サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #66: 『第18回 パイオニア カーサウンドコンテスト』を振り返って Part.2 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #66: 『第18回 パイオニア カーサウンドコンテスト』を振り返って Part.2

今年で開催18回目を数えた『パイオニア カーサウンドコンテスト』。今週の当コーナーは前回から引き続き、同コンテストを終えての感想を松居さんに綴っていただく。前回はこれまでを振り返るとともに、今年の特長などについて触れていただいた。今回はさらにもう1歩踏み込み、次回開催に向けての思いまでを…。じっくりとお読みいただきたい。

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


今年で開催18回目を数えた『パイオニア カーサウンドコンテスト』。今週の当コーナーは前回から引き続き、同コンテストを終えての感想を松居さんに綴っていただく。前回はこれまでを振り返るとともに、今年の特長などについて触れていただいた。今回はさらにもう1歩踏み込み、次回開催に向けての思いまでを…。じっくりとお読みいただきたい。

前回の続きである。

今年のパイオニア カーサウンドコンテストは特に面白く、興味深かった。

新しいルールになり巧みな技の戦いになっていたように感じる。不思議なのは、みんなほぼ同じ装置を使用していたにも関わらず、今まで以上に個性が広がっていたことだ。

ディーラーデモカークラスの入賞車はすべて聴かせていただいたが、異なる装置を組み合わせた、ある意味「他力本願」的な作戦は取れなくなり、より強い思い入れを持って課題曲を大胆に表現したクルマがチャンピオンになったのだと感じた。

材料が同じなので、インストーラーの個性がとても良く出ていて、1つの「表現の場」のようになっていたように思う。

あくまでも個人的な感想ではあるが、オーディオのクオリティのみで考えれば、順位は違うのでは、というクラスがいくつかあった。つまりは、技術も大切だけれど、「気持ちが一番」ということなのだろう。勝負を分けたのは、その部分だったようにも思うのだ。

ところで、僕にとってはもう1つ、パイコンと並ぶ秋の恒例イベントがある。それは今月9日に開催された「まいど大阪」だ。今年も審査員として参加させていただいた。

この「まいど大阪」は、パイコンやヨーロピアンサウンドコンテストと極めて近いコンセプトのイベントで、カーオーディオの「音楽表現力」を競うコンテストであると思っている。

パイオニア カーサウンドコンテストやヨーロピアンサウンドコンテストの上位入賞車もエントリーしていてレベルはかなり高い。パイコンがワンメイクになったこともあり、オープンな条件で無差別級的に音質を競いあう西日本大会として、開催される必要性はさらに高まったと感じている。

審査方法もパイコンのジャッジ項目と同一で、課題曲も女性ボーカル1曲とオーケストラの計2曲が選ばれ、その楽曲の音楽的な表現を細かく審査する方式である。


まいど大阪

まいど大阪


パイオニア カーサウンドコンテストが終わり、そしてこの「まいど大阪」の審査を終えて、改めて感じることがあった。

カーオーディオという趣味について、だ。

カーオーディオとは、音楽を楽しむことを目的に、世界各地域で開発され製造されている製品をおのおののセンスで組み合わせ、個人的な趣味の世界を構築していくものだと思う。

審査をして各車を聴いていくと、それぞれの機器が作られた地域の文化を感じることもできるし、それぞれが、組み合わせやチューニング方法などに工夫を凝らしているわけで、オーナーの個性も発揮されていく。音楽を聴くという受動的な行為と、作り上げるという能動的な行為が絡み合う、奥行きのある趣味の世界が広がっていると、つくづく感じる。

オーディオ以外の趣味もいろいろとやってきたけれど、上記のようなオーディオならではの魅力に勝るものは、そう多くない。

そのような思いも新たにしながら、この2つのコンテストを終えて感じたことがもう1つある。それはここ数年、上位に入賞する顔ぶれの変化が以前よりも少なくなってきていることだ。

どのコンテストも確実に全体のレベルが上がってきている。にも関わらず、勝負となると結果が似かよってきてしまっているということは、勝てるクルマには何かがある、ということではないだろうか。その何かとはなんなのだろうか…。

僕は以下のようなことではないか感じている。上で書いたカーオーディオならので面白さのポイント、「音楽を聴くという受動的な行為と、作り上げるという能動的な行為が絡み合う」この度合いに違いがあるのではないだろうかと。あと1歩の踏み込みが勝敗に影響しているように思うのだ。

エントリーされた方々は、受けたアドバイスや返ってきたスコアシートを分析し、再チャレンジしてほしい。そして、さらにもっと沢山の人たちに、カーオーディオの面白さが広がってほしいと思っている。年ごとに、入賞者の顔ぶれの多くが入れ変わるくらいになると面白いと思うのだ。もちろん、今上位に付けている人たちも次はもっと上を目指してくるし、なかなか大変ではあるのだが、プレーヤーがもっと増えてより盛大になればなるほど面白さも拡大すると思っている。

パイコンは、来年はひとまず休止とのことだ。しかし、その先には必ず復活してくれると信じている。そしてそれ以外のコンテストも、来年以降もさまざま開催され続ける。これまで良い結果を残せたクルマも、そうでないクルマも、おごることなく、腐ることなく、趣味のオーディオの世界を楽しみながら、コンテストに前向きにトライし続けてほしいと、切に願う。

次回のパイオニア カーサウンドコンテストの開催が、今からとても待ち遠しい。皆さん、是非またパイコンでお会いしましょう。

《松居邦彦》

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