注目の新機種『DIATONE SOUND.NAVI』“NR-MZ90シリーズ”について、全国の有名プロショップに取材しながらその実力・魅力を掘り下げてきた当企画。今回は、奈良県の実力店、ブリーズの木村さんにお話をお聞きした。木村さんの『DIATONE SOUND.NAVI』評とは…。
まずは“NR-MZ90PREMI”のファーストインプレッションからお聞きした。
「より素直な音になったと感じました。“60シリーズ”と“80シリーズ”では、音にほんの少しだけダイヤトーンらしさが出ていたと思うんです。しかし“90シリーズ”ではそれをほとんど感じさせません。より、原音を忠実に再現できるようになりましたよね。バランスも自然ですし、仕上がりがとても良いと思います」
というわけでこれまでに取材してきたショップと同様に、木村さんも“90シリーズ”を高く評価している。
しかし、『DIATONE SOUND.NAVI』のそもそもの位置付けについてお聞きしてみると、少々独特の分析を聞くことができた。至極納得できる話だったのでご紹介してみたい。
「『DIATONE SOUND.NAVI』が、カーオーディオ愛好家の裾野を広げた製品であることは間違いないですよね。音に興味があってもなかなか専門店に足を運ぶことができなかった方々を、専門店に連れて来てくれた製品です。
初級者にとって、『DIATONE SOUND.NAVI』はフレンドリーな製品なんですよ。フレンドリーである最大のポイントは、“リアスピーカーを殺さなくていい”ことにあると思っています。
ステレオの基本で考えれば、確かにリアスピーカーは必要ないんですね。“2chで立体的に音を再現する”、これがステレオの概念ですから。なので、本格ヘッドユニットを導入すると、基本的にはリアスピーカーは鳴らさなくなります。ヘッドユニットの出力は、サブウーファー出力以外のすべてがフロントスピーカーにあてがわれますから。フロントスピーカーのそれぞれに、個別にタイムアライメントをかけるために、マルチアンプ駆動ありきになるわけです。リアスピーカー用にchが余りませんし、余らせる必要もない、こういう考え方ですね。
しかし、『DIATONE SOUND.NAVI』では、2chだけで（パッシブクロスオーバーを使っていても）フロントのツイーターとミッドウーファーそれぞれに、個別にタイムアライメントがかけらるわけです。フロントスピーカーを理想的に鳴らすのに2chあればOKです。リア用chが残りますから、リアスピーカーも鳴らすことができます。
これはとても重要なことだと思うんですよ。『DIATONE SOUND.NAVI』の登場以前からこの部分には引っかかるものを感じていました。リアスピーカーを鳴らしたい局面は、実際は多いんです。長い車両で、後部座席に家族を乗せることが多いというなら、リアスピーカーも鳴ったほうが良いですよね。
もちろん、ナビと1DINのオーディオを共存させて、ナビの音声はリアスピーカーで鳴らす、という方法はありますし、5.1chのシアターシステムではリアを鳴らしますが、ハイエンドのステレオ再生においてはリアスピーカーは鳴らなくて当然なんですね。これは一般的な感覚とはズレていると思うんです。このズレが、カーオーディオやプロショップの敷居を高くしている原因の1つでもあると感じていたんです。
“理想的なステレオ再生とリアエンターテインメントを共存させた”ことも、『DIATONE SOUND.NAVI』の利点ですよね。固定概念を壊して、カーオーディオの敷居を下げてくれた、と思っています」
なるほどだ。リアは鳴らさなくて当然、という気持ちを、筆者も持っていた…。
「一般的な視点を持とうという思いもあって、『DIATONE SOUND.NAVI』を装着しているデモカーは、純正スピーカーのままにしてあります。『DIATONE SOUND.NAVI』を付けただけでどう音が変わるのか、そこから体験していただこうと思って」
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さて、最後にまとめていただいた。
「『DIATONE SOUND.NAVI』はシステムアップしても楽しめる製品ですから、後々はぜひぜひ、その部分も味わっていただきたいですね。でも、ゆっくりでいいと思うんです。まずは『DIATONE SOUND.NAVI』を付けてみて、音が良いことの気持ち良さ、楽しさを気軽に体験していただけたらと。気軽に味わえる製品ですからね」
良い音を身近な存在にしてくれた『DIATONE SOUND.NAVI』。まだカーオーディオを未導入の方は、これをぜひ。この機械ならば、気楽なスタイルで良い音を手にできるのだ。
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