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【サウンドチューニング・マニュアル】「イコライザー」編 Part.4 「楽器の音域と周波数」について

“サウンドチューニング”について、広く深く解説している当連載。今月のテーマは「イコライザー」だ。そして今週からは、より本格的な内容に踏み込んでいく。今回のお題は「楽器の音域と周波数」。まずは、使いこなすための基礎知識からレクチャーしていく。

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【サウンドチューニング・マニュアル】「イコライザー」編 Part.4 「楽器の音域と周波数」について

“サウンドチューニング”について、広く深く解説している当連載。今月のテーマは「イコライザー」だ。そして今週からは、より本格的な内容に踏み込んでいく。今回のお題は「楽器の音域と周波数」。まずは、使いこなすための基礎知識からレクチャーしていく。

「イコライザー」を上手に扱うためには、操作するときの単位、すなわち“Hz”になじんでおく必要ある。“Hz”とは、周波数の単位である。楽器の音程、音域を、“ド”とか“レ”とかの音階名で考えるのではなく、“Hz”でイメージできると便利なのだ。

というわけで、代表的な楽器の音域が、周波数で言うとどのくらいなのかをご紹介していこうと思うのだが、その前に、これにまつわる大事なことを説明しておきたい。大事なこととは「基音と倍音」。

楽器の音は「基音」と「倍音」で成り立っている。「基音」は音階を決定する基となる音であり、「倍音」は「基音」に対して整数倍の周波数を持つ音の成分である。例えば、ギターのチューニングに使われる「A4=ラ」の音は、440Hzの「基音」と、それに対して2倍、3倍、4倍…、の音(880Hz、1.32kHz、1.76kHz…)が「倍音」として乗って成り立っている(実際の「倍音」は厳密な整数倍ではなく、「倍音」ごとにちょっと高かったり低かったりという揺らぎがある)。

この「倍音」の乗り方によって「音色」が決定される。なので音楽において、「倍音」はとても重要な成分なのである。

さて、本題に入ろう。以下に、代表的な楽器の「音域」(基音の範囲)を、「周波数」に置き換えてご紹介していく(あくまでも目安)。

・ピアノ=27.5Hzから、約4kHzあたりまで
・エレキギター=82.4Hzから、1.3kHzあたりまで
・4弦エレキベース=41.2Hzから、400Hzあたりまで
・ヴァイオリン=196Hzから、2.5kHzあたりまで
・トランペット=160Hzくらいから、930Hzあたりまで
・トロンボーン=80Hzくらいから、450Hzあたりまで
・バスドラム(キック)=60Hzくらいから、100Hzあたりまで
・シンバル=4kHzくらいから、12kHzくらいまで

ということは、「イコライザー」調整をする際、100Hz以下の音に着目したいときは、バスドラムとベースの低いほうの音に対して耳を澄ませばいい、ということになる。10kHzくらいの高い音に着目したいときは、シンバルをはじめとする金属系の打楽器の音に耳を澄ますといいだろう。

あと、エレキギターとヴァイオリンでは1kHz以上の音も出せるのだが、これらは相当な高音だと思っていい。これらの通常の演奏範囲は1kHz以下、凄く高い音が聴こえたら、それが1kHzよりちょっと上くらい、とイメージするといいのではないだろうか。

ちなみに、7バンドとか13バンドの「イコライザー」でもっとも高いバンドの周波数は、12.5kHzとか、15Hzくらいなのだが、このあたりの音は、ほとんど「倍音」の領域だと思っていい。“ツヤ”に影響するエリアだとイメージしよう。

「イコライザー」を触る時、音楽全体を聴いていたら操作しづらい。調整しているバンドごとで注目すべき楽器の音をイメージできるかどうか、ここが上手に扱えるかどうかの鍵になる。

これを踏まえて、次回は具体的なコツを解説していく。次週もお読み逃しなく。

《太田祥三》

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