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アーシングで性能アップ! 効かないこともある理由~カスタムHOW TO~

DIYでもできるチューニングとして定番の追加アーシング。ボディに帯電した電気をバッテリーに戻すことで

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アーシングで性能アップ! 効かないこともある理由[カスタムHOW TO]
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DIYでもできるチューニングとして定番の追加アーシング。ボディに帯電した電気をバッテリーに戻すことで出力がアップするというが向いているクルマ、そうでないクルマがある!!

◆あちこちからマイナス端子に電線をつなげ
効率よく電気をバッテリーに戻す

通常クルマはボディ1~2カ所から、バッテリーのマイナス端子にケーブルが接続されている。電装品やエンジンなど、各パーツはボディにアースケーブルをつなげている。いわばボディ自体が大きなアースケーブルになっていて、最終的にボディからまたバッテリーにアースケーブルでまた電気を戻しているわけである。

チューニングのアーシングは、このボディを介して戻している電気を直接戻そうというもの。エンジンから直接バッテリーにケーブルを引いたり、ボディの違う場所からもバッテリーに直接ケーブルを引くのだ。

効果としては、簡単に言うと電気系統が元気になる。エンジンを掛けるセルモーターのまわりが速くなる。ヘッドライトが明るくなる。パワーアップする。燃費アップする。オーディオの音が良くなる。などが言われている。

◆一定の効果はある可能性があるが、、、
燃費向上にまで効果があるかは微妙

実際にやってみた。テスト車両はスズキ『スイフトスポーツ』(ZC33S)。エンジンのバッテリーから遠い側や、ヘッド周り、ボディの反対側からなど5カ所ほどからアーシングケーブルを引っ張ってきてバッテリーのマイナス端子へ接続してみた。

街乗りから、高速道路まで同じコースで有無を比較。フィーリングと燃費を計測したが、効果は感じられなかったし、燃費もほとんど変わらなかった。

理論的にはおかしくないし、効果がある可能性はある。しかし、自動車メーカーとて効率よく電気を戻すことで出力アップするのは百も承知のこと。純正で十分な効果があることを確認して設計しているので、追加でアーシングをしても効果が現れなかったと考えられる。

◆しかし、旧車には効果を発揮する
可能性が極めて高い!!

テスト車が現行車だったので効果がわからなかった可能性は高い。逆に言えば、旧車には効果がある可能性がある。それは旧車はそもそもあちこちの電気的な接続が劣化している可能性が極めて高いからだ。

旧車では製造から30年や35年経ていることは普通。ちなみにトヨタ「AE86」で35~39年経過。マツダ『NAロードスター』でも24~33年。日産『シルビア』は「S13」で29~34年。「S15」でも20~23年も経っている。

その間、ずっと電気が流れたケーブルはそれ自体が劣化している。接続端子部分は酸化して、こちらも電気が流れにくくなっている可能性が高い。ボディとの接続部には錆が出てしまっていることもあり、そんな状態ではきちんと電気が流れるわけもない。

なので、旧車にはアーシングの効果がある可能性が高い。しかし、アーシングチューンの前に、そもそも純正のアーシング部分のメンテナンスが先決である。接点を磨くとか、ケーブル自体を一新することで正しい電気の流れを取り戻したほうがいい。

その上で純正アーシングケーブルを新品にするとか、純正と同じ箇所にアースケーブルを増設するという対策は有効であると思われる。

◆エラーや不具合が起きる可能性や
発火につながることもある

気をつけたいのは最新車では良かれと思ったアーシングで、不具合が起きる可能性もあること。現代のクルマは車両全体で電気的なバランスなども含めてコントロールされている。そこでアーシングによって不具合が起こる可能性も否定できないのだ。

実際、クルマによっては室内灯やスモールランプをLEDバルブに変えるだけで不具合が起こることもある。それほどまでに電気にはシビアなだけにアーシングによってなにか起きる可能性もある。また、エンジンルームのエキマニの上などをアーシングケーブルが通ると、場合によっては溶けてしまったり、そこから発火につながる恐れもある。

とはいえ、電気がしっかりと戻らないと本来のパフォーマンスを発揮できないのも事実。新車では必要ないかもしれないが、製造から10年以上を経たクルマでは、まず純正のアーシングケーブルが劣化していなくて、接点も綺麗な状態でボディを接続されているかを確認。汚れてきていたらそれらの清掃などのメンテナンスが先決。その先に追加アーシングの施工も検討するようにしたい。

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《加茂新》

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