EVレース界へ新たな挑戦! レイズ ボルクレーシングNE24を実戦投入 | Push on! Mycar-life

EVレース界へ新たな挑戦! レイズ ボルクレーシングNE24を実戦投入

EVをはじめとした次世代車に最適なホイールとはなにかを探るためにレイズが始めたEVレースへのホイール装着。年間シリーズを戦う中でさまざまな情報を得る予定。第1戦となる筑波サーキットでテストプロジェクトのスタートを見届けてきた。

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EVレース界へ新たな挑戦!レイズ ボルクレーシングNE24を実戦投入
  • EVレース界へ新たな挑戦!レイズ ボルクレーシングNE24を実戦投入
  • 飯田章選手が監督を務める『トーヨーシステムTAISANアキラR』に「ボルクレーシングNE24」が採用された
  • NE24はヘビーウエイトかつ高出力なEVマシンに対しても、高い剛性感とドライバーに的確なインフォメーションを伝える
  • EVレース界へ新たな挑戦!レイズ ボルクレーシングNE24を実戦投入
  • ドライバーを務めるのは、KYOJO CUPやスーパー耐久などでも実績がある翁長実希さん
  • ドライバーを務める翁長実希さん
  • EVレース界へ新たな挑戦!レイズ ボルクレーシングNE24を実戦投入
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EVをはじめとした次世代車に最適なホイールとはなにかを探るために、レイズが始めたEVレースへのホイール装着。年間シリーズを戦う中でさまざまな情報を得る予定。第1戦となる筑波サーキットでテストプロジェクトのスタートを見届けてきた。

次世代車両へのホイール開発のヒントをEVレースの現場で学ぶことが始まった

モータースポーツとホイールは切っても切れない関係にある。リアルレーシングの現場で鍛えられた技術が次世代のスポーツホイールを生み出す源泉になることも多いのだ。レイズのボルクレーシングもレースシーンで鍛えられた代表的なブランド。数々のレーシングチームへの供給などで名高いのはご存じの通り。

そんなレイズが新しい試みとして、EVレースでのスポーツホイールの可能性を探っている。従来のガソリンエンジンのレーシングカーと比較して、ホイールに求められる性能は異なるのか/ 実際のレースの現場でEVを操作するドライバーはどのように感じているのか、などEVレースの現場からのフィードバックを集めて、次世代開発へ役立てようというプロジェクトが進行中だ。一般道でもEVの比率は急速に高まりつつあるが、EVに最適なホイールとは何か? そんな次世代車両とホイールの関係を探る取り組みが始まった。

その一環として年間7戦で争われる「2022 ALL JAPAN EV-GP SERIES」に参戦するトーヨーシステムTAISANアキラRボルクレーシング(車両:テスラ・モデル3)の新世代モデルである「NE24」を装着して参戦しているのだ。第1戦となる筑波ラウンドが4月23日に開催されたので、EVレースに必要なホイールのパフォーマンスについて手がかりになるポイントを探しに取材に出かけた。

当日はレイズからはボルクレーシングの企画開発部長である山口さん、さらにはレイズのモータースポーツ担当登さんが来て充実のサポート体制を取っていたのも印象的だった。それほどレイズにとってはEVレースにおけるホイールの重要性を感じていると言うことなのだろう。

新進気鋭の女性ドライバーがEVを駆り、ヘビーウエイトのEVをどのように乗りこなす?

今回のマシンをドライブするのは女性ドライバーの翁長実希さん。KYOJO CUPやスーパー耐久などでも実績のある現在売り出し中の若手女性ドライバーで、今回はスポットで同マシンのドライブを託された。EVレースは初めてというが様々な車種をドライブした経験もあり、ガソリンエンジンマシンとの違いをリポートしてもらうにも適したドライバーとなった。

予選は午前中に15分間実施された。EVの基本的な走り、テスラ・モデル3のフィーリングなどを確かめつつアタック&クールダウンを繰り返して上位グリッドの機会をうかがう翁長さん。様々な環境に慣れはじめ、ペースが上がってきたところで予選時間が終了。5番グリッドをゲットし、決勝へ向けて期待を残す結果となった。

予選後に早速、ボルクレーシング「NE24」のフィーリングについてインタビューを実施した。

「車体の重さに対してブレーキが若干弱く感じました。初期で強く制動すると車体姿勢が戻りにくく、スムーズなブレーキングが要求されたのが印象的でした。タイヤ&ホイールのフィーリングは概ね良くて、路面への食いつきが良いイメージです。激しいドライビングをしても足回りは至ってスムーズに動いている感覚。これを使いこなせればEVはパワーがあってすごく楽しい乗り物ですね!」

