クルマのうっかりトラブルで起こりやすいのがホイールのガリキズ。縁石などで擦ってしまったアルミホイールをDIYで目立たなくする方法を紹介する。
◆ホイールのガリキズはDIYでどこまで直せる?
クルマの中でも軽い接触で傷めやすいのがホイールだ。縦列駐車や幅寄せの際に目測を誤り、縁石へ「ガリッ」と擦ってしまった経験があるドライバーもいるだろう。アルミホイールをキズつけたときのショックは大きいが、補修方法を知っておけばダメージをある程度目立たなくすることはできる。
そこで今回は、ホイールにガリキズができた際のリペア方法を紹介しよう。新品に近い状態まできれいに戻したいのであれば、ホイールリペアの専門業者へ依頼するのが確実だ。一方、少し離れて見たときにキズが目立たない程度を目標にするのであればDIY補修も選択肢になる。カー用品店などにはホイール補修用品が数多く用意されているため、まずはキズの状態を見極めて適した方法を選びたい。
◆DIY補修を始める前に変形やクラックを確認する
最初に行いたいのがガリキズの状態確認だ。一般的に発生しやすいリム部分のキズが、どの程度まで広がっているのかをチェックしよう。
ホイール表面やリム外側に限られた比較的軽いキズであれば、DIY補修が可能なケースは多い。しかしタイヤと接するビードシート付近まで変形していたり、深いクラックが入っていたりする場合は話が別だ。タイヤとホイールの密着性が損なわれればエア漏れにつながる可能性があり、ホイールの強度そのものに影響しているケースもある。
走行中の振動が増えた、空気圧が低下する、ホイールが明らかに変形しているといった症状がある場合はDIY補修を避け、タイヤショップやホイールリペア専門店で点検してもらうのが安全だ。
DIYで対応できそうだと判断したら、次はキズの深さを確認する。大きく分けると、表面を擦った程度の浅いキズとアルミ表面まで深く削れたキズの2種類だ。ダメージの程度に応じて、コンパウンド、補修シート、タッチアップペイント、アルミパテなどを使い分けることになる。
◆浅いガリキズならコンパウンドで目立たなくできる
縁石の色が表面に移った程度のごく軽いダメージなら、極細タイプのコンパウンドで磨くだけでもある程度目立たなくできる。
ただし注意したいのは、磨いた部分と周囲で光沢や色味に差が出る場合があることだ。キズを完全に消そうとして磨きすぎると塗装や表面処理まで削ってしまい、かえって補修部分が目立つ可能性もある。
DIY補修では「新品同様」を狙うのではなく「少し離れれば気にならない」状態を目標にするのがポイントだ。補修部分を至近距離から確認し続けるのではなく、2~3m程度離れて見たときにどう見えるかを確認しよう。
一度に磨き続けるのではなく、少し磨いては拭き取り、状態を確認する。この作業を繰り返し、キズが目立たなくなったところを及第点とすると失敗しにくい。
◆補修に自信がなければ貼るだけのホイール補修シートも便利
塗装や研磨に自信がないユーザーには、手軽な補修アイテムも用意されている。そのひとつがソフト99の「ホイール貼るだけシート」だ。
汎用性の高いシルバーの極薄シートをキズ部分へ貼り付けて目立たなくするアイテムで、あらかじめ円弧状にカットされているためホイールのリム形状になじませやすい。
作業も比較的簡単だ。まず付属のサンドペーパーなどでキズ部分のささくれや大きな凹凸を軽く整え、汚れや油分を落として脱脂する。その上からシートを貼り付ければ補修できる。
もちろんシートのシルバーとホイールの色が完全に一致するとは限らない。しかしDIY補修の目的はあくまでガリキズを目立ちにくくすることだ。少し離れた位置から確認して違和感が少なければ、十分な仕上がりと言えるだろう。
◆タッチアップペイントなら塗装が剥がれたキズにも対応できる
浅いガリキズのもうひとつの補修方法がタッチアップペイントだ。シルバーのホイールであればホイール用補修塗料も用意されており、カラードホイールの場合も近似色を探すことでキズを目立ちにくくできる。
