ホイールは軽さが命!?軽さだけじゃないこれだけの理由~カスタムHOW TO~ | Push on! Mycar-life

ホイールは軽さが命!?軽さだけじゃないこれだけの理由~カスタムHOW TO~

アルミホイールの性能と言えば、バネ下重量の軽さ。サスペンションのスプリングより下の部分の軽さは、運動性能の向上に直結する。しかし、ホイールは軽さだけではない硬さや強さ、いろいろな性能が要求されている。

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アルミホイールの性能と言えば、バネ下重量の軽さ。サスペンションのスプリングより下の部分の軽さは、運動性能の向上に直結する。しかし、ホイールは軽さだけではない硬さや強さ、いろいろな性能が要求されている。

アルミホイールのメリットと言えば軽さ。軽量なホイールはバネ下重量の低下により、サスペンションの動きが良くなり、路面追従性が良くなる。また、軽くなると回転慣性が減るので、ブレーキは効きやすく、加速時は瞬時に前に進むようになる。基本的に良いことばかりが起きるのが軽量ホイールである。逆に重さが生きることもなくはない。欧州車の純正ホイールが重いと言われるが、ある程度重さがあったほうが直進安定性がよくなったり、高速巡航には向くようになると言われる。しかし、日本における使い方では、よほど高速道路移動が多くない限り、軽量ホイールの方が燃費にもハンドリングにも効果的だろう。

だが、軽さだけではなく重視したいこともある。それが剛性である。ホイールはインセットが0だと、リム幅の中心に取り付け面が来て、断面で言うと「エ」の字になる。ところが、現代のクルマは少しでもサスペンションアームを長くして、ジオメトリーの安定化を狙うため、インセットが40や50は当たり前になっている。そうなるとホイールの断面は「エ」の字ではなく、「コ」の字になる。コの字の左側がクルマの内側である。そうなると、インナーリムはホイールディスクから遠くなり、歪みやすくなるのだ。

いくらスポークが強くても、このインナーリムが歪んでいてはハンドリングが曖昧になってしまう。なんとなくフラフラしたり、ステアリングを切る量がビシッと決まらず、いつも修正舵を必要とされるクルマはホイールが原因のこともある。とくに重量のあるクルマや、キャンバー角を多めにつけている場合も、インナーリムに負荷が掛かりやすい。高い剛性が必要となるのだ。

かといって硬いだけではダメなのもホイール

ならば、ガッチガチの剛性にしてやる!というものダメなのがホイールの難しいところ。インナーリムもアウターリムも、ホイール全体がガッチガチの歪みやひずみが一切ない強さを持つと、今度は路面からの衝撃を吸収できなくなってしまう。路面からの入力をタイヤだけで受け止めると、タイヤには過度に負荷が掛かってしまう。減りやすくもなるし、タイヤだけでは吸収できず、低い次元でグリップを失うこともある。

理想はタイヤと同じようにホイールもわずかに振動や衝撃を吸収し、タイヤを優しく路面に沿わせてくれること。しかし、荷重が掛かったときのインナーリムは歪んでほしくない。強いけど、硬いだけじゃない。強さとしなやかさを併せ持って、さらに軽いほうがいいというのがホイールに求められる性能なのである。

もちろんホイールメーカーでは、それらの性能をバランスさせて設計されている。スポーツホイールではいくつかのモデルがあり、デザイン的な差もあるが、性能的に異なるキャラクターを与えられている場合がある。軽さ重視のモデルもあれば、剛性重視でやや重めだったりするのだ。

ちなみにレースの世界ではさまざまなルールがあるが、そういったものがない場合にはいくつのかのホイールが用意されることがあるという。

たとえば、予選用にはやや硬めのホイール。タイヤへの負担は大きいがハンドリングレスポンスに優れるのと、タイヤへの負担が大きい=タイヤが温まりやすいことでもあるため硬めを選ぶ。エンジンがヒートする前に、素早くタイヤを温めてアタックに移れるからだ。

レース用ではやや柔らかめのホイールを選び、タイヤを優しく路面に押し付けることで、タイヤの持ちを良くする。タイヤが長く持てばハイペースを保てるし、ピットに入るタイミングをアジャストできるので、作戦にフレキシブルさが生まれる。レースを強く戦えるのである。

このようにホイールの性能は軽さだけではない、軽いほうがメリットも大きいが、それ以上に強さや硬さも大切な要素である。それらはモデルごとに異なるコンセプトで設計されているので、自分がどんな使い方して、どんな性能が欲しいのか、見極めた上でのホイール選びも楽しみのひとつである。

《加茂 新》

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