「マルチアンプシステム」で“フロント3ウェイ”を運用することには、デメリットもある。それは、コストがかかること。パワーアンプが6ch分必要なのだから、それも当然だ。そして、ch数が多い分、RCAケーブルも多く必要となる。アンプにもケーブルにもそれなりのものを使えば、雪だるま式にコストは増大していく…。

だがしかし、例外もある。それはメインユニットが『ダイヤトーンサウンドナビ』のハイグレード機であったとき。当機ならば、「パッシブクロスオーバーネットワーク」を使った運用スタイルを選んだとしても、各スピーカーユニットを個別にコントロールすることが可能だ。低コストで、本格“フロント3ウェイ”を組みたいと考えたら、そのために『ダイヤトーンサウンドナビ』を使う、という選択肢は大アリだ。

あともう1つ、“フロント3ウェイ”にはデメリットがある。それは、インストールに手間が掛かる、という問題だ。取り付けるべきユニットが増えるからだ。場合によっては、その取り付けスペースを確保するのが難しい車種もあるだろう。その場合は、大がかりな加工が必要となり、工賃もそれなりにかさんでいく…。

なお、これについても対処法がある。それは、「MTXオーディオ」の『イメージプロ』シリーズの製品を使う、という方法だ。当シリーズでは、トゥイーターとミッドレンジが、ポッドタイプのエンクロージャーに収められているので、取り付けが非常に簡単なのである。ダッシュボード上にポンと載せるように搭載したり、Aピラーに固定することも可能だ。気軽に“フロント3ウェイ”を楽しんでみたいと思ったら、当機にも注目してみよう。

さて、“フロント3ウェイ”のメリットから、システム構築のポイント解説まで行ってきたが、“3ウェイ”に興味を持っていただけただろうか。“2ウェイ”であることにこだわっている製品もあり、何が何でも“3ウェイ”にしなくてはならない、ということではないが、“3ウェイ”には、“2ウェイ”では得られない楽しさがあることは事実だ。トライする価値は高い。いつかは“3ウェイ”を、ぜひぜひお試しを。

《太田祥三》

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