サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #12: M & M DESIGN Part.2 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #12: M & M DESIGN Part.2

#12:
M & M DESIGN Part.2

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#12:
M & M DESIGN Part.2


カーオーディオ専用スピーカーケーブル、M & M DESIGN・7N-MS1000を取り上げながら、オーディオケーブルにまつわるあれこれを、アンティフォンの松居さんに語っていただくシリーズの2回目。今回も興味深いウンチクが詰まっていて、読み応え感、高し♪


前回に続き、オーディオケーブルについて話したい。

ところで、オーディオケーブルは、信号を伝達するケーブル(ラインケーブルやデジタルケーブルといった電圧の振幅を電送するケーブル。エネルギーは電送しない)と、電力を電送するケーブル(電源ケーブル)に区別される。

スピーカーケーブルは、この両方にとって好条件であることが求められるケーブルということになる。音楽信号(振幅)をスピーカーに「伝える」能力と、スピーカーを「駆動する」ために電力を供給する能力を求められているのだ。

電力を電送する点において、直流抵抗が小さければそれだけ有利で、金属では鉄より銅、銅より銀、銀より金が有利であり、超伝導(電気抵抗ゼロ)が最終地点である。電荷の移動は原子の移動の逆方向ということは、ロスの少ないケーブルは原子が移動しやすい物体ということになる。

不純物の含有率が少ないということは(99.9999…)移動出来る原子の密度が高いということであり、その分効率が高いのである。密度の高い素材が使われたスピーカーケーブルでは、聴感上も、音の反応が早く密度が高いよう聴こえる。


M & M DESIGN Part.2


M & M DESIGN スピーカーケーブル 7N-MS1000は、カーオーディオの環境でHifiを追求したケーブルである。

カーオーディオのメインスピーカーはドアに装着されるのがほとんどで、ドアを開閉するたびに構造的なストレスを受けるため、プレミアムな素材の中でも、単線構造やモノクリスタル(LCOCFC、PCOCC)は不向きで、銅の中では日本鉱業が開発したストレスフリー7Nが最も適していると、僕も思っている。

M & Mは、特にこのストレスフリー7Nが「柔らかい」という特徴を活かし、線素材の太さや撚り方、絶縁体の堅さや素材、シースの構造を、カーオーディオで使用する場合において最適化し、可動部分の導体への金属疲労が起きにくいように工夫、また、温度変化の影響も考慮した制振構造も備えている。カーオーディオの環境で使用するHifiスピーカーケーブルを開発した、というわけだ。

ところでカーオーディオ用Hifiオーディオケーブルといえば、オーディオテクニカ レグザットも創立50周年を記念してプレミアムケーブルを発表したりしていて、家庭用オーディオケーブルをそのままクルマに持ち込むのではなく、クルマで使用することを考慮した商品が開発される時代に、いよいよなってきた。

現在のカーオーディオのレベルは、「マーラーのシンフォニーを堪能」という域に達しておらず、まだまだ家庭用のHiendの世界には及ばないのだが、ケーブルしかり、スピーカーしかり、このところの製品をみるにつけ、カーオーディオ界の成熟度が高まってきていることを感じている。


M & M DESIGN Part.2


さて、7N-MS1000の音質性能的な特徴について踏み込んでいきたいと思う。僕自身にとっても一番長い時間聴くのはカーオーディオであり、朝と夜の移動時間は一人っきりで楽しむ。通勤時間というより音楽を鑑賞する時間になっている。そんな時間の中で感じたことを書いてみたい。

身が詰まった音色が特徴で、金管楽器(ブラスアンサンブル)の響きが美しい。それでいてパシャパシャした感じではなく、サシスセソが強調されることもなく落ち着いた雰囲気でもある。シンガーの気持ちが十分に伝わるレベルにもある。

DIATONEのSA1にピンとくる人には凄く感覚がフィットすると思うし、現在のシステムに艶みたいなテイストをプラスしてみたいと思っている人にもジャストな商品であると思う。強いていえば、少しこじんまりした印象になるので、壮大なイメージを求める方向ではないと言えるが、他の人にちょっと差をつけたいと思うなら、使ってみて損はないと思う。

ただ、今回も申し上げるが、過度な期待をオーディオケーブルに求めてはいけない。美しいものがより美しくなるが、それなりのものはそれなりにしかならない、ということを申し上げたい。

《松居邦彦》

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