トランクにあるサブウーファーの音が目の前から聴こえてくる!? 「サブウーファー」、導入のススメ 第7回 「チューニング術」 | Push on! Mycar-life

トランクにあるサブウーファーの音が目の前から聴こえてくる!? 「サブウーファー」、導入のススメ 第7回 「チューニング術」

ドアに装着できるスピーカーは口径的にもコンディション的にも重低音の再生が難しい。ゆえにカーオーディオでは重低音が不足しがちだ。しかし「サブウーファー」を導入すれば話が変わる。というわけで当特集では、この選び方から使い方までを多角的に解説している。

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「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • ユニットサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-W252PRS)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。

ドアに装着できるスピーカーは口径的にもコンディション的にも重低音の再生が難しい。ゆえにカーオーディオでは重低音が不足しがちだ。しかし「サブウーファー」を導入すれば話が変わる。というわけで当特集では、この選び方から使い方までを多角的に解説している。

まずは「ゲイン調整」を正しく行うべき。これがダメだと重低音が歪んでしまう…。

今回は、「チューニング術」を紹介する。

なお、「サブウーファー」を導入したとしてその楽しみ方はさまざまある。ステレオイメージの再現性にこだわるアプローチもあれば迫力を楽しみ尽くそうとするやり方もある。今回は前者においての「チューニング術」を紹介していく。

ちなみに、「サブウーファー」は小型・薄型モデルの場合はシート下に、それ以外はトランクに置かれることが多い。しかしその重低音がフロントスピーカーが奏でる音と上手く繋がる(一体化する)と、なんとその重低音も目の前から聴こえてくる。で、このような聴こえ方のことは「低音の前方定位」と呼ばれている。ステレオイメージの再現性にこだわろうとする場合には、このような鳴り方が目指される。

さて、これを実現させるにはどのようにすれば良いのかと言うと…。

まずは、パワードサブウーファーあるいはサブウーファーを鳴らすためのパワーアンプの「ゲイン調整」が重要となる。ゲインとは、入力ボリュームのことを指す。これが大きすぎると、「サブウーファー」の音量を上げたときに重低音が歪んでしまう。そうなったら元も子もない。

この調整はカーオーディオ・プロショップに任せた方が確実だが、やり方は概ね以下のとおりだ(プロショップではこのように行わず、測定器等を使ってより厳密に設定することも多い)。まずはメインユニットの音量をいつも聴いている大きさに合わせる。そしてパワードサブウーファーならリモコンの音量を、それ以外の場合はメインユニットのサブウーファーボリューム(その装備がある場合)も上げておく。その状態でゲインをミニマムから徐々に上げていき、音が歪む直前で止める。こうすればサブウーファーのボリュームを上げたときでも重低音が歪まない。

ユニットサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-W252PRS)。ユニットサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-W252PRS)。

「低音の前方定位」を実現させるには、ある程度のチューニング機能の搭載が不可欠?

で、この調整が済んだら次の段階に進むのだが、今回はこれ以降の調整はメインユニットに「サブウーファー出力」という機能が搭載されていること、または何らかのプロセッサーが導入されていることを前提として話を進めていく。というのも、「低音の前方定位」を確実に実現させるには、ある程度のサウンドチューニング機能が搭載されている方がやりやすい。なのでもしも愛用のメインユニットに当機能が搭載されていなければ、プロセッサーの導入の検討をしてほしい。

なお、以降の設定もプロに任せることをお薦めしたい。そうすればより良好に「低音の前方定位」を実現できる。

では、調整方法を解説していこう。まずは愛用のメインユニットに「タイムアライメント」機能も搭載されている場合にはそれから設定する。この基本設定法はそれほど難しくはない。リスニングポジションを取ったときの耳の位置からサブウーファーまでの距離を測定し、その実測値を入力すればOKだ。ただし重低音が何かを回り込んで聴こえてくる場合には、その通り道の距離を測ることをお忘れなきように。障害物があるのにそれを透過しての直線距離を入力するのはNGだ。

続いては「クロスオーバー」を設定する。これはつまり、ドアスピーカーとサブウーファー間での再生音の担当範囲を決める機能だ。当機能があるかないかの違いはとても大きい。その理由は以下のとおりだ。

もしも担当範囲を分けないと、サブウーファーの再生帯域の音がサブウーファーとミッドウーファーの両方から聴こえてくる。「クロスオーバー」をかけても担当範囲の境目周辺の帯域の音はある程度は両方から聴こえてくるが、「クロスオーバー」を効かせていない場合にはモロに音がダブる。そうであるとフロントスピーカーの音とサブウーファーの音が上手く一体化しにくくなるのだ。

「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。「ユニットサブウーファー」がシステムに組み込まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。

「クロスオーバー」と「位相切り替え」を、セットで設定!

なお、ドアスピーカーとサブウーファーとの役割分担の境目は、60Hzくらいから80Hzくらいの間で設定されることが多い。このあたりは好みや、使っているフロントスピーカーやサブウーファーの特長によっても変わってくる。なおミッドウーファーが低音再生を得意としていてかつドア内部のデッドニングがしっかり行われている場合には、境目は低めに設定されることが多い。

続いては、ミッドウーファーの境目よりも下の音、そしてサブウーファーの境目よりも上の音の「減衰率(スロープ)」をそれぞれ決定する。ただし「クロスオーバー機能」がシンプル化されている場合には、この値は固定されていて選択できないこともある。

その後には、「位相切り替え」を設定する。これは「正・逆」のいずれかを選べるようになっているので、音楽をかけながら音にエネルギー感がより強く表れている方を選択する。なお「正・逆」を切り替えても聴こえ方があまり変わらない場合には、「スロープ」を変更してみよう。その上でもう一度試すと「正・逆」を切り替えたときの変化幅が大きくなることがあるので、そうであれば「スロープ」はそれに決定した上でよりエネルギー感が強い方を選択する。

そうしたらあとはボリューム(レベル)を整えれば調整を完了できる。ポイントとなるのはサブウーファーの音量だ。サブウーファーから音が聴こえてくるのはNGだ。そうならならぎりぎりのところまで下げるのがコツとなる。

かくしてこれらの調整が上手くいくと、「低音の前方定位」が成し遂げられる。

今回は以上だ。次回はサブウーファーの設置の仕方に関する解説をお届けする予定だ。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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