今さら訊けない“カーオーディオ”の素朴な疑問 Part6「サブウーファー編」その3「パワードタイプってどうなの?」 | Push on! Mycar-life

今さら訊けない“カーオーディオ”の素朴な疑問 Part6「サブウーファー編」その3「パワードタイプってどうなの?」

カーオーディオに“分かりづらさ”を感じて今までこれを遠ざけてきたという方々に向けて、その“分かりづらさ”を解消していただくための解説をお贈りしている当特集。現在は「サブウーファー」をテーマに展開している。今回は、「パワードサブウーファー」に焦点を当てる。

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パワードサブウーファーの一例(ケンウッド・KSC-SW30)。
  • パワードサブウーファーの一例(ケンウッド・KSC-SW30)。
  • パワードサブウーファーの一例(DLS・ACW10)。
  • パワードサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-WX010A)。

カーオーディオに“分かりづらさ”を感じて今までこれを遠ざけてきたという方々に向けて、その“分かりづらさ”を解消していただくための解説をお贈りしている当特集。現在は「サブウーファー」をテーマに展開している。今回は、「パワードサブウーファー」に焦点を当てる。

「パワードサブウーファー」なら、低音増強を手軽に行える!

低音を増強しようと思ったとき、それを手軽に行えるアイテムがある。それが「パワードサブウーファー」だ(チューンアップサブウーファーと呼ばれることもある)。今回は、これがどのようなものなのかを、そして効果のほどはどれくらいなのかを解説していく。

さて、低音を再生しようするときには、口径の大きなスピーカーユニット、つまりは「サブウーファー」が必要になる。以前に解説したとおり、ドアに取り付けられるスピーカーは17cmクラスまでである場合がほとんどで、その大きさのスピーカーではもっとも低い音まで再生し切れないからだ。

ただし、単体の「サブウーファーユニット」だけを用意しても音を鳴らせない。それを装着するボックスが必要で、さらには「サブウーファーユニット」を動かすための外部パワーアンプもなくてはならない。しかし「パワードサブウーファー」なら、これだけを用意すれば音を出せる。なぜならこれは、「サブウーファーユニット」とボックスとパワーアンプとが一体化した製品だからだ。

ところでこの際なので、なぜにボックスが必要となるのかその理由も説明しておこう。理由はズバリ「スピーカーの裏側から放たれる音を閉じ込めたいから」だ。

というのもスピーカーは振動板を前後に動かし、そうすることで空気を震わせ音を伝えるのだが、その営みはスピーカーの後ろ側でも成されている。で、前側から放たれる音も後ろ側から放たれる音も耳で聴く分には同じ音なのだが…。

しかし、音波としては真逆の関係になっている。スピーカーを前から見て振動板が前側に動いているその瞬間にそれを後ろから見ると、振動板は奥に引っ込んだ状態となっている。このように動き方が“対”の関係となるので、音波としても動き方が180度反転してしまうのだ。

パワードサブウーファーの一例(DLS・ACW10)。パワードサブウーファーの一例(DLS・ACW10)。

ボックスを用意して裏側の音をその中に閉じ込めると…。

で、もしも音波として真逆の関係にある音が同一空間で混ざり合うと、とある問題が発生する。それは“キャンセリング”だ。つまり、お互いがお互いを打ち消し合う現象が起きてしまうのである。でもボックスに取り付けて裏側から放たれる音を箱の中に閉じ込められれば、“キャンセリング”が起こらない。ゆえにボックスが必要となるのだ。

さらに、外部パワーアンプが必要となる理由も説明しておきたい。この理由も至って単純明快だ。理由は「メインユニットの内蔵パワーアンプでは口径の大きなスピーカーを駆動できないから」だ(一部、サブウーファーも鳴らせるメインユニットもある。例えばカロッツェリアのDEH-6600)。ドアスピーカーはメインユニットに内蔵されているパワーアンプでも駆動できるが、「サブウーファー」は口径が大きいので鳴らすのに大きな力が必要となる。なので何らかの外部パワーアンプが必要となるケースがほとんどなのだ。

ところで「パワードサブウーファー」には、小さく、そして薄いモデルが多い。そういうものを選べばシート下への設置も可能となり、取り付けにおいても省コスト化を実現できる。

ちなみに「パワードサブウーファー」の価格はいくらくらいなのかというと、手頃なものでは1万円台からある。上を見れば高級モデルも多々あるが、3万円から5万円くらいのモデルが選ばれることが多いだろうか。サブウーファーユニットを買ってボックスを作りさらには外部パワーアンプまでを用意するのと比べると、費用面でのアドバンテージはかなり大きい。

パワードサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-WX010A)。パワードサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-WX010A)。

音的にも十分な効果をゲット可能! 選択肢もさまざまある!

さて、問題は「音がどうか」だ。コストが掛かりにくくても、音がイマイチなら意味がない。

結論から入ろう。「パワードサブウーファー」は、音質性能面でも十分な実力を発揮する。

ちなみにいうと、サウンドコンテストに出場するような音を極めようとする車両においては、「パワードサブウーファー」が使われるケースは少ない。つまり、音質性能に重きを置く場合には、「ユニットサブウーファー」に利がある。

しかし、「パワードサブウーファー」でもドアスピーカーでは鳴らしようがない超低音を鳴らせることも紛れもない事実だ。そしてコントロールが上手くいけば、重低音が目の前から聴こえてくるようにもなる。このようなHi-Fi的なサウンドメイクも十二分に行える。

なお、「パワードサブウーファー」にもさまざまなタイプがある。なので、予算と効果と取り付け上の都合、これらを天秤にかけながら、自分にとってのベストなモデルを探し出せる。

例えば、できる限り良質な低音を得たいと考えるならばよりハイグレードな「パワードサブウーファー」を選べば良いし、トランクの積載スペースを多少ならば犠牲にしても良いと考えるならば、大型のモデルを選べばより深く重い低音を獲得できる。逆に、省コスト省スペースにこだわってリーズナブルな小型・薄型モデルを選んでも良い。ショップとよく相談しながら、最善と思える製品をセレクトしよう。

今回はここまでとさせていただく。次回も「サブウーファー」に関する解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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