サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #4: カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #4: カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1

#4:
カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#4:
カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1


大好評のこのコーナー。今回から新章突入! 昨年秋の登場以来ちまたで話題沸騰の、カロッツェリア・1000RSスピーカーを検証していく! まずは、「歴代RSスピーカーとはどんなモデルであったのか」、そして「今回のニューモデルはどんな位置づけなのか」というところについて、松居さんにじっくり & たっぷり語っていただいた♪


カロッツェリア・RSシリーズは、これで3代目になる。僕は初代の開発の時少しだけお手伝いをした経緯があり、特に思い入れがあるスピーカーシステムだ。

さて、最初のRSスピーカーの登場は、初代のカロッツエリアXが発表されるよりも後。カロッツェリアXが、エレクトロニクス製品としてその時代の究極的なものだったのに対し、当時のカロッツェリアのスピーカーシステムは、そこまでではなかったように思う。

パイオニアはスピーカーから起業したメーカー、究極のスピーカーを開発しようということになり、私を含む販売店関係者、評論家、TADのエンジニアらが集められ、ハイエンドカーオーディオに求められているスピーカーについて会議を開くことになり、それにに同席させていただいたのだ。

クルマの中で家庭用ハイエンドオーディオと変わらないクオリティを発揮するためには、家庭用となんら変わらないものを作るべき、と発言させていただいたことを思い出す。


カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1


そのとき東北パイオニアで見学させていただいた生産設備や試験設備は大変興味深かった。氷点下から灼熱の試験、湿度や振動に耐えるテストにクリアしなくてはいけないカー用部品のハードルの高さを痛感した。

また、工場全体の1%程のスペース(片隅)で、1個ずつ手作りでスピーカーを製造するセクションがあった。TADを製造するセクションである。

パイオニアは日本で初めてスピーカーを作ったメーカーであり、ここがそのDNAを受け継いでいる最先端なんだろうなと思った。そしてRSスピーカーはそこで作られている。


(サムネールはクリックで拡大。拡大後は写真右側クリックで進む:左側クリックで戻る)


カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1#1

カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1#2

カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1#3

ところで、クルマと同じようにオーディオ、特にスピーカーの個性は、アメリカンもしくはヨーロピアンでジャンル分けが出来ると思う。

RSスピーカーはアメリカンな性格だ。ベル研究所、ウェスタン・エレクトリック、トーキー映画、劇場用音響システムと繋がる当時の最先端の技術者を投じたアメリカのオーディオの伝統をリスペクトした上で、メイドインジャパンの製造技術でそれを超えようとしたTADがそうであった。RSスピーカーはTADのクルマ版と僕はとらえていた。

そして前作、mkIIではS/Nをかなり改善し、進化した。朗々とした響き方は従来のモデルが持つ性格を引き継いでいた。

そして今回のモデルチエンジである。

1000RSは進化の幅が従来とは比べものにならない程進化した。もちろん新素材クロスカーボンの貢献は大きいが、うまく使いこなせていると思う。オーディオは科学技術である事を実感する製品だ。


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カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1#4

カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1#5

カロッツェリア・1000RSシリーズ Part.1#6

オーディオ製品の性能が向上すると、それまでの固有現象(個性)が減り、なんとなく「あっさり」した音楽表現になる。それがHi-Fiになってゆく方向なのだが、調味料をだんだん減らしてゆく事とよく似ていて、薄味になる事をどう感じるかがポイントである。

Hi-Fiを求めていこうとするならば、自分は今まで調味料の味に気をとられていて、素材を感じようとしていなかったのではないか、と、考え直してみよう。お好み焼き屋さんでマヨネーズをかけるのを断る事からはじめるイメージだ。

新RSはそんなスピーカーだ。

これからいろいろな音楽を聴いてみたいと思う。楽しみが一つ増えた。

《松居邦彦》

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