フォルクスワーゲン(VW)が開発を進める高性能SUV、『TロックR』新型のプロトタイプが、ドイツのニュルブルクリンク北コースで高速テストを行なう姿を捉えられた。
偽装をほぼ取り払った車体には、高性能モデル専用のパーツが確認できる。2027年の市場投入に向け、開発は最終段階に入っているとみられる。
◆4本出しマフラーを装着、R専用デザインが明らかに

『Tロック』は、VWの主力ハッチバック『ゴルフ』と基本コンポーネントを共有するコンパクトSUVだ。2025年に発表された第2世代モデルでは、デザインやプラットフォームを刷新し、電動化技術も採用している。その最上位に位置する高性能仕様が、今回捉えられたTロックRだ。
最新のプロトタイプは、ボディの大部分から偽装が取り払われ、量産型に近い姿を見せている。フロントバンパー左右のエアインテーク周辺には白いラッピングが残るものの、標準モデルやスポーティ仕様の「Rライン」とは異なる専用デザインが確認できる。市販型では、グリルから連続するグロスブラックの加飾が採用されると予想される。
サイドには、張り出しを強調したボディキットと大径アルミホイールを装着。ホイールの奥には、Rシリーズを象徴するブルーのブレーキキャリパーが見える。新型は20インチホイールと幅245mmの高性能タイヤを採用し、従来型より接地性能を高める見込みだ。
これまでに確認された開発車両には、穴あけ加工を施したブレーキディスクも装着されており、高性能ブレーキパッケージがオプション設定される可能性がある。

リアの特徴は、左右2本ずつ配置された4本出しマフラーだ。今回のテスト車両にはアクラポビッチ製のスポーツエキゾーストが装着され、グロスブラックのディフューザーとともに、高性能モデルらしい外観を形作っている。
ルーフスポイラーは、Rラインに近い控えめな形状だ。市販型では、フロントグリルやフェンダー、ホイールのセンター部分、テールゲートなどに専用の「R」エンブレムが配置される見通し。
ボディカラーは、Rシリーズを象徴する「ラピスブルーメタリック」のほか、ホワイト、シルバー、グレー、ブラックなどが設定されると予想される。
◆最高出力333ps級、ゴルフRと共通のエンジン搭載か
新型TロックRは、『ゴルフR』と技術的に共通する高性能パワートレインの採用が見込まれる。ベースとなる第2世代Tロックは、VWグループの「MQB Evo」プラットフォームを採用。新型Rでは専用スプリングや電子制御ダンパーの設定を最適化し、コーナリング性能を高めるとみられる。

エンジンは、ゴルフRと技術的に共通する2.0L直列4気筒ターボを搭載する見込みだ。現行ゴルフRは最高出力333ps、最大トルク420Nmを発揮しており、新型TロックRも同等の最高出力になるだろう。さらに、48Vマイルドハイブリッドシステムが組み合わされる可能性もある。電動化の主な目的は、欧州の排出ガス規制への対応と燃費性能の改善とみられる。最高出力の大幅な引き上げよりも、環境性能と動力性能の両立を重視するはず。
トランスミッションは7速デュアルクラッチ式AT、駆動方式はVWの4WDシステム「4MOTION」となる見込みだ。また、ゴルフRに採用されている、後輪左右の駆動力配分を最適化するトルクベクタリング機構や、サーキット走行を想定した「ドリフトモード」が導入されるかもしれない。
◆2027年の市場投入が有力、日本導入は未発表
新型TロックRは、今後数カ月以内に正式発表されるはずだ。量産開始は2027年10月との情報があり、欧州市場では同年中の発売が有力視されている。
販売の中心は欧州と英国になるだろう。北米市場への導入は予定されていないとみられ、日本市場への導入も現時点で正式な発表はない。
コンパクトSUVの実用性に、ゴルフR譲りの333ps級ターボエンジンと高度な4WDシステムを組み合わせるとみられる新型TロックR。正式発表では、電動化技術の採用や走行性能の詳細が焦点となる。



