カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #104: HONDA・ODYSSEY(オーナー・助川雄彦さん) by SOUND WAVE 後編 | Push on! Mycar-life

カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #104: HONDA・ODYSSEY(オーナー・助川雄彦さん) by SOUND WAVE 後編

サウンドとルックス、どちらにもコダワリが満載なカスタム・オーディオマシンをクローズアップしている当コーナー。先週と今週の2回にわたってスペシャル・フィーチャーしているのは、こちらのオデッセイ。茨城県の実力ショップ、SOUND WAVEが製作した入魂の1台だ。今回は、システムについて詳細に解説していく。

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カスタム・オーディオマシン Special Feature !!


サウンドとルックス、どちらにもコダワリが満載なカスタム・オーディオマシンをクローズアップしている当コーナー。先週と今週の2回にわたってスペシャル・フィーチャーしているのは、こちらのオデッセイ。茨城県の実力ショップ、SOUND WAVEが製作した入魂の1台だ。今回は、システムについて詳細に解説していく。


最高のユニットを最良の方法でインストール!
スペシャルテクニック、“バーチカル・ツイン”も堂々実行!!

先週の記事でもご紹介したとおり、このオデッセイは音を最優先で仕上げられている。今週は、それに向かってどのような工夫が盛り込まれているのかを、じっくりとリポートしていこうと思う。

最初に、システムレイアウトからご紹介していく。詳細は以下のとおりだ。

ヘッドとプロセッサーは、カロッツェリアX・RS-D7XIII+同・RS-P99Xという定番のペア。それに組み合わせるパワーアンプは、至極のモデル、ブラックス・MATRIX MX4を2台。スピーカー群もマニア垂涎のハイエンドスピーカー、モレルの上級モデルで固めている。ツイーターが、スプリーモピッコロII、ミッドレンジがCDM880、ミッドウーファーがスプリーモウーファー、そしてサブウーファーがウルティモ104。ヘッドからサブウーファーに至るまで、一級品のオンパレード。音への探求心がハンパないことを、システムレイアウトを見ただけで思い知らされる。



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スペシャル・テクニック、“バーチカル・ツイン”が採用されたコクピット。佇まいからしてなんともマニアック! ミッドレンジ間にツイーターを挟み込むことで“仮想同軸配置”を実現。中域の厚みと、優れた位相特性を獲得している。

その上で助川さんはさらに、最上級のユニット群の性能をより引き出すためのプラスαがないものかとショップに相談した。その熱意に応えるべく、ショップから提案された方法とは…。

それは、ツイーターとミッドレンジ間で実行されている、“バーチカル・ツイン”。

これはもともと、ホーム用の2ウェイスピーカーで実践されていたスタイルだ。ツイーターを2つのウーファーで挟むように配列し、振動板面積を増やし低域を充実させつつレスポンスの良さも維持。さらには、“仮想同軸配置”にすることで優れた位相特性を得られる、というもの。それを、3ウェイでのツイーター、ミッドレンジで実行したのだ。

ちなみにこれを行うにあたっては、十二分な検討が行われている。まずは条件面の見極め。ベース車両にそのスペースがあるかどうか、ミッドレンジのバックチャンバーをどの程度まで小型化できるか、以上の2点を入念に確認したという。幸いミッドレンジがドーム型であるので、バックチャンバーはある程度まで小型化が可能だった。そしてオデッセイならばツイーター+ミッドレンジ×2個を収められるスペースがあると判断。



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ドアに取り付けられているミッドウーファーは、軽く角度が付けられていて、通常の角度と比べてより鮮度の高い音をリスナーに届けられるようになっている。その上で内部の背圧処理などをより入念に実行。ストレスなくミッドウーファーを鳴らすことができている。

そしていざ実行に移す際には、設置位置の検証を徹底的に実施。仮組みしては音を聴き、3つのユニットの位置を決めていったという。最終的には、リスナーに対して2つのミッドレンジがほぼ等距離になるように、その上で反射の影響も考慮して最適な位置を割り出した。

結果、狙いはまんまと成功を収めた。通常の3ウェイでは得られなかった中域の厚みと、ツイーターとミッドレンジの良好な繋がりを獲得。オーナーの助川さんも大満足な濃厚なサウンドが実現できている。

他にも良い音のための工夫や配慮が満載なのだが、もう1つだけ特筆しておきたい。それはパワーアンプの使い方。ヘッドやスピーカーとの距離を近づけるためにリムジンスペース前方にインストールしたことは先週の記事で解説したが、さらに、右側のアンプで右chのスピーカーを、左側のアンプで左chのスピーカーを鳴らしていることも注目ポイントだ。これは、ハイレベルなchセパレーションを実現するためであり、左右でスピーカーケーブルの長さを揃えるためでもある。要は、システム的に完全なる左右独立 & 左右対称状態を作りたかったのである。良い音のためにできることはすべてやる、という心意気がここにも現れているのだ。



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“バーチカル・ツイン”で取り付けられているものの、前方視界がほとんど遮られていないのはさすが。ドアのカスタムはシンプルだが、製品ロゴとショップロゴをあしらった化粧パネルを設置し、ゴージャス感を盛り上げている。

最高のユニットを使い、その上で最良のインストール方法が模索され実行されているこのオデッセイ。ストイックなまでの音質優先マシンなのである。そしてその上でさらに、見た目にも一切の妥協なし。なんともゴージャス、なんともハイレベル…。多くのカーオーディオ・フリークの、目標となり得る1台だ。大いに参考にしてほしい。

《太田祥三》
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