ブランド名鑑・2021 第2回「ビーウィズ」編 | Push on! Mycar-life

ブランド名鑑・2021 第2回「ビーウィズ」編

世界各国の有名カーオーディオブランドの中から特に注目したい気鋭のメーカーをピックアップし、それぞれの特色を浮き彫りにしようと試みている当シリーズ連載。第2回目となる当回では、国産実力ブランド“ビーウィズ”にスポットを当て、同社だからこその魅力を紐解く。

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ビーウィズ『Reference AM』シリーズ。
  • ビーウィズ『Reference AM』シリーズ。
  • ビーウィズの最新『Confidence』シリーズ。
  • ビーウィズ『STATE MM-1D』。

世界各国の有名カーオーディオブランドの中から特に注目したい気鋭のメーカーをピックアップし、それぞれの特色を浮き彫りにしようと試みている当シリーズ連載。第2回目となる当回では、国産実力ブランド“ビーウィズ”にスポットを当て、同社だからこその魅力を紐解く。

革新的スピーカー『Confidence』を発売し、その歴史をスタート!

“ビーウィズ”は、他の国産メーカーと比べると新し目のカーオーディオブランドだ。初の製品をリリースしたのは2002年の6月。革新的なカー用スピーカー、『Confidence(コンフィデンス)』を発売し、華々しくその歴史をスタートさせた。

この『Confidence』は、たちまちのうちにカーオーディオ愛好家たちの間で話題となった。斬新な技術が採用されていたからだ。それは「P.P.C.(Polar Pattern Control)スピーカー技術」という名称で、ツイーターとミッドウーファーの構造、素材、磁気回路がそれぞれ共通設計であることを特長としている。そして当技術により『Confidence』は、帯域間の音色の統一が果たされ、フラットでスムーズな周波数特性が実現されていた。

なお当技術の中で特に注目が集まったのは、“偏芯コーン”だ。『Confidence』の各スピーカーの振動板は、中心をややずらした構造をしていた。そうすることで、車室内での指向性の制御が可能となる。クルマの中ではドアに取り付けたスピーカーと正対することができず、このことも音響的な不利要因の1つとなるのだが、“ビーウィズ”は「偏芯コーン」を採用することでその不利の克服に挑んだ、というわけだ。

そしてその年の暮れには18cmサブウーファーもリリースして『Confidence』シリーズを完成させ、続いて2003年の2月には、2機種のパワーアンプ、1機種のオーディオレギュレーター、そして2つのスピーカーシリーズを発表し、一気にラインナップを整備した。

ビーウィズの最新『Confidence』シリーズ。ビーウィズの最新『Confidence』シリーズ。

新基軸のメインユニット『STATE MM-1D』で、一層その名を轟かせる!

以後も“ビーウィズ”は、新しい価値観を持つカーオーディオアイテムを続々と発表し続けてきた。例えば2005年の6月には、リニアPCMプレーヤー『Mirror Media MM-1』を発売した。当機は今にしても唯一無二のカーオーディオメインユニットなのだが(現行機種は『STATE MM-1D』および『MM-1DT/6』)、コンセプト、ルックス、仕様、すべてが独特で、とにもかくにも異彩を放った。

なにせ当時、ハイエンドカーオーディオシステムにおいてのメインユニットといえば1DINのCDプレーヤー/レシーバータイプであることが当たり前だったのだが、当機は回転系のメカを持たず、対応メディアはCFカード。しかも本体はルームミラー型をしていて純正のミラーに被せるようにすれば装着を完了できる。何から何まで新しかった。

そしてその新しさは、それぞれが理に叶っていた。回転しないメディアから音楽信号を読み取るので振動に強い。また当時は徐々に純正メインユニットが取り外せない車種が増えつつあり、さらには2DINのカーナビの使用率も高まっていて1DINのハイエンドメインユニットを導入しづらくもなり始めていた。

しかし『Mirror Media MM-1』は、センタークラスターパネルへインストールする必要がないので、基本的にどのような車種にも簡単に取り付けられて、また付属のインターフェースユニットは純正オーディオのスピーカー出力も入力できるので、純正メインユニットとも共存できる。

そして当機は使われている音響パーツも回路設計技術も優秀なため、そもそも至って高音質だ。当機によってもまた“ビーウィズ”は、多くのファンの獲得に成功する。

ビーウィズ『STATE MM-1D』。ビーウィズ『STATE MM-1D』。

モノラルパワーアンプやデジタルプロセッサー等々、注目機を続々リリース!

さらに“ビーウィズ”は、以降も注目機をさまざまリリースした。2006年には1chパワーアンプ『Accurate(アキュレート) A-110S』を、2007年にはデジタルプロセッサーDAコンパーターの『Mirror Station AZ-1』を、そして既発表のスピーカーシステムも都度進化させ新機種や特別モデルを発表し続けた。

なお“ビーウィズ”は、2017年に完全新設計のニュースピーカー『Reference AM』シリーズを発表し、新境地を切り拓く。当シリーズには注目ポイントが主には2つある。1つは新開発の「AM(アルミ-マグネシウム)振動板」が採用されていること。そしてもう1つは新たな口径体系が導入されていることだ。ちなみにそれまでの“ビーウィズ”スピーカーは、ツイーターが5cm、ミッドウーファーが13cm、サブウーファーが18cmというようにそれぞれ統一されていたのだが、『Reference AM』シリーズでは、ツイーターは2.5cm、ミッドウーファーは16.5cmとなり、サブウーファーも16.5cmだ。そしてさらには8.8cmのミッドレンジもラインナップされている。

このような口径体系が敷かれている主な狙いは、対応力を広げるためだ。特に8.8cmのミッドレンジは、欧州車等のプレミアムカーに向いている。サブウーファーも口径が小ぶりなのでボックスを小型化でき搭載しやすい。

また“ビーウィズ”は2020年の9月には、“第4のビーウィズスピーカー”となる新シリーズ『BEWITH Lucent(ビーウィズ ルーセント)』を登場させている。これにて、一層手軽に“ビーウィズ”サウンドを手にできるようになり、同社製品の愛好家の裾野を広げることにも成功している。

メインユニットからケーブル類まで、そして超ハイエンドモデルからスタンダードモデルまで幅広く独特な製品群を擁する“ビーウィズ”。同社ならではのピュアサウンドに興味があれば、取り扱いショップでの試聴をぜひに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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