機能的チューニングブランド「モデューロ」、30周年を迎えさらなる走りの高みへ | Push on! Mycar-life

機能的チューニングブランド「モデューロ」、30周年を迎えさらなる走りの高みへ

「Modulo(モデューロ)」はホンダの純正アクセサリーブランドとして1994年に誕生し、今年2024年に30周年を迎えた。ブランドの起源は、当時販売されていた『ビガー』用の2ピースアルミホイールからスタートする。

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Modulo 30th Anniversary EXPO Vol.1
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Modulo(モデューロ)」は、ホンダ純正アクセサリーブランドとして1994年に誕生する。当時販売されていた『ビガー』用の2ピースアルミホイール「スター」からスタート。

その後サスペンションやエアロパーツなどのエアロパーツの発売、そしてコンプリートモデルであるModuloX(モデューロX)の発売を経て、今年2024年に30周年を迎えたのだ。

長い年月を経て熟成された“実効空力” 純正クオリティ+機能をもたせた安心のチューニングパーツ

モデューロで重視しているのが「4輪接地」という考え。4輪のタイヤをしっかりと路面に接地させることで、クルマはもっと走りやすくなるというもの。これはエアロパーツだけでなく、サスペンションやホイールにも共通して意識されている。

空力パーツでは、1996年に発売された『プレリュード』用のエアロパーツが最初。現在のモデューロ製エアロに使われている「実効空力」と思想は同じで、空力で走りを良くしようというコンセプトだ。

リアスポイラーを大きくしてダウンフォースを確保。それだけだとフロントのバランスが取れない。フロントの車軸から重心の間で空力効果が欲しかったことから考え出されたのが、このボンネットスポイラーだという。当時から走りに効く革新的なエアロパーツの開発に取り組んでいたのだ。

ちなみにボンネットスポイラーは現在では衝突時の歩行者保護の観点から現代では製品化が難しいとのこと。

そして2008年『シビック タイプR』(FD2)用のエアロはまさに実効空力から生み出されたパーツだ。見た目だけでな、く空力性能を高次元で両立。走りに効くエアロパーツとして風洞実験と徹底した実走で開発された。

その実効空力は今も進化していて、シビック タイプR(FL5)用ウイングの下面をギザギザのシェブロン形状にすることで、街乗りの速度域から安定感を感じられると高い評価を得ている。

待望の『シビック』向けのウイングも鋭意開発中とのこと。幅や形状などもシビック用にアジャストメント。ダウンフォースが出ればいいのではなく、適度なバランスが重要とのことでタイプR用とは細かく異なっている。

シェブロン形状が両サイドには採用されていないのも、タイプR用も含めてバランスを重視した結果だという。そういった細かいこだわりを徹底的な実走テストによって導き出している。

S660にヌリカベ?!バンパー形状で大きく変わる空力体験

今回そんな空力効果を感じ取るためのメニューが用意された。『S660』にホンダアクセスの開発部門で、通称:ヌリカベと呼ばれている大きなボックスを装着。極端に空力効果を悪くした場合、ノーマルバンパー、モデューロXバンパーの3パターンを感じ取ってもらおうというコンテンツだ。

まずヌリカベ装着状態で専用コースを走行。軽く加速してから40km/hほどで濡れた定常円を旋回。そこから脱出してフィーリングを感じるというもの。まずヌリカベを装着した状態で走行。ただ普通に走る。これだけを乗っているのとこんなものかなという正直な印象だ。

次にノーマルバンパーにすると「あれ?こんなに素直に曲がるのか」と感じる。ステアリングを切っていくのに合わせて、クルマがスーッと向きを変えていく。当たり前のことなのだが、ヌリカベ状態のときはそこに抵抗感があり、曲がり始めるまでにわずかなタイムラグが感じられたのだ。

最後にモデューロXのバンパーに試乗。ノーマルバンパーからモデューロバンパーはヌリカベほどの見た目の変化がないので、体感できなかったらなにを書こう…と正直心配になったが杞憂だった。

明らかにノーマルバンパーと比較しても、よりスーッと向きを変えていく。ノーズの入りが良くなっていて軽く感じるのだが、実際にフロント周りを軽くするとフロント荷重が減ることから曲がり始めに違和感を感じることもある。そういったフロントの軽さ的な感じではなく、気持ちよくノーズが向きを変えていってくれた。まさにこれが実効空力ということだろう。

4輪接地と、それを生み出すサスやエアロパーツでクルマの良さを、トータルで引き出そうというのがモデューロの狙い。メーカー直系だからこそ徹底してテストから生み出されるパーツは、明確に性能的な裏付けがされていた。

時間を感じさせないモデューロチューン、S2000&NSXで感じる空力&サスペンションチューニングの奥深さ

今回はモデューロ30周年を記念して、1999年に発売されたエアロパーツとサスペンションを装着した『S2000』(AP1)2011年の20周年記念モデューロエアロとサスペンションをまとった『NSX』に試乗することができた。

試乗はモビリティリゾートもてぎ内の道路を行われたため、限界域のテストはできないが、市街地レベルの走行をすることができた。

S2000はこれまで感じていたノーマルのS2000らしい尖った感じが上手に調教されている。足まわりは10mmのローダウンがされたモデューロ製スポーツサスペンション。ノーマルに比べて極めてしなやかに路面を捉える。S2000といえばかなりハードなキャラクターで足まわりも結構あたりが強い印象があるが、このクルマはとてもしなやか。さすが4輪接地を心がけているというだけある。

エアロパーツはフロントアンダースポイラーでフロア下に流れる空気減らして、タイヤハウスに流れ込む空気も減らす。それによって空気抵抗を減らす効果を持つ。リアタイヤの前のリアストレーキが効く。トランクスポイラーは揚力を抑え、前後のリフトバランスを調整して安定感を高めるという。

エアロパーツがバリバリに効くほどの速度では走れなかったが、前後バランスの素直な動きはこのエアロパーツによる効果もあるだろう。25年前に味付けられたS2000は今乗ってもまったく色褪せることなく、むしろ最新車と遜色ないしなやかに路面をホールドする仕上がりだった。

NSXはNA1にスポーツサスペンションとトランクスポイラーを装着。サスペンションは4輪で安定して曲がっていくことを追求したセットだという。エアロは流速の高い両サイドの翼面を高くすることで効果を高めている。

乗ってみるとこちらもしなやかなサスペンションが印象的。リアミッドに置かれるエンジンの重さを感じさせながらも良いバランスで、アクセルを踏み込めばエンジンの重さがトラクションになっていく。エアロが体感できる速度でテストできなかったのは残念だが、こちらも古さを感じさせないしなやかな走りが印象に残った。

《加茂新》

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