「プロセッサー」活用学・入門 第6回 タイプ解説その3 「単体DSP」の利点とトレンドを解説! | Push on! Mycar-life

「プロセッサー」活用学・入門 第6回 タイプ解説その3 「単体DSP」の利点とトレンドを解説!

現代カーオーディオにおいての必需品となっている「プロセッサー」。当特集では、そうである理由から使い方、選び方までを多角的に解説している。現在は「タイプ解説」を行っている。その3回目となる当回では、「単体DSP」について深掘りしていく。

カーオーディオ 特集記事
「単体蔵DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 「単体蔵DSP」の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 「単体DSP」の搭載例(製作ショップ:AVカンサイ宝塚店<兵庫県>)。
  • 「単体蔵DSP」の一例(プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY DSP)。

現代カーオーディオにおいての必需品となっている「プロセッサー」。当特集では、そうである理由から使い方、選び方までを多角的に解説している。現在は「タイプ解説」を行っている。その3回目となる当回では、「単体DSP」について深掘りしていく。

「単体DSP」は、“音”にこだわりたいときの選択肢!

最初に、「単体DSP」とはどのようなものなのかを解説する。これまで、「プロセッサー」には3タイプがあると説明してきた。1つが「メインユニット内蔵タイプ」で2つ目が「パワーアンプ内蔵DSP」、そして3つ目がこの「単体DSP」だ。で、「単体DSP」はその名のとおり、「プロセッサー」機能のみが搭載されているユニットだ。なのでこれを用いてシステムを構築しようとするときには他に、ソースユニットとパワーアンプ、そしてスピーカーが必要になる。

ところで前回の記事の中で、「パワーアンプ内蔵DSP」は、純正メインユニットが交換できない車種にて使われることが多いと説明した。そしてこの「単体DSP」も、純正メインユニットが交換できない場合に使われることが想定されている。ゆえに「パワーアンプ内蔵DSP」と同じように、「ハイレベルインプット」を装備している。「プリアウト」を持たないメインユニットと組み合わせることが想定されていて、そのスピーカー出力を入力できるようになっているのだ。

しかし「単体DSP」は、「ナビが換えられないから」という理由で使われるケースはそれほど多くない。ナビが換えられるか換えられないかにかかわらず、「より良いシステムを作りたい」、そう思ったときに選ばれるものという色彩が濃い。

というのも、「単体DSP」を使う場合には外部パワーアンプも併せて用意しなくてはならないのだが、手軽にシステムを完成させたいと思うときにはそれがハードルとなるけれど、理想のサウンドを追求したいと考えるときにはそこのところはむしろストロングポイントとなる。自分好みの外部パワーアンプを使えるので、結果、こだわりのシステムを完成できる。

「単体DSP」の搭載例(製作ショップ:AVカンサイ宝塚店<兵庫県>)。「単体DSP」の搭載例(製作ショップ:AVカンサイ宝塚店<兵庫県>)。

「単体プロセッサー」では、より詳細なサウンドチューニングを実行できる!

ちなみに言うと、高度な「プロセッサー」が搭載されたメインユニットを導入していても敢えて「単体DSP」が用いられることもある。なぜなら「メインユニット内蔵タイプ」の「プロセッサー」よりも「単体DSP」の方がおしなべて高性能だからだ。

搭載されている機能の顔ぶれは基本的に同じなのだが、個々の機能の中身に少なからず違いがあるのだ。例えば「単体DSP」の「クロスオーバー」は、音楽信号を分割できる数が多い。なので、より複雑なスピーカーレイアウトであってもコントロールできる。

具体的に説明すると以下のとおりだ。「メインユニット内蔵タイプ」の「プロセッサー」では、フロント2ウェイ+サブウーファーというスピーカーレイアウトまでしか「マルチドライブ(1つのスピーカーにパワーアンプの1chずつをあてがう鳴らし方)」できないが、「単体DSP」ならフロント3ウェイ+サブウーファーまで、さらにはそれにリアスピーカーやセンタースピーカーまで含めて「マルチドライブ」させられる。

また「イコライザー」では次のような違いが現れる。「メインユニット内蔵タイプ」の「イコライザー」は、「左右独立」または「左右/サブウーファー独立31バンドグラフィックイコライザー」、これらがスタンダードだが、対して「単体DSP」では「ch独立31バンドパラメトリックイコライザー」である場合が多い。

なお「パラメトリックイコライザー」とは、調整する周波数と効果のおよぶ範囲を都度自分で決められるタイプの「イコライザー」だ。対して「グラフィックイコライザー」では、調整できる周波数も効果が及ぶ範囲もあらかじめ決められている。つまり「パラメトリックイコライザー」の方が調整の自由度が高い。そして多くの「単体DSP」は、各chごとで「31バンド」にわたりこれを操れる。より緻密なチューニングを行えるのだ。

「単体蔵DSP」の一例(プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY DSP)。「単体蔵DSP」の一例(プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY DSP)。

手軽に“本格”を楽しめる「単体DSP」も、続々登場!?

ところで「パワーアンプ内蔵DSP」も、チューニング能力的には「単体DSP」と同様に高性能である場合が多い。なので、より緻密なチューニングを行いたいと思ったときには「パワーアンプ内蔵DSP」も選択肢として浮上する。しかしこちらでは好みの「パワーアンプ」を選べない。よって、手軽に本格システムを組みたいときは「パワーアンプ内蔵DSP」が向いていて、とことん本格を極めたいときには「単体DSP」が向いている。「単体DSP」はとにもかくにも、上級者向きのアイテムなのだ。

ところが…。ここ数年は少々状況が変わりつつもある。「手軽に本格システムの構築を楽しむ」というコンセプトを持った「単体DSP」も登場してきたのだ。

つまり「単体DSP」というとイコール「ハイエンド機器」という傾向が強かったのだが、カジュアルな機種の登場も目立ってきた。そのようなモデルではコントロールできるch数が限定的であったり、多少機能が間引かれたりはするものの、しかしそのかわりにリーズナブルでしかも小型化が図られている場合が多く、インストールスペースと取り付け費用をコンパクト化しやすい。しかも外部パワーアンプにも超小型の優秀機が増えているので、それと組み合わせればかなりインストールスペースを小さくできる。そしてそうでありながらも、好みの外部パワーアンプを自由に選ぶ醍醐味はしっかり味わえる。結果、ライトに“本格”を楽しめる。

なおその一方で、ハイエンドモデルのさらなる“ハイエンド化”も進んでいる。超高性能(高額)な「単体DSP」の登場も目立ってきた。ハイエンド「単体DSP」も、一層の深化が進んでいるのだ。

今回は以上だ。次回も「プロセッサー」に関する解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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