コスト優先か音質重視か、ストックかカスタムか…。「インストール・スタイル」大研究!! 【前編・フロントスピーカー】 | Push on! Mycar-life

コスト優先か音質重視か、ストックかカスタムか…。「インストール・スタイル」大研究!! 【前編・フロントスピーカー】

カーオーディオを組もうとするとき、どのユニットを使おうかとあれこれ迷う。それと同時に、“どんなスタイルで取り付けるか”も、思案のしどころだ。優先するべきはコストか、音か…。ストックスタイルを貫き通すか、魅せるカスタムを追求するか…。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
「アウターバッフル」の例(製作ショップ/オートステーションK2<大阪府>)。

カーオーディオを組もうとするとき、どのユニットを使おうかとあれこれ迷う。それと同時に、“どんなスタイルで取り付けるか”も、思案のしどころだ。優先するべきはコストか、音か…。ストックスタイルを貫き通すか、魅せるカスタムを追求するか…。

そこで当特集を企画した。「インストール・スタイル」を検討する際には、どのような着眼点があり、どんな作戦が存在しているのかを、2回にわたって考察していく。

“前編”となる今回は、フロントスピーカーの「インストール・スタイル」について考えてみたい。

■音のことを考えれば、トゥイーターは“埋め込み”加工を施したいところだが…。

最初に、トゥイーターについて考察していく。トゥイーターの「インストール・スタイル」は、以下の3とおりが考えられる。1・純正位置に埋め込む、2・ダッシュボード上に置く、3・Aピラー等に埋め込む、以上だ。

コストがかからないのは、「1」、ないしは、「2」だ。ただし「1」については、「トゥイーターが純正位置に収まるサイズであり、かつ、汎用的な取り付けブラケット等が使える」ことが、コストを抑えるための条件となる。「2」については、取り付けスタンドがセットになっていることが条件となる。

廉価なスピーカーであればトゥイーター自体がそれほど大きくはないので、純正位置に入ることが多いはずだ。さらには、ブラケットやスタンドが同梱されているケースも多い。コストを抑えたいと考えるならば、トゥイーターを選ぶ際には、同梱パーツもチェックして、「1」か「2」が可能かどうかも見定めよう。

一方、音質的には、もっとも有利なのが「3」であり、それに続くのが「2」である。Aピラー等へと埋め込めば、左右の幅を確保でき、さらには角度の設定も自由自在。音の反射の影響があるかないか、も検討できる。

ダッシュボード上にポンと置くスタイルも、お手軽な割に音は良い。ダッシュボードとの距離が近いので、その分反射の影響が大きくなり、Aピラー等に埋め込んだ場合と比べて左右の幅が狭くなるといった不利な要素はあるものの、純正位置に埋め込んだ場合と比べると、トゥイーターからの直接音をより多く聴くことができる。これがメリットとして結構大きいのだ。

それに対して「1」の“純正位置”は、多くの車種の場合、真上を向くスタイルとなる。この状況では、音がフロントウインドウに当たってから耳に届くことになるので、その分、音質的にはビハインドとなる。しかし、後付け感を嫌うのであれば、この方法がベスト。サウンドチューニング機能の高いシステムであれば、調整である程度なんとかなるし、サウンドコンテストに出場するレベルまでを求めなければ、「1」であっても日常的に楽しめる音は作れる。実用レベルでは、音への不利は、それほど大きく気になるものでもないだろう。

なお、Aピラー等に埋め込むスタイルについては、「クルマを売ろうとするときに問題となる」と考える向きもあるかもしれない。しかしながら、Aピラーの純正パネルも、ミラー裏の純正パネルも、実はそれほど高額なパーツではない。車種によって違いはあるが、Aピラーのパネルであっても数千円程度ですむ場合が、案外多いのだ。この点においては、“埋め込む”スタイルも実は、それほどハードルは高くない。

■音でいったら“アウターバッフル”、後付け感を嫌うなら“インナーバッフル”。

続いては、ドアに付けるスピーカー(ミッドウーファー)について考えていく。

ミッドウーファーの「インストール・スタイル」は、1・インナーバッフル、2・アウターバッフル、この二者択一となる。

インナーバッフルとは、ドアの内張りの中にスピーカーを隠すスタイルを指し、アウターバッフルとは、内張りパネル面まで(振動板が目に見えるところまで)スピーカーを立ち上げて装着するスタイルのことを指す。

音質的に有利なのは、明らかに、「2」のアウターバッフルだ。音が内張りパネル内にこもることなく、ダイレクトに車内に届けられるからである。インナーバッフルであっても、その不利をはねのけるためのノウハウを各プロショップでは有しているが、どちらが音がイイのかと言えば、「アウターバッフル」なのである。

ルックスにおいては、それぞれに特長がある。後付け感を嫌うならば、選択肢は「1」のインナーバッフルしかあり得ない。派手に作り込みたいと思うなら、断然、「2」のアウターバッフルを選ぶべきだ。

コストに関しては、2のアウターバッフルのほうが手間がかかるので、その分割高となる。ただし、「デッドニングにどの程度予算を割くか」といったあたりも、全体のコストに大きく関係してくる。インナーバッフルであってもデッドニングにこだわれば、アウターバッフルにしつつデッドニングをライトにした場合と、コストの差が狭まるだろう。コストについて検討するときは、デッドニングの程度も考慮して、複合的に考えよう。

なお、音質についても、デッドニングの程度が大きく影響してくる。予算においても音質においても、デッドニングまで含めて検討していこう。

「フロントスピーカー」においての「インストール・スタイル」研究は以上だ。明日は後編として、「パワーアンプ」と「サブウーファー」の「インストール・スタイル」について考察していく。明日もお楽しみに。

《太田祥三》

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