「単体DSP」なら“超高音質システム”を組める!? 「外部パワーアンプ」、貴方ならどう使う? Part5 本格マルチアンプシステム | Push on! Mycar-life

「単体DSP」なら“超高音質システム”を組める!? 「外部パワーアンプ」、貴方ならどう使う? Part5 本格マルチアンプシステム

もしも「スピーカー交換」を実行したら、次は「外部パワーアンプ」の導入を検討しよう。そうすることで、システムのポテンシャルをもうワンランク高められる。当特集では、その理由から実践方法までを詳細に解説している。

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「単体DSP」の搭載例(製作ショップ:AVカンサイ宝塚店)。
  • 「単体DSP」の搭載例(製作ショップ:AVカンサイ宝塚店)。
  • 「単体DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 「単体DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 「単体DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 「単体DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 『フォーカル・FSP-8』のサウンドチューニング画面。
  • 『フォーカル・FSP-8』のサウンドチューニング画面。
  • 『フォーカル・FSP-8』のサウンドチューニング画面。

もしも「スピーカー交換」を実行したら、次は「外部パワーアンプ」の導入を検討しよう。そうすることで、システムのポテンシャルをもうワンランク高められる。当特集では、その理由から実践方法までを詳細に解説している。

「単体DSP」は、とことん高音質を追求したいときの最終兵器!?

今回は、「単体DSP」を核にした「外部パワーアンプシステム」の構築法を解説していく。ちなみに前回は、高性能なメインユニットを組み合わせることで可能となる「マルチアンプシステム」(パワーアンプの1chずつを各スピーカーユニットに割り当てるシステム)の構築法を紹介したが、「単体DSP」を用いるとさらにハイレベルな「マルチアンプシステム」を組める。その利点と運用法を説明していく。

まずは「単体DSP」とは何なのかを解説していこう。「単体DSP」とはその名のとおり、「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」機能のみが搭載されたユニットだ。つまり、「信号制御を行うことだけに特化したユニット」というわけだ。

ちなみに「単体DSP」は、世の中に登場した当初は「純正メインユニットを交換できないクルマのためのもの」という色彩が濃かった。というのも、システムを高度化させたいと思ったときには高性能な「メインユニット」に交換するのがその第一歩であったのだが、交換が難しい車種ではそれを実行に移せない。しかし「単体DSP」が登場したことにより、純正メインユニットを交換せずとも「マルチアンプシステム」の構築が可能となった。

しかし今では、“代用品”というイメージはない。むしろ、「とことん高音質を追求したいと思ったときの最終兵器」というような存在となっている。

そうなった理由は主には2つある。1つは「サウンドチューニング能力が高いから」だ。高性能な「メインユニット」にも優秀な「DSP」が搭載されているので、それにて「マルチアンプシステム」を構築でき、かつ緻密なサウンド制御を行える。しかし近年「単体DSP」は一層の高性能化が果たされていて、上級「メインユニット」を上回るサウンドチューニング能力が備わっている場合がほとんどだ。

「単体DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。「単体DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。

「単体DSP」には、より高度な「イコライザー」が搭載されている!?

チューニング機能がどのように高性能なのかというと、例えば「イコライザー」では以下のとおりだ。高度な「メインユニット」では現在、「左右/サブウーファー独立31バンドグラフィックイコライザー」がもっとも高性能な仕様であるが、対して昨今の「単体DSP」の多くは「ch独立31バンドパラメトリックイコライザー」である場合が多い。

前者はつまり、右ch、左ch、サブウーファーchのそれぞれを31バンドでコントロールできる。対して後者では、もしもフロント2ウェイ+サブウーファーというスピーカーレイアウトを敷いていた場合、左右のツイーター出力、左右のミッドウーファー出力、そしてサブウーファー出力、これら計5chでそれぞれ「31バンド」という細かさでチューニングを行える。つまり、フロントスピーカーについては「左右独立62バンド」仕様になっているというわけだ。

そしてさらには「パラメトリックタイプ」であると、調整する周波数ポイントと影響が及ぶ範囲を各バンドごとでそれぞれ任意に設定できる。結果、周波数特性の乱れに対して、よりピンポイントな補正をかけられる。

さらにその他の機能においても、「単体DSP」の方が調整幅が広かったり、より細かく数値設定を行えたりする場合が多い。

そして「とことん高音質を追求したいと思ったときの最終兵器」たり得ているもう1つのポイントは、「デジタル入力が備えられていること」だ。今や、ハイエンドカーオーディオ愛好家の間ではハイレゾ音源が楽しまれることが多くなっているが、ハイレゾ音源をより高音質に再生しようとすると、「DAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)」を使いたくなく。なぜなら「DAP」は高性能化が著しい。結果、カーオーディオシステムにおいてもこれは「ソースユニット」としてすこぶる高いポテンシャルを発揮する。で、デジタル入力端子を備えた「単体DSP」なら、これをシステムに組み込みやすくなる。

『フォーカル・FSP-8』のサウンドチューニング画面。『フォーカル・FSP-8』のサウンドチューニング画面。

「単体DSP」を核とする場合には、「外部パワーアンプ」選びにも目一杯こだわるベシ!

こうして、「単体DSP」を用いる場合にはとことん音にこだわれるようになるので、「外部パワーアンプ」選びにもこだわるべきだ。そしてここも楽しみどころの1つとなる。吟味に吟味が重ねられ、あれこれと悩みながら各人にとってのベストモデルが探される。

なお、「単体DSP」を核とするシステムを構築する際にも、何chモデルを使うかはチョイスにおいての1つのポイントとなる。「マルチアンプシステム」を組むことが大前提となるので、使用スピーカーがフロント2ウェイであった場合には「外部パワーアンプ」は4chを確保する必要がある。となると、高性能な「4chパワーアンプ」を1台用意してシステムを合理的に仕上げるという選択肢も取れるし、ハイグレードな「2chパワーアンプ」を2台用いるという選択肢も取れる。さらには「モノラルパワーアンプ」を4台使うという作戦も選べる。

また、サブウーファーも加åえて複数台の「外部パワーアンプ」を使う場合には、機種を揃えるか否かも吟味のしどころとなる。同一モデルを用いると音色の統一が図りやすくなる。逆に、ミッドウーファーにはより駆動力の高いモデルを、サブウーファーには専用モデルをというようにスピーカーごとでタイプの異なる機種を用いるという手もある。

ところで…。実を言うと最近は、手頃な「単体DSP」もさまざま登場している。そしてそういったタイプのモデルは小型化が果たされている場合も多い。なのでそのような「単体DSP」と超小型でリーズナブルな「外部パワーアンプ」とを組み合わせると、本格的なシステム作りをよりライトに楽しめる。このようなシステム構築法が存在することも、ぜひ覚えておいていただきたい。

今回は以上だ。次回以降も「外部パワーアンプ」の活用術を具体的に解説していく。乞うご期待。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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