「外部パワーアンプ」の導入は、“ハイエンド・システム”構築の第一歩!? 魅惑の「ハイエンド・カーオーディオ」への誘い 第4回 | Push on! Mycar-life

「外部パワーアンプ」の導入は、“ハイエンド・システム”構築の第一歩!? 魅惑の「ハイエンド・カーオーディオ」への誘い 第4回

カーオーディオをライトに楽しんでいるドライバーは多いが、その一方でとことん理想のサウンドを追求している愛好家も多くいる。さて、そのような方法論を実践することで得られる醍醐味とは…。今回は、「ハイエンド・外部パワーアンプ」を使う楽しさについて考えていく。

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「超ハイエンド外部パワーアンプ」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。
  • 「超ハイエンド外部パワーアンプ」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。
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  • 超ハイエンド外部パワーアンプの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・デシデリオ)。
  • 超ハイエンド外部パワーアンプの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・デシデリオ)。

カーオーディオをライトに楽しんでいるドライバーは多いが、その一方でとことん理想のサウンドを追求している愛好家も多くいる。さて、そのような方法論を実践することで得られる醍醐味とは…。今回は、「ハイエンド・外部パワーアンプ」を使う楽しさについて考えていく。

「外部パワーアンプ」を用いる理由とは?

ところで、「外部パワーアンプ」は必ずしも用意すべきものではない。なぜなら、純正・市販を問わずカーオーディオ・メインユニットにはパワーアンプも内蔵されているからだ。つまり、別に「外部パワーアンプ」を用意しなくても音を出せる。

さらにいうと、「外部パワーアンプ」はそもそも後付けすることが想定されてはいない。なので多くの純正メインユニットには「外部パワーアンプ」を接続するための「外部音声出力端子」が備わっておらず、「外部パワーアンプ」を取り付けるためのスペースも確保されてはいない。

しかし、より良い音で音楽を聴きたいと思ったときには、「外部パワーアンプ」は頼りになる。使用しているメインユニットが「ハイエンド機」であれば話は変わるが、一般点なメインユニットを使っている場合には、「外部パワーアンプ」を導入することでサウンドクオリティをグッと引き上げられるのだ。

その理由は至って単純明快だ。「メインユニットの内蔵パワーアンプには多くを望めないから」だ。というのも、メインユニットに内蔵されている「パワーアンプ」は、コスト的にも大きさ的にも制約の中で作られている。例えば、10万円のAV一体型ナビがあったとして、その10万円分のコストの多くは他のメカに食われてしまう。ナビゲーション、地デジチューナー、ディスプレイ、CD/DVDメカ、さらにはBluetoothユニットや信号制御のためのメカまでさまざまな機器が内包されているので、「パワーアンプ」にはそれほど多くのコストを注げない。さらにはそのボディの中で、「パワーアンプ」に割けるスペースにも限りがある。なので「内蔵パワーアンプ」は性能的な限界点が低い。

対して「外部パワーアンプ」は、コスト的にもスペース的にも制約がない。ゆえに、導入のハードルは高いけれどもそのハードルを乗り越えてシステムにこれを組み込むと、「内蔵パワーアンプ」と比べて別次元のサウンドを得られる。つまり、「外部パワーアンプ」を導入すること自体がすなわち、「ハイエンド」的なアプローチと言って良い。

「超ハイエンド外部パワーアンプ」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。「超ハイエンド外部パワーアンプ」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。

「外部パワーアンプ」は、エントリー機と上級機との価格差がとても大きい。その理由とは?

なおひと口に「外部パワーアンプ」といいつつも、エントリー機から超上級機までさまざまなモデルがある。スタンダードな4chタイプの「外部パワーアンプ」でいうと、例えばカロッツェリアのラインナップ中には『GM-D1400ll』というエントリー機があり、当機の税抜価格は1万6000円だ。しかし高級なモデルともなると100万円に迫るものや、軽々と100万円を超えるモデルまである。

なぜにここまで差が開くのかというと、理由はズバリ「使用パーツと部材のクオリティの差」だ。「外部パワーアンプ」は構造的にはどのモデルも大きな違いはない。動作方式にはタイプ違いがあるものの、そのパターンはカーオーディオ用の「外部パワーアンプ」では大きく3タイプしかなく、どのモデルもそれぞれの基本パターンに従って設計、完成されている。というわけなので、違いが生まれるのは「使用パーツと部材の質」、ここによる部分がかなり大きくなってくる。

ところでパーツにもピンからキリまでさまざまある。ゆえにその気になるととてつもなくゴージャスなモデルが生まれることとなる。

また、筐体や端子類といったメカではない部分にもいくらでもコストをかけられる。例えば端子類に金メッキが使われたり、ボディにマグネシウムがおごられたりもする。そしてそうすることで着実に高音質化が果たされる。そういった細かなことが、音に効いてくるのだ。

超ハイエンド外部パワーアンプの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・デシデリオ)。超ハイエンド外部パワーアンプの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・デシデリオ)。

超高級機は、楽曲の世界に引き込む力が強力!

続いては、「超ハイエンド外部パワーアンプ」にはどのようなものがあるのかを紹介しよう。名機と呼ぶに相応しいモデルがいくつかあるが、イタリアのハイエンドブランド、“シンフォニ/クワトロリゴ”のトップエンドモデルである『デシデリオ』は特に図抜けた存在だ。その税抜価格はなんと、200万円。しかも当機は2chモデルだ。もしもフロント2ウェイスピーカーをマルチアンプ駆動しようと思ったらこれが2台必要となるわけで、それだけで400万円もの予算が必要となる。

なお写真を見ていただくと、ボディのトッププレートに、金属製の板のようなパーツが何枚も装着されているのが見て取れると思う。これはいわゆる「ヒートシンク」と呼ばれているパーツで、放熱を促すためのものだ。これが必要となる理由は以下のとおりだ。

「パワーアンプ」は基本的に、音楽信号を増幅する際にある程度は必ず発熱する。使用する電力が少なからず熱に変わってしまうからだ。で、その熱を逃がすための仕組みを持たせることが必要となる。その役目を負うのが「ヒートシンク」だ。

で、超高級モデルになると、この部分にも多くのコストがかけられる。素材の量にこだわって、音に良くない影響を与えかねない熱を逃がすところにも徹底的に気を遣う。結果この『デシデリオ』のように、見た目からして通常のモデルとは格別な雰囲気が漂うこととなるのだ。

さて、このように贅が尽くされたモデルではどのような音が聴こえてくるのかと言うと…。

ちなみにハイグレードな「外部パワーアンプ」で音楽を聴くと、情報量が多く、ノイズ感が少なくクリアで、高解像度なサウンドを楽しめる。しかし超高級機ともなるとそういったスペック的な良さを感じられるのはもちろんなのだが、それ以上に楽曲の世界に引き込む力が強くなる。感動力や説得力が強く、楽しい曲ではことさら楽しく、切ない曲では極めて切なく、聴く人の心を揺さぶってくる。

この『デシデリオ』のような超高級機は誰しもが手にできるものではないが、エントリー機よりはミドルグレード機、ミドルグレード機よりはハイエンド機と、クラスを上げていくと得られる満足度が上がっていくことも確かだ。可能な範囲の中でワンランク上のモデルを選ぶと、音楽を聴く楽しさも深まる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回も「ハイエンド」の魅力についての解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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