【DIATONE】DS-G50、その魅力を探る #3: carrozzeria X RS-A99X / PRS-A900編 | Push on! Mycar-life

【DIATONE】DS-G50、その魅力を探る #3: carrozzeria X RS-A99X / PRS-A900編

carrozzeria X RS-A99X編

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DIATONE】DS-G50、その魅力を探る

carrozzeria X RS-A99X編

各部の分離構造の効果が非常にあり全帯域にわたり高い分解能を確保

同ブランドの最上級シリーズであるカロッツェリアXの技術を継承し、音質対策を徹底し設計された同社ハイエンドの4chパワーアンプだ。価格を超越した音質対策を施したミディアムレンジのモデルだけにここでもSN比の高さが感じられるクリアーなサウンドを聴かせてくれた。50W/chとパワーも十分なだけに振動系質量を高めることなく優れた低域特性を実現したDS-D50を正確にドライブしてくれたように思う。コンテンポラリー系ジャズの重心の低い低音楽器の音像を大きく膨らませることはなく音像の輪郭や音程を曖昧に表現することはない。中高音域は明快さがあり適度な抑揚が感じられジャズやポップス系音楽を快活に再現するという印象を受けた。


RS-A99X

ブリッジャブル4チャンネルアンプ ¥210,000

同社トップエンドのA99Xは従来機に比べ小型化されると同時に低価格化されているのはファンにとって有難いことだと思う。基板の多層化や回路の集積度を高め小型化を実現しているが、回路構成は電源からスイッチ類まで含めてL/Rchを完全に独立、さらに±検出・制御のPWM電源による変動を抑え、安定した電力供給を可能にしている。その結果L/Rchのセパレーションは従来機に比べ約5dB高め、フロアノイズを約3dB改善したという。聴感上のfレンジが広く、SN比の高さも感じられ、また全帯域にわたり高い分解能を確保している。微弱音やディテールの情報が鮮明に浮き上がりヴォーカルの音像などもエッジを利かせクッキリと描き出す。大編成オーケストラのトゥッティも迫力があるが、弦楽器の高音部などに刺激的な響きは感じられず、大太鼓などの打楽器もスピーディに立ち上がる。またピアノやシンバルのアタック音は芯がしっかりとしてスピード感があり、快活なリズム感が抽出され残響音も濁らないが、これは各部の分離構造の効果だと思う。シャーシ剛性が高まっているので実装状態で、より音質対策の効果が高まるだろう。(小林貢)

明瞭な輪郭で丁寧に描かれ誇示しない素直な鳴り方

カロッツェリアXの新しいアタログ4chアンプである。プロセッサーが2ch仕様だから、実装ではブリッジ使われることになるだろうが、当然その場合にはパワーが上昇して力感も高くなるはずだ。

基本的にはそうした力を誇示しない素直な鳴り方で、滑らかな質感を備えている。アカペラではハーモニーが歪みなくしなやかに描き出され、音像のピントもくっきりした出方だ。ふやけた響きを見せず、タイトに引き締まって声の音色にも濁りがない。

ピアノもクリアなタッチが明瞭に引き出される。表情の変化が繊細に捉えられ、デリケートな感触に富んでいる。レンジも広く、にじみのない鳴り方だ。オーケストラは分解能が高く、エネルギーバランスも均一に保たれて暴れがない。くせや誇張を感じさせないで型で、オーソドックスな落ち着きも備えて安定している。ジャズはきめ細かく、またややゆったりして、刺々しさがなく明瞭な輪郭で丁寧に描かれた印象である。(井上千岳)

PRS-A900編


PRS-A900

100W×4chブリッシャブルパワーアンプ ¥126,000

適切な分解能を備え穏やかな清冽さが感じられる

価格から見るとちょうどバランスのいい組み合わせである。4chの必要がなければブリッジにすればいいし、他のプロセッサーならそのままマルチで使うことができる。いわばこのスピーカーの標準となるようなシステムといえそうである。

位相が素直に揃い、肩の力を抜いたようなリラックスした鳴り方をする。ピアノはタッチが粒立ちよく丁寧に捉えられ、低音部の透明感や高域のきらめきを強調することなく静かに描いている。またアカペラでは、高音部の歪みが耳につきやすいアンサンブルも無理なく把握し、ハーモニーの透き通った響きが穏やかに乗った感触だ。声の肉質感は厚ぼったくなるのを抑えてタイトに出てくる。

オーケストラは適切な分解能を備え、大音量でも破綻がない。瞬発的な鋭さは控えながら、暴れのないダイナミズムを得た印象だ。ジャズはやや小振りなまとまりのよさを見せ、アタック音も濁りなく捉えて刺々しさがない。穏やかな清冽さである。(井上千岳)

《編集部》

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