テスラ モデル3は車重が1,750kg程度もありレーシングマシンとしてはかなりヘビーウェイトとなる。しかしモーターによる高い駆動力、トルクを備えているので、走りでは高いポテンシャルを発揮する。実際に加速G、減速Gは軽量マシンよりも大きいといえるだろう。それだけにホイールの剛性は非常に大切になる。

そこで今回フィッティングされたボルクレーシング「NE24」の登場となるわけだ。アクセルオン/アクセルオフの時に影響を受けやすい前後方向のストレスで、ホイールが変形することを最小限に抑えるのがEVでは特に重視される。ホイールが変形することでタイヤが撓み、ドライバーに悪いインフォメーションを与えることは避けなければならない。

そのための剛性アップを施しているのが「NE24」のひとつの特徴だ。外見から分かるポイントとしては「NE24」リム外周部に幅を持たせたデザインが施されているのが分かる。この緻密な設計のリム構造がタイヤの保持、縦方向の剛性に大きく寄与する部分でもある。

レイズの開発陣が想定したEVの動きに加えて、今回のレースで翁長さんが感じたフィーリングなどを勘案し、次の開発にフィードバックが始まるスタート地点となった今回のレース。予選後にはドライバーの翁長さんとレイズの面々とがレーシングスピードで走るからこそ分かるさまざまな情報交換を実施。かなり突っ込んだ話も走行後に出てくるなど、開発のヒントをいくつも掴んだようだった。

EVレースならではの充電時間を経て、マシンの環境にも慣れ見どころ十分の決勝となる

さて、EVレースのリポートに戻ろう。予選が実施されたのは11:00~11:15、しかし決勝レースが実施されるのは16:05~というタイムスケジュールになっている。ガソリン車のレースではあまり見られないスケジュールの意味は“充電時間”があるためだ。

当日、筑波サーキットには移動式急速充電器である「JEVRA EV PORTABLE QC SERIES (定格出力50kWのモデル) 」が持ち込まれ、駐車スペースを使って急速充電エリアが設置された。予選を走ったクルマはここで決勝に向けた充電を行うシステムだ。テスラ・モデル3は75kWのバッテリー容量を持つため、今回の充電器を使うと理論上は1.5時間で満充電になる計算。この充電器が興味深いのはその名の通りポータブルであるため、持ち運びが可能で設置場所を選ばないこと。サーキットへの持ち込みに加えて今後は自動車整備工場やマンションの駐車場などへの設置が期待されているモデルだ。

こうして16:05までにはすべての準備が整い決勝がスタート。レースは筑波サーキット・コース2000を27周(55km)走って争われる。5番手でスタートした翁長さん、予選で車両のフィーリング&サーキットにも慣れてきたこともありジリジリと前車との間隔を詰めていく。

しかし決勝の27周は、常に全開走行というわけでは無いのがEVレースの難しいところ。バッテリー残量のコントロールに加えて、発熱を冷ますといったマネジメントを行いながらのレ-スとなるのが特徴(決勝を終えてピットに戻ると、バッテリーがピタリとエンプティになるという職人技のようなマネジメントが勝つための要素のひとつだ)。そしてラストラップには4位の車両を射程圏に捉えて、クライマックスを迎える。惜しくもオーバーテイクはかなわなかったが、盛り上がりを演出した魅せるレースとなった。

ボルクレーシングの進化は止まらない―次世代EV対応のモデルにも期待大

ボルクレーシング「NE24」のポテンシャルの高さを知った今回のEVレース、しかし次世代車両とのマッチングを考えた上で、レイズでのテスト&新規開発はまだまだ続いていく。今回取材した「NE24」を装着したトーヨーシステムTAISANアキラRの「2022 ALL JAPAN EV-GP SERIES」への参戦は、シーズン最終戦となる10月16日の第7戦(モビリティリゾートもてぎ)まで続く。

シーズンを通してEVレースに似つかわしいホイール性能について分析が進むことが期待されている。一般道を走るEVをはじめとした次世代車両が急速にその数を増やしている昨今、EVレースからのフィードバックから新たなレイズの市販モデルが生まれることを強く期待したい。

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<撮影協力:TEAM TAISAN / トーヨーシステムTAISANアキラR>

《土田康弘》

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