こちらは塗装作業になるため、補修シートより少し手間がかかる。
まずキズ部分をサンドペーパーや耐水ペーパーで整える。深く削る必要はなく、目的はキズ周辺にできたバリやささくれを取り除くことだ。大きなささくれがある場合だけ粗めのペーパーを使い、その後1000番程度の細かなペーパーで表面を整えると良い。正常な塗装面まで必要以上に削らないよう注意したい。
表面を整えたら周囲をマスキングし、塗装部分をしっかり脱脂してからタッチアップペイントを塗っていく。
小さなキズなら付属の筆でも対応できるが、ある程度広い範囲を塗る場合はタッチアップペイントをスプレー状に噴霧できるアイテムを利用する方法もある。例えばソフト99の「エアータッチ」のような製品を使えば、筆塗りより広い範囲へ均一に塗りやすく、筆跡も残りにくい。
ただし純正ホイールとまったく同じ色の補修塗料を用意できないケースも多い。ここでも完全な色合わせを求めすぎず、少し離れて見たときにガリキズが目立たないレベルを目指すのが現実的だ。
◆深いガリキズはアルミパテで凹凸を埋めて補修する
DIY補修の中でも難易度が高くなるのが、アルミ表面が大きく削れて凹凸ができた深いガリキズだ。ペイントだけでは隠しきれないほどえぐれている場合は、アルミパテを使って欠損部分を埋める方法がある。
二液性などのアルミパテは硬化すると金属調の表面となり、アルミホイールの補修部分を目立ちにくくできるのが特徴だ。
作業では最初に耐水ペーパーを使い、キズ周辺のバリや大きな凹凸を軽く整えてから脱脂する。その上でアルミパテをキズ部分に充填し、えぐれた部分が埋まる程度まで少し盛っておく。
指定された時間を守って完全に硬化させたら、600番程度から1000番程度のサンドペーパーや耐水ペーパーを使い、パテ部分を少しずつ研磨して周囲と平滑になるよう仕上げていく。
この際はペーパーをサンディングブロックなどのホルダーに巻き付けて使うと面を整えやすい。正常な塗装面まで削ってしまわないよう、削る範囲を限定しながら少しずつ作業することも重要だ。
表面をきれいに整えられれば深くえぐれていた部分が埋まり、補修前と比べて傷跡はかなり目立ちにくくなる。必要に応じて最後にタッチアップペイントなどで色を整える方法もある。
◆DIY補修は新品同様ではなく目立たなくすることを目標にする
このようにアルミホイールのガリキズは、ダメージが軽度であれば比較的手軽にDIY補修できる。浅いキズならコンパウンドや補修シート、塗装が剥がれた部分にはタッチアップペイント、深くえぐれたキズにはアルミパテと、状態に応じた補修方法を選ぶことがポイントだ。
ただしDIY補修で新品同様の仕上がりを追求するのは難しく、作業を深追いするほど正常な塗装や表面処理まで傷めるリスクも高まる。DIYでは「目立たなくする」ことを目標にし、完璧な仕上がりを求める場合はプロのホイールリペアを利用するのが確実だ。
また変形やクラック、エア漏れにつながるようなダメージは見た目だけの問題ではない。そうした症状が疑われる場合はDIYで済ませず、専門店で点検を受けよう。
補修方法を知識として覚えておくだけでも、うっかりホイールを擦ってしまったときの選択肢は増える。愛車のホイールにガリキズを見つけたら、まずは状態を確認した上で適切なリペア方法を選びたい。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後、出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務し、独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がける。カーオーディオ雑誌の編集長も請け負い、現在もカーオーディオをはじめとした分野を中心に執筆活動を続けている。



