引っ張りタイヤがイケていたのはもう過去!?タイヤと適正ホイールリム幅を見直す~カスタムHOW TO~ | Push on! Mycar-life

引っ張りタイヤがイケていたのはもう過去!?タイヤと適正ホイールリム幅を見直す~カスタムHOW TO~

タイヤの幅には適正なリム幅があり、リム幅には適正なタイヤ幅がある。

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引っ張りタイヤがイケていたのはもう過去!?タイヤと適正ホイールリム幅を見直す~カスタムHOW TO~
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タイヤの幅には適正なリム幅があり、リム幅には適正なタイヤ幅がある。走り派に定番だったタイヤ幅よりもワイドリムを組み合わせる引っ張りタイヤとは!?

たとえば、215/45R17サイズのタイヤなら適正リム幅は7.0J。7.5Jや8.0Jのリム幅のホイールと組み合わせることを「引っ張っている」という。スポーツ走行派ではリム幅は広めのホイールに、ちょっと幅狭めのタイヤを組み合わせるのが定番。適正リム幅が7Jのところに7.5Jや8Jにするなど、ちょっと欲張ったリム幅を選ぶことが多かった。

また、旧車ではワタナベやハヤシレーシングのホイールに、幅の狭いタイヤを組み合わせて「引っ張り」まくるのが定番。これは当時のスタイルを再現している意味もある。すなわち、70~80年代は引っ張りタイヤが普通だったのである。いわゆる「引っ張りタイヤ」と言われたそれの目的は、

1:タイヤの剛性を上げたい
タイヤのショルダー(サイドウォール)が垂直から、接地面に対して逆ハの字のなることで剛性感が上がることにある。タイヤが左右にヨレにくくなることで、ステアリング操作に対するレスポンスがよくなり、シャープなハンドリングになる。

2:フェンダーとタイヤの干渉を防ぐ
引っ張ることで、ショルダー部が斜めになることで、フェンダーと干渉しにくくなる。走りは置いておいて、とにかくツライチでフェンダーとタイヤのクリアランスをギリギリまで削りたいスタイル派にとっては、いかにタイヤとフェンダーが干渉しないようにするかが重要。そこで幅の狭いタイヤにすることで干渉しやすいショルダーがリムの内側に引っ張られ、干渉を防ぐことができるのだ。

こうした理由からスタイル重視派も走り派にも、引っ張りタイヤが愛されてきた。しかし、走りの性能を求めるなら引っ張りタイヤはもう古い常識になってしまった。

今は「引っ張り」にしてはいけない理由

現代のスポーツラジアルはいずれも高い剛性を持つ。クルマは年々重くなり、ハイパワー化している。その重量と荷重を支えるために、タイヤのサイドウォールは新しいタイヤほど強化されている。サイドウォール内部には金属製の構造物などが入れられていて、空気と同時に車重を支える役割を持つ。このサイドウォールの剛性が足りないから、昔はタイヤを「引っ張って」いたわけだが、現代ではタイヤの剛性が高いので必要なくなったテクニックなのだ。

とくに最近は回転方向ではなく、IN/OUT側の指定をしたスポーツラジアルタイヤが増えている。これはIN側、OUT側それぞれのサイドウォールの剛性を変えているということでもある。常に潰れるIN側と、荷重がかかったコーナリング時にメインに潰れるOUT側でサイドウォールの剛性を最適化させて、理想的なハンドリングや接地面積を確保しようとしている。そこまで綿密に設計した結果IN/OUT側の剛性を変えているので、それをむやみに引っ張ってしまっては、正しい性能が発揮できないのだ。

メーカーによっては、ショルダーの断面形状もIN/OUT側で設計を変えていて、キャンバー角を付けなくても、タイヤ側ですでにキャンバー角があるような形状になっているものもある。そこまで計算されている。なので、現代では引っ張りタイヤは望ましくない。IN/OUT側の指定の無いタイヤでも、適正リム幅のときに剛性とクルマとのバランスが考慮されて最適化されているので、引っ張ってしまうとむしろトレッド面が動かなくなってしまい、パフォーマンスが低下してしまう。走行性能だけ考えれば、適正リム幅がベストなのだ。

それでも引っ張るなら空気圧チェックはこまめに!!

それでもギリギリサイズを履きたいから、引っ張っておきたいというのならそれもアリ。その代わりに気をつけたいのは空気圧。引っ張り度合いが大きくなるほどに、空気が少ないとリム落ちしてしまう危険性が高い。ある程度、たとえば車両にもよるが、2.5kg/cm2を超えるくらいは常に空気を入れておくようにしたい。旧車系でめちゃくちゃに引っ張る場合は3.5kg/cm2以上も入れていることもあるというが、そうなると今度はタイヤの動きがピーキーになってくるので注意が必要だ。

《加茂 新》

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