右ハンドルのレクサス『LM』がインドネシアで初公開、現地価格は3000万円にも | Push on! Mycar-life

右ハンドルのレクサス『LM』がインドネシアで初公開、現地価格は3000万円にも

2023年8月10日より開催中の「GAIKINDO インドネシア国際モーターショー2023」に、レクサスの高級ミニバン『LM』のプロトタイプが出展された。今秋、日本でも販売されることが明らかになっており、右ハンドル仕様の発表は世界初。

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右ハンドルのレクサス LM(GAIKINDOインドネシア国際オートショー 2023)
  • 右ハンドルのレクサス LM(GAIKINDOインドネシア国際オートショー 2023)
  • GIIAS2023で開催されたレクサス『LM』のプレスカンファレンス
  • 右ハンドルのレクサス『LM』7人乗り仕様。運転席周り。
  • 右ハンドルのレクサス『LM』4人乗り仕様の前席周り
  • 回転台の上に置かれたレクサス『LM』7人乗り
  • 回転台の上に置かれたレクサス『LM』7人乗り
  • 回転台の上に置かれたレクサス『LM』7人乗り
  • 一般デーでは入口にスタッフが立って、限られた人のみがエリア内には入れるようになっていた

2023年8月10日より開催中の「GAIKINDO インドネシア国際モーターショー2023(GIIAS 2023)」に、レクサスの高級ミニバン『LM』のプロトタイプが出展された。全面刷新された2代目は初代とは異なり、今秋、日本でも販売されることが明らかになっており、右ハンドル仕様の発表は世界初。そんな右ハンドル仕様のLMを紹介しよう。

◆「ラグジュアリームーバー」としての価値を高めた2代目

初代『LM』は2020年に主に中国やアジア地域でのショーファードリブンMPVとしてデビューした。この時から4人乗り/7人乗り仕様をラインナップし、ベース車である『アルファード』とは一線を画する存在として富裕層に支持されてきた。そのLMが2代目でよりプレシャスな立ち位置を明確にして進化。車名が意味する「ラグジュアリームーバー」な価値や存在意義を、改めて見直しての登場となったのだ。

そして、この2代目より待望の日本での発売が決定。すでに左ハンドル仕様車は上海モーターショーで公開されているが、日本でも展開される右ハンドル仕様車の公開はこのショーが世界初となる。

会場内でLMは、来場者から目立つように回転台の上に置かれていた。車体はパールホワイトで身をまとい、新しいレクサスのデザインランゲージともなったスピンドルボディをフロントフェイスは否応なくその存在感を高める。アルファードがベースとはいえ、ボディ全体からはLMならではの気品さを漂わせており、その佇まいに来場者からは熱い視線と羨望の眼差しが送られていたのは間違いない。

しかし、その眼差しを送っても、多くの人は回転台の上でゆっくりと回るLMを見るだけでしかない。というのも、ほとんどの来場者は実車に触れることも、インテリアを覗くこともできなかったからだ。

◆『LM』に直接触れられたのはお得意様だけ!

実はブース奥にはお得意様限定のコーナーが用意され、そこで報道関係者を含む限られた人だけがエリア内に入って実車を確かめることができるようになっていたのだ。もともと多人数乗車ができるMPVへの関心が高いインドネシアだけに、ベース車であるアルファードの方は大勢の人でごった返しの状態。そんな状態にもかかわらず、一部の人だけがLMのシートに座ってインテリアの雰囲気をじっくり味わえたというわけだ。

その限定コーナーに置かれていたのはLMのラインナップである4人乗り/7人乗り仕様の2台。ボディカラーがブラックカラーの4座仕様は、インテリアをソリスホワイトにカッパーの組み合わせ。もう一つのボディカラーがホワイトパールの7座仕様の方は、インテリアがブラックにグレートーンを組み合わせていた。

圧巻だったのはやはり4人乗りの方だ。後席側には48インチの大型ディスプレイを組み込んだパーティションを設置し、その上部には昇降式スモークガラスを備えて「独立したパーソナル空間」を強く意識した設計。パーティションの左右にはスピーカーを備え、これはおそらくレクサスならではのマークレビソンによってチューニングされたオーディオとなっている模様だ。シートは2人が座れる完全独立式となっており、そこには電動式リクライニング機構や伸縮可能なオットマンを装備。冷蔵庫や収納スペースも備えられた。

特に見逃せないのが、「心地よく感じる自然な静けさ」を実現するため、”静粛性”へのこだわりを徹底的に追求していることだ。ノイズの周波数帯域と発生部位などを解析することで、車室内騒音の大幅な低減が図り、この結果、すべての乗員が自然体でくつろげる乗り味と居住空間を作り上げることを目指して開発されたのだ。

また、天井には左右独立式のシェード機構付きガラスサンルーフが備えられ、その中央には木目仕様のオーバーヘッドコンソールを装備して、シェードやスライドドアの開閉などのスイッチもここに配置される。一方の前席側のドアには半ドア状態でも自動的に閉まるイージークローザーを装備するなど、まさにあらゆる上質な装備を盛り込んだ仕様と言えるだろう。

◆現地価格は3000万円にも? 日本は1300万円程度から

一方で、走りの方はどうか。これは試乗できたわけではないのであくまでスペック上での紹介となるが、発表された内容によれば、パワートレインは全車ハイブリッドとなっており、「LM500h」が2.4リットルターボ+ダイレクト4(eAxle)、「LM350h」が2.5リットル+THS IIが設定される。基本的には両グレードともE-Fourを採用するが、LM350hにはFFもラインナップされた。先代LMでは充実した装備により車重増となり、それが走りにかなり影響を与えていたと言われる。2代目はその辺りを強く意識したものと言えるだろう。

気になるのは販売価格だ。今年4月の上海モーターショー以降、LMの販売価格は未発表だが、初代LMでは7席仕様が116万6000元(約2270万円)、4席仕様が146万6000元(約2850万円)となっており、少なくともこれを超えることは確実だ。ただ、この価格には日本から輸入される関税も含まれているから、日本での販売価格はそれよりもグッと下がるのは間違いない。おそらく、日本では7席仕様は約1300万円、4席仕様は1700万円程度になるのではないだろうか。

一方でインドネシアでは、アセアン地域外からの輸入に対しては車種によって高率な関税がかけられる。それを鑑みると4席仕様で2500万円~3000万円(日本円換算)程度にまで跳ね上がることも想定される。ちなみにアルファードはすでにインドネシアでの価格は、13億5610万ルピア(約1290万円)~16億5700万ルピア(約1580万円)。その差は1000万円以上!この価格差をはね除けてまでLMを購入する富裕層がインドネシアでどれだけいるのか。今後の成り行きに注目したい。

《会田肇》